森山直太朗、父・ジェームス滝さんの死に際の声に言及「録音していた。これは残したいなと」
シンガー・ソングライターの森山直太朗が29日、都内で行われた映画『素晴らしい世界は何処に』公開記念舞台あいさつにメガホンを取った番場秀一監督とともに登壇した。

映画『素晴らしい世界は何処に』公開記念舞台あいさつに登壇
シンガー・ソングライターの森山直太朗が29日、都内で行われた映画『素晴らしい世界は何処に』公開記念舞台あいさつにメガホンを取った番場秀一監督とともに登壇した。
本作は、2022年から約2年間で107本に及んだ森山直太朗 20thアニバーサリーツアー『素晴らしい世界』の映像作品をもとに、新規映像と新たな楽曲をとり入れたドキュメンタリー映画。約2年の同ツアーの旅路と、その終着点となる「両国国技館」をつづったライブ映像に加え、ツアー最中に父の死と直面した森山にフォーカスし、死という避けようのない事実と、そこを起点に逆流するように流れる家族の再生が描かれた作品となっている。
当初、映画になる予定はなかったそうだが、森山は「両国国技館でのライブをDVD&Blu-rayにしていく中で、スタジオで音響とか映像込みで確認したんです。ここまで大きな映画館ではなかったんですけど、素晴らしい5.1サラウンドとかドルビーアトモスも聞いた時に、誤解を恐れながら言えば、生か生以上の臨場感が立ち上がっていてさすが、番場秀一だなと思った。まずはファンの皆さんとシェアしたいなということで、いろんな地域の映画館やイベントスペースで鑑賞会をしようというのが発端です」ときっかけを語る。
続けて「1年半、2年近くかけて全国回ってたので、人生においてプライベートの中でも、ツアーの中でも、複雑に絡み合っていくような日常の景色があったりして、自分のある種生活、人生そのものを捉えていた。そういう映像を監督が組み込んでいくことで、これはもしかしたら映画っていう形にしていけるんじゃないかっていう話になった。ライブ映像だけでは映画にならなかったと思います」と映画作品となった経緯を明かした。
映画には森山の父であるジェームス滝さんの死に際の声が使われているそうだが、森山は「死に際に父はすごく興味深いことや面白いことを口走るようになったんで、録音してたんです。これは残したいなと思って」と、たまたま記録していたことを説明。その上で、番場監督にその音声を渡した理由について「作品作りの上で何かリアリティーを感じるものがあったらいいなと思って渡した。使うとなったらその時考えればいいし、何かを傷つけるために、僕らは作ってるわけじゃない。だからそこは監督の思いを信じて託して委ねたっていう感じですね」と明かした。
番場監督は当初「ごめんなさい、受け取れません」「自分が監督だから、監督としてこれを聞いたら、絶対素材として使ってしまう」と一度拒否したそうだが、森山と番場監督の双方同意の上で、最終的に採用することになったそう。
イベントでは森山が亡くなった父に代わり、歌にしたためた主題歌『新世界』を生歌唱。会場は感動に包まれた。
