有名ドラマPだったカンテレ社長の進退が焦点…元フジ専務、中居正広氏の女性アナへの性暴力を「プライベートな問題」と即断
元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルをめぐって問題視されているフジテレビの一連の対応をめぐり、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)が3月31日、調査報告書を公表した。同書では、女性アナウンサーAさんが中居氏から性被害を同社に申告したにも関わらず、当時の港浩一社長と大多亮専務、編成制作局長G氏が「プライベートな男女間のトラブル」と即断。「こうした3名の誤った認識・評価が、CX(フジテレビ)における本事案への対応を誤る大きな要因となった」と断じている。今後の焦点は、現在関西テレビ社長である大多氏の責任の取り方、G氏、多くの行動が問題視された編成幹部B氏の処分になる。

当時編成制作局長G氏、編成幹部B氏も処分へ
元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルをめぐって問題視されているフジテレビの一連の対応をめぐり、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)が3月31日、調査報告書を公表した。同書では、女性アナウンサーAさんが中居氏から性被害を同社に申告したにも関わらず、当時の港浩一社長と大多亮専務、編成制作局長G氏が「プライベートな男女間のトラブル」と即断。「こうした3名の誤った認識・評価が、CX(フジテレビ)における本事案への対応を誤る大きな要因となった」と断じている。今後の焦点は、現在関西テレビ社長である大多氏の責任の取り方、G氏、多くの行動が問題視された編成幹部B氏の処分になる。
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報告書では、港氏、大多氏、G氏の3人を「編成ライン」を表現している。G氏が女性Aさんと中居氏のトラブルを把握したのが2023年7月13日。この時点でAさんが中居氏からの性暴力を理由に入院し、自死の危険性をはらんでいたにも関わらず、Aさんが同意して中居氏のマンションに行ったことを理由に「プライベートな男女間のトラブル」との認識を示した。
そして、同8月21日にG氏から報告を受けた大多氏が、港氏に報告。3人はここでも「プライベートな男女間のトラブル」の事案と認識していた。また、中居氏がAさんとは異なる認識を持っていることなども重視。それらを踏まえ、報告書では「港社長ら3名には本事案がCX(フジテレビ)における人権問題であるとの認識がなく、人権方針に基づく対応を行う発想も、人権対応の専門家に助言を仰ぐという発想もなかった」と断言。「女性を刺激しない方がいい」との発想で何もしない「思考停止」の状態になり、中居氏の番組出演を継続し、特番にも起用を続けていたことも指摘している。
3人の責任は非常に重いと考えられるが、港氏は既に引責辞任、大多氏に関しては24年6月19日にフジテレビを離れ、系列準キー局の関西テレビ(カンテレ)社長に就任している。そのため、報告書公開を受けて会見したフジテレビの清水賢治社長は、大多氏の処遇について「関西テレビで判断されると思う」と話すにとどめた。カンテレの判断は1日午前8時の時点で公表されていないが、大多氏が現職に留まることは難しい状況。フジテレビ時代に『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』など大ヒットドラマを手がけたプロデューサーで、同局の常務、専務などの重役を歴任した有名テレビマンの「責任の取り方」が注目される。
また、清水社長はG氏について「3月27日の時点で執行役員、編成局長を退任して編成局付になっている」と説明。その上で「第三者委員会の報告書が出ましたので今後、精査して適切に対処したいと思っています」と処分を科すことを示唆した。
中居氏と親しい立場にあるB氏については「性暴力への関与はなかった」とされた。だが、それまでにB氏はAさんを合計4回、食事会の席に同席させたり、食事会に誘ったと認定。そのため、「中居氏と女性Aとの関係性、両者の権力格差、CXにおけるタレントと社員との会食をめぐる業務実態などから、本事案はCXの業務の延長線上における性暴力であったと認められる」と結論づけた。
これを受け、清水社長は「B氏の(当該事案の)関与はなかったが、(性暴力は)業務の延長だと認定されている。類似事案にもBはかなり出てきている。今、この報告書で指摘されているところで見ると、問題が多かった社員だと私自身は認識している」とし、「事実関係を確認し、厳正に処分するつもりです」との見解を示した。なお、B氏が関与した類似事案については、報告書で(1)都内の外資系高級ホテルでスイートルームを借り、中居氏ら有力な番組出演者との会合に女性アナらを参加させていた。女性アナがその場でセクハラ被害に遭った件、(2)有力な番組出演者との飲食の場に呼んだ女性社員を置き去りにし、番組出演者と2人きりにさせた。そこで被害が発生した件としている。
B氏は数々の人気バラエティー番組に携わり、中居氏とダウタウン・松本人志がメインの同局系『まつもtoなかい』の立ち上げの責任者を務めていた。しかし、中居氏が起こしたトラブルへの関与疑惑が浮上。今年1月30日以降は人事局付となっている。
