NHK『バリバラ』後継番組『toi-toi』、司会者を置かず「テレビを通して一緒に対話に参加を」

NHKの新番組『toi-toi(トイトイ)』(4月3日放送開始、木曜20時~)制作スタッフリモート取材会が27日に行われ、番組制作統括の久保暢之プロデューサーと加藤寛貴ディレクターが登壇した。

新番組『toi-toi(トイトイ)』【写真:(C)NHK】
新番組『toi-toi(トイトイ)』【写真:(C)NHK】

『toi-toi』では制作者の欲しい答えを求めない

 NHKの新番組『toi-toi(トイトイ)』(4月3日放送開始、木曜20時~)制作スタッフリモート取材会が27日に行われ、番組制作統括の久保暢之プロデューサーと加藤寛貴ディレクターが登壇した。

 同番組は、ある人が心の奥底に抱いてきた「問い」を、みんなで考えてみようという新しい福祉番組。「問い」を立てた主人公が、多様な視点を持った人たちと対話しながら、違いを認め合い、ともに生きる世の中を実現するためのヒントを探る。

 NHK大阪放送局制作の『バリバラ』の後継番組となる同番組。加藤ディレクターは「NHK大阪放送局では、当事者発信、当事者視点をずっと大事にしてきました」と話すと、久保プロデューサーも「『バリバラ』との共通点は、マイノリティー性のある方の視点や声を大事にしながら作っていくところ。一方で、『バリバラ』はバラエティー的な作り方、『toi-toi』はドキュメンタリー的な作りを意識するなど演出的には異なるので、あくまで別の番組として見ていただければと思っています」とアピールした。

 さらに、久保プロデューサーは「番組を開発する中で、当事者の方から『メディアの人って欲しい答えを求めてくるんだよね』と言われたことがあった。この番組では、そういうことはせず、本人の伝えたいことを大事にしていきたいと思っています」とも語った。

 番組では、司会者を置かず、さまざまなマイノリティー性のある6人がテーマに沿って自由に対話をしていく。久保プロデューサーは「進行役を置かないことで、1つの答えに導くのではなく、さまざまな視点がクロスし、多様な視点が得られると考えています。ゆるやかな合意を出演者の皆さんとした上で対話をしてもらうことで、仮に話が脱線しても、一周回って深い議論になったりと、思いがけない発見をすることがあります」と話すと、加藤ディレクターも「収録の時はカンペを出したいところを、ぐっとこらえて見守らせていただいています」と付け加えた。

 また、久保プロデューサーは「テレビの見られ方がこの10数年で、大きく変化してきました。かつてはSNSの活用がそれほどありませんでしたが、今は当事者の方がいろいろな媒体で発信する機会がすごく増えたなと実感しています。そういう中で、テレビで社会課題や福祉的なテーマについて考える番組を作っていくにはどうすればいいのかを考えてきました。『toi-toi』では、見てくださった方が自分だったら「問い」についてこう思うなとか、テレビを通して一緒に対話に参加したくなる、そんな番組になったらいいなと思っています」と意気込んでいた。

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