日枝久氏の“悪影響”が「社員のやる気を失わせた」 人事通じて「支配」 第三者委が厳しく断罪…経営責任にも踏み込む
元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルをめぐって問題視されているフジテレビの一連の対応をめぐり、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)が、長年にわたってFMHの役員を務めてきた日枝久氏について、「人事を通じて支配している」と認定し、大きな影響力を維持してきた実態を断じた。31日に調査報告書を公開し、日枝氏の経営責任に踏み込んだ。

「長年にわたる功績と経営中枢への関与から、経営に強い影響力」
元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルをめぐって問題視されているフジテレビの一連の対応をめぐり、同社と親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)が、長年にわたってFMHの役員を務めてきた日枝久氏について、「人事を通じて支配している」と認定し、大きな影響力を維持してきた実態を断じた。31日に調査報告書を公開し、日枝氏の経営責任に踏み込んだ。
87歳の日枝氏は、フジテレビの社長、同局とFMHの会長等を歴任し、役員を40年以上務め、グループ内で強大な実権を握ったとされている。同局の取締役相談役を今月27日に退任、FMH取締役相談役については今年6月開催の株主総会での退任を予定している。2月27日に日枝氏が自宅で転倒し、圧迫骨折。入院中であることも明かされている。
第三者委員会の調査報告書は、フジサンケイグループとFMHグループのガナバンス(企業統治)について言及。「日枝氏がFMHグループの人事に大きな影響力を行使し、またその実態がブラックボックス化しているので、日枝氏が代表を務めるフジサンケイグループがFMHグループをも人事を通じて支配しているという外観を呈しており、FMHのグループガバナンスの透明性に悪い影響を与えている」と認定。「従って、より透明性を高める必要があると評価すべきである」と、ガバナンスの刷新について厳しく指摘した。
企業風土の問題点や取締役会の「機能不全」に対する糾弾(きゅうだん)は続き、「特に、FMH及びCX(フジテレビ)の役員の指名の在り方は、代表取締役会長または日枝氏のブラックボックス化した透明性と公平性を欠いたものになっている」と断罪。社外取締役についても日枝氏の知己している人物を選んでいたという人事上の慣習を明らかにし、「これらの指名の実態が、社員のやる気を失わせ、組織全体の活力を低下させているリスクが発生していると評価される」と結論付けた。
そして、経営責任について、「当委員会が調査したところでは、日枝氏はCX/FMHの代表取締役会長と代表取締役社長というトップ人事を決めていた。それよりも下層の人事は快調と社長が決めていたが、中には会長と社長が日枝氏にお伺いを立てている状況も見受けられた。長年にわたる功績と経営中枢への関与から、経営に強い影響力を及ぼしており、組織風土の醸成に与えた影響も大きいと言える。日枝氏のみならず取締役会メンバー全員に経営責任が認められる」と強調した。
一方で第三者委員会は「同社の経営に対する日枝氏の影響力さえ排除すればコーポレートガバナンスが機能するかのような安直な見方には与しない」とし、不断の努力で経営改革を行っていくことを同局とFMH側に求めた。
