米6合が1合に激減 相撲出身レスラーが減量と食事改善で頂点へ王手

「元北道山」樋口和貞が4か月の長期欠場を糧にDDTの頂点取りに挑んでいる。

「安全地帯はもう歌えない」と残念そうな樋口和貞【撮影:柴田惣一】
「安全地帯はもう歌えない」と残念そうな樋口和貞【撮影:柴田惣一】

米6合食べていたのが…

「元北道山」樋口和貞が4か月の長期欠場を糧にDDTの頂点取りに挑んでいる。

「KING OF DDT 2020」トーナメントのベスト4に進出した樋口。8・23後楽園ホール大会の準決勝、決勝に向けて、最終調整に入っている。

 1回戦で渡瀬瑞基、2回戦でHARASHIMA、3回戦で竹下幸之介を退ける快進撃の源といえば、昨年9月、右ヒザのじん帯を痛めて、年末まで欠場したこと。苦しいリハビリに打ち込んだことで、一回り、成長した。

 4か月の間に体重は115キロから98キロとダウンしたものの、その分、切れ味とスピードが増した。今では、身長185センチ、体重105キロと理想的なボディーを維持している。「当たり負けもしなくなったし、体も軽い。ヒザの調子も良く、不安は全くない」と破顔一笑。勢いに乗る男の最高の笑顔を披露してくれた。

 欠場前は何をするにも、自分で限界を決めてしまっていた。「ここらでいいか」と、あと一歩、踏み込んだトレーニングも練習もしていなかった。

 復帰を目指すリハビリで「1回、1回、とことんやった。集中力も高まった。それまでの限界なんて、いつの間にか、超えていた」と、手ごたえをつかみ取ったのだ。

 肉体改造はトレーニングに加えて、食生活の改善が成功。一食、米6合食べていたのを1合にし、肉や野菜を、バランスを考えてとるようにしたところ、筋力はアップし、元々、自信のあったスタミナが倍増した。

 HARASHIMA、竹下とDDTのトップ2人を「自分の土俵に引きずり込んで、樋口和貞のファイトで叩きのめせた」と、レスラー人生6年目にして、ベストの状態に突入した。

 高校時代に全道大会3位になった柔道、「プロレスラーになるために」入門した大相撲で、鍛え上げた「基礎力」も、ここにきて役立っている。

激闘の代償 カラオケで高音が…

 現KO-D無差別級王者・遠藤哲哉との準決勝を突破すると、同日に決勝戦(彰人 VS T-Hawkの勝者)が待っている。ダブルヘッダーも「1日に5試合したことがある」樋口にしてみれば、朝飯前だ。

 プロレスラーになって、喉元を厳しく攻め立てられ、カラオケで高音が出せなくなってしまった。安全地帯の曲が十八番だったが、今では「玉置浩二には近づけない」と残念そうだ。

 コロナ禍もあって、カラオケから足が遠のいている今こそ、問題がクリアされた時に備えて「低い声で歌える、渋い曲を探している」と苦笑い。DDT王になって、新たなレパートリーを披露したいところだ。

 新たな肉体に、ハートも進化した「ネオ樋口」が、DDT王の座をつかみ取る。樋口の目の色が変わっている。

次のページへ (2/2) 【写真】大相撲出身とは思えない!
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