“アイドル戦国時代”に思うこと 乃木坂46一ノ瀬美空「危機感がある」…池田瑛紗は「ブランド化の確立が強み」
乃木坂46が、今月26日に38枚目シングル『ネーブルオレンジ』をリリースした。選抜メンバーは19人でセンターは井上和と中西アルノが務める。同じ5期生の池田瑛紗と一ノ瀬美空も選抜入り。ENCOUNTは2人に新曲の見どころや、昨今の“ガールズグループ戦国時代”への思いを聞いた。

最新シングル『ネーブルオレンジ』をリリース
乃木坂46が、今月26日に38枚目シングル『ネーブルオレンジ』をリリースした。選抜メンバーは19人でセンターは井上和と中西アルノが務める。同じ5期生の池田瑛紗と一ノ瀬美空も選抜入り。ENCOUNTは2人に新曲の見どころや、昨今の“ガールズグループ戦国時代”への思いを聞いた。(取材・文=星川莉那、構成=柳田通斉)
2月23日、3期生の与田祐希が卒業した。同曲には、与田と全メンバーで歌唱する『懐かしさの先』が収録されている。同じ福岡県出身で与田を慕っていた一ノ瀬は寂し気な表情を浮かべて言った。
「ここまで惜しみなく愛情を向けてくれた一番の先輩です。与田さんのいる乃木坂46を知ることができて良かったです。飾らないすてきな先輩で、尊敬するところばかりです」
池田も「(2月は)与田さんのいる現場といない現場がありましたが、いる現場はすごい空気感が柔らかくて温かくなるのを実感しました」と寂しさを口にした。
最新シングル『ネーブルオレンジ』は、井上と中西が初めて5期生同士でダブルセンターを務め、エース格の4期生・遠藤さくらと賀喜遥香が両脇を固める“鉄壁”の布陣で挑む。そして、池田と一ノ瀬は、最初に音源を聴いた感想を率直に語った。
池田「昔の懐かしさを感じるような雰囲気があります」
一ノ瀬「イントロはさわやかだけど、切ない歌詞が多いので寂しさを感じて好きです。1回聴いただけで、タイトル名のネーブルオレンジと曲調が頭から離れなかったです」
乃木坂46はこれまでも『チャンスは平等』などレトロ調の曲をリリースしており、2人は「乃木坂の伝統や歴史を受け継いでいる“乃木坂らしい”曲」と声をそろえた。
5期生は今年2月で加入して3周年。2人は「長くて短かった。あっという間でした」としみじみと振り返った。そして、初対面だったオーディション最終審査で感じた互いの印象を明かした。
一ノ瀬「ソファーに一人で座って一言もしゃべっていなかったので、『すごい静かな子だろうな』と思っていました(笑)。寝てて全然緊張していないし、『こういう子が受かるんだろうな』と感じていました」
池田「『一人だけすごい太陽みたいな子がいる。絶対に受かるんだろうな』と。初期からかわいくて、『生まれた時からずっとかわいいんじゃないか』と思いました」

初めての後輩となる6期生が加入「優しい先輩になりたい」
ともに翌23年には選抜入り。グループの中核を担うほど成長が著しい。5期生の冠番組・日本テレビ系『超・乃木坂スター誕生!』(月曜深夜1時29分)は、前身の『新・乃木坂スター誕生!』を含めて3年間継続。同番組で司会を務めているお笑いコンビ・オズワルド(伊藤俊介と畠中悠)の人柄を聞くと、2人は感謝を込めて言った。
池田「尊敬できる存在です。思いやりがあって、メンバーのことを気にかけてくださっている。何でも面白くしてくれて、すごく安心感あります」
一ノ瀬「おふたりとも愛にあふれています。畠中さんは寡黙な方だけど、(5期生の)歌を作ってくれました。その歌詞を見た時、私たちのことを大切に思ってくれていることが伝わりました。伊藤さんは常に気にかけてくださって、ライブとかで涙を流してくれました。番組を通していい関係を築けていると思います。『おふたりで良かったな』とメンバー全員が思っています」
“末っ子”が3年続いた5期生だが、今年2月、6期生11人の加入が発表された。初めての先輩という立場になり、一ノ瀬はウキウキとしていた。
「私は部活に打ち込んではいなかったので、後輩ができるのは初めてです。でも、乃木坂46では先輩にたくさんかわいがってもらいました。愛をいただいた分、それを後輩たちに向けていきたいです。5期生もみんな性格や個性が違うので、後輩への接し方やかわいがり方がみんな違うと思います。それを見るのが今から楽しみです。私は『み~きゅんさん』って呼ばれたいです(笑)」
池田は「部活(バスケットボール部)の上下関係が厳しかったので、廊下で会ったら直礼。後輩からの呼ばれ方も『池田さん』だけでした」と振り返りつつ、「乃木坂46に入って先輩方が優し過ぎて逆に怖かったです(笑)。『こんな優しい世界があっていいのか』と思って…。でも、乃木坂で先輩の在り方を学んだので優しい先輩になりたいですし、これから話すのが楽しみです」と声を弾ませた。

一ノ瀬「これまでの乃木坂のイメージに甘えていられない」
そして、乃木坂46の歴史を振り返ると17年、18年に2年連続でレコード大賞を受賞するなど、長くアイドル界のトップを走っている。だが、20年代に入ってさまざまなガールズグループが誕生。オーディション番組を通じての結成で、デビュー前からメンバーにファンがついているグループも出てきた。文字通り、群雄割拠の戦国時代。この状況に一ノ瀬は抱く不安も込めて言った。
「アイドル業界が大きく変わっていて、日々、危機感を持っています。いろんなアイドルがいる中で、これまでの乃木坂のイメージに甘えていられない。どんどん変わっていく中で、それは今の課題だと考えいます」
対照的に池田は確立された乃木坂46のイメージに自信を持っていた。
「私はブランド化が完全に確立されているのが、乃木坂46の強みだと思っています。この前も、洋服屋さんで近くいた女の子たちが、かわいいワンピースを見て『これ、乃木坂ぽいね』と言っていました。こうした言葉が街中で自然と出ていたのがうれしかったんです。それは先輩方が築き上げてくださったので、私たちも守って引き継いでいきたいです」
2人は急成長を遂げる5期生との切磋琢磨を続けつつ、先輩に学び、新戦力の6期生に刺激を受けてもいる。清楚で優しさに包まれた「伝統」を守りつつ、チャレンジをしていくのが乃木坂46。今回のインタビュー企画では、池田、一ノ瀬の「個」に焦点を当てた記事も展開していく。
□池田瑛紗(いけだ・てれさ) 2002年5月12日、東京都生まれ。22年2月、乃木坂46の5期生として加入。23年8月23日リリースの33枚目シングル『おひとりさま天国』で初の選抜入り。159センチ。血液型不明。
□一ノ瀬美空(いちのせ・みく) 2003年5月24日、福岡県生まれ。22年2月、乃木坂46の5期生として加入。23年2月19日リリースの32枚目シングル『人は夢を二度見る』で初の選抜入り。156センチ。血液型B。
