35周年のBEGIN、武道館で3時間超の記念ライブ デビュー曲を熱唱した比嘉「イカ天を思い出した」

デビュー35周年を迎えたBEGINが30日、東京・日本武道館で35周年記念公演『さにしゃんサンゴ SHOW!!』を開催。デビュー曲『恋しくて』から、最新シングル『太陽』までアンコールを含め、3時間で全34曲を演奏し、1万人の観客を前に35年分の感謝を届けた。

35周年を迎えたBEGIN(左から上地等、比嘉栄昇、島袋優)
35周年を迎えたBEGIN(左から上地等、比嘉栄昇、島袋優)

35周年記念公演『さにしゃんサンゴ SHOW!!』日本武道館公演レポート

 デビュー35周年を迎えたBEGINが30日、東京・日本武道館で35周年記念公演『さにしゃんサンゴ SHOW!!』を開催。デビュー曲『恋しくて』から、最新シングル『太陽』までアンコールを含め、3時間で全34曲を演奏し、1万人の観客を前に35年分の感謝を届けた。

 BEGINとしては14年ぶり3回目の日本武道館単独ライブでチケットは発売と同時にソールドアウトとなった。開演前から熱気に包まれた会場では、ファンがBGMに合わせて手拍子を始めて3人の登場を待ちきれない様子だ。

 定刻になり場内が暗転するとボーカルの比嘉栄昇、ギターの島袋優、キーボードの上地等が法被を着てステージに登場すると、サポートメンバーも登場し、比嘉の長男・比嘉舜太朗(ドラム)と次男の比嘉健二朗(コーラス)もステージに上がった。

 比嘉が「BEGINのみなさん、こんばんは! 35周年おめでとうございます」といきなりボケをかまし、隣にいた上地も思わず笑ってしまう。続けて「35周年を祝ってもらう俺たちが一生懸命頑張るっていうのも何かおかしいなって思ったんです。それで今日はみなさんがBEGINです。今日はみなさんに喜んでもらうためにお祝いの宴を開きたいと思います。最後までよろしくお願いします!」とあいさつすると、観客も大きな拍手と笑顔で答えた。

風船が舞う中、全員で「盆マルシャ」を踊る
風船が舞う中、全員で「盆マルシャ」を踊る

日本武道館で盆踊り

 最初に出演者全員でブラジル音楽のリズムと盆踊りを合体させた「盆マルシャ」で『東京音頭』『炭坑節』、『渋谷百年総踊り』を披露。浴衣を着た日本盆踊り協会の女性陣たちがステージで踊る中、客席も一緒になって盆踊りを楽しむ姿も。外の花冷えを吹き飛ばす石垣島の暖かい風に乗せて武道館は夏の景色が広がった。

 演奏を終えると島袋は「すでに口の中がカラカラで、それくらい今日は楽しみでした」と喜びを言葉にし、上地も「こんなにたくさんの人が集まってくれてありがとう! 最後まで楽しみましょう」とあいさつ。比嘉が「石垣島では道を歩いていても『帰ってきたの?』くらいしか言われないの。だから35年経った今も武道館にこんなに人が集ってくれるのでまだまだBEGINやれますよ!』って言いたい」と話すと大きな拍手が起きた。

 次は3人だけのステージがスタート。上地の軽快なピアノでイントロを奏でると東京に出てきたばかりの頃に作った曲『いつものように』を歌った。続けてデビューシングル『恋しくて』は、島袋のブルースギターのイントロが流れると客席から拍手が起きる。往年のファンは、イカ天(TBS系『三宅裕司のいかすバンド天国』)に出演していた頃の3人の姿がステージ上で重なった。歌い込むほどに艶の増す彼らのブルースナンバーに観客もしばし酔いしれる。歌い終わった比嘉も「『いかすバンド天国』の武道館ライブを思い出した」としみじみ。

 ここで客席からリクエストを募り、『春にゴンドラ』の声が聞こえると「できるかな」と言って島袋のコードに合わせてアカペラで1コーラス歌った。「他にある?」と声を掛けると客席から『海の声』と聞こえ、比嘉が「もちろん後で歌いますよ。優なんか朝から準備しているから」と言うと客席からドッと笑いが起きた。

 次に歌ったのは『涙そうそう』。会場が暗転し、天井一面に星空の演出も施され、あまりの感動に1コーラスを歌い終わったところで客席から自然に拍手が起きた。それを見た比嘉はうれしさの余り「歌おうとする時に拍手しないでよ」と照れ笑い。「ここは日本武道館ですが、みなさんは地元の公民館だと思って楽しんでください」と言って2番を歌った。

 最後にリクエストを募り『防波堤で見た景色』を即興で1コーラス演奏し、『声のおまもりください』を1フレーズだけ歌った。

14年ぶりの武道館公演を楽しむ3人
14年ぶりの武道館公演を楽しむ3人

7年ぶりのオリジナルアルバム『太陽』を7月2日にリリース

 ここからは、いつものサポートメンバーの舜太朗(ドラム)と迎里中(ベース)も加わり、バンドセットで『三線の花』、島袋が歌う『海の声』、『砂糖てんぷら』『アサイーボウル』『国道508号線』と徐々にテンポアップ。観客も立ち上がり、一緒に踊る。そして前半の山場で『笑顔のまんま』を披露すると、観客も一斉に手を高く上げて歌った。

 次に7月2日に発売する7年ぶりのオリジナルアルバム『太陽』に収録する新曲の初お披露目コーナーへと移った。先日配信したばかりのシングル『太陽』は、BEGINの大切な2人の仲間を失った深い悲しみから生まれた曲。比嘉は「始めは『人生って何だろう』ってやり切れない思いがあったけど、『お天道様は心の中にいくつもある』と考えたら気が楽になって歌ができました」と説明。続けて同じく新曲の『ただ雲になる』『ほなバイバイ~大阪マドロス女~』も初披露した。

 後半に突入すると約30分にも及ぶノンストップ・マルシャメドレーがスタート。コーラスの健二朗、サックスの島尻哲明、太鼓の西川啓光、ほかにもサンバや盆踊りのダンサーたちも加わり、往年のヒット曲をサンバのリズムに乗せて演奏を楽しんだ。舜太朗が30分間ノンストップで軽快なビートを刻み続ける中、健二朗は『ガラスのジェネレーション』をマルシャのリズムで熱唱した。

 終盤は定番曲で畳みかけ、『オジー自慢のオリオンビール』『かりゆしの夜』ではステージと観客が一体となってカチャーシーを踊り大盛り上がり。本編最後は新曲『なんくる君であれ』で締めると、アンコールは『ボトル二本とチョコレート』、そして『島人ぬ宝』を観客と一緒に大合唱して3時間に及ぶ、記念公演に幕を閉じた。

来場者全員に配られた比嘉手作りによる大入り袋
来場者全員に配られた比嘉手作りによる大入り袋

石垣島で比嘉自ら作った巾着袋のお土産を観客全員にプレゼント

 最後に比嘉が自ら作ったお土産付きの大入り袋を帰りに観客全員にプレゼントし、規制退場で待機中の観客にニューアルバムの音源を聴いてもらおうという粋な演出も飛び出すなど、最後まで3人の感謝の気持ちが込められたライブだった。

 BEGINはこの後、5月から全国8か所9公演を行うライブハウスツアー『さにしゃんライブハウスツアー』を開催するなど、BEGINの35周年イヤーが始まった。

BEGIN 35周年記念公演『さにしゃんサンゴ SHOW!!』
2025年3月30日東京・日本武道館セットリスト
01. 東京音頭
02. 炭坑節
03. 渋谷百年総踊り
04. いつものように
05. 恋しくて
06.春にゴンドラ
07. 涙そうそう
08. 防波堤で見た景色
09. 声のおまもりください
10. 三線の花
11. 海の声
12. 砂糖てんぷら
13. アサイーボウル
14. 国道508号線
15. 笑顔のまんま
16. 太陽(新曲)
17. ただ雲になる(新曲)
18. ほなバイバイ~大阪マドロス女~(新曲)

マルシャメドレー
19. バルーン
20. 上を向いて歩こう
21. 365歩のマーチ
22. 自動車ショー歌
23. お祭りマンボ
24. 好きになった人
25. ガラスのジェネレーション
26. 勝手にシンドバッド
27. 銀河鉄道 999
28. ソウセイ

29. 竹富島で会いましょう
30. オジー自慢のオリオンビール
31. かりゆしの夜
32. なんくる君であれ(新曲)

アンコール
33. ボトル二本とチョコレート
34. 島人ぬ宝

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