画業50年、わたせせいぞう氏と神尾楓珠が音楽から語る時代論 80年代は「誰もが夢に向かっていた」
イラストレーター・漫画家のわたせせいぞう氏(80)と俳優の神尾楓珠(26)が31日放送のBS朝日『四分旧譜~あの頃のボクと音楽と~』(午後10時30分)に出演することになり、このほど都内で収録が行われた。「音楽と時代」をテーマに語るスペシャルトーク番組で、収録では、わたせ氏と神尾が54歳離れた“年の差トーク”を展開。互いの共通点を見つけるなど意気投合した様子を見せた。

スペシャルトーク番組『四分旧譜~あの頃のボクと音楽と~』で初共演
イラストレーター・漫画家のわたせせいぞう氏(80)と俳優の神尾楓珠(26)が31日放送のBS朝日『四分旧譜~あの頃のボクと音楽と~』(午後10時30分)に出演することになり、このほど都内で収録が行われた。「音楽と時代」をテーマに語るスペシャルトーク番組で、収録では、わたせ氏と神尾が54歳離れた“年の差トーク”を展開。互いの共通点を見つけるなど意気投合した様子を見せた。
80年代を代表する名作マンガ『ハートカクテル』で時代をけん引したわたせ氏と、1999年生まれの若手注目株・神尾の“コラボ”が実現した。同番組は、TUBE、爆風スランプ、ポルノグラフィティなど1980年代から90年代の日本を彩ったヒット曲にまつわるトークを展開し、わたせ氏のイラストが彩りを添えていく。収録では当時のサラリーマンの働きぶりや若者の恋愛模様、昭和と令和のライフスタイルなど、さまざまな話題にトークが広がった。
わたせ氏は当時の雰囲気を「誰もが夢に向かっていって、寛容だった時代。○か×かではない、間の△でもいいんだっていう空気」と回顧。40歳で独立するまではサラリーマンと画業を並立していて、休日はほぼ執筆に費やす日々だったことなども明かした。音楽については「すごく熱気のあった時代でした。そして今でも毎日音楽からインスピレーションをもらって描いているんです。邦楽、洋楽、クラシックと、どのジャンルでも一瞬でその世界に連れていってくれるのが強み。僕は絵で音楽と同じことができないかなと、無理だと思いながら追いかけてきました。その姿勢は自分でもほめてあげたいです」と語った。80歳を迎えた今年も現役で画業を続けていて、秘訣は「年齢を忘れることです。描いてる時、気分は20歳にも30歳にもなれます。『トシだ』と思ったらだめなんです。実年齢は考えないようにしています」と笑顔で答えていた。
一方、神尾は今年2月に公開された映画『大きな玉ねぎの下で』に主演。爆風スランプの同名曲をモチーフにしたラブストーリーで、ノートを通じて心を通わせる大学生を好演した。昭和の楽曲には「すごくストレートな曲が多くて、今の若者からしたら新鮮なのかもしれないです。今の音楽って難しい言葉を使うことも結構多いですが、まっすぐ皆に伝わる言葉で歌われていますね」と印象を明かした。
わたせ氏80歳、神尾26歳という“年の差対談”になったが、音楽を通じて共鳴できた2人。収録中、サッカー好きという共通点も見つかった。そして、互いの印象を「ちょっと雰囲気が似ていて、お互いシャイだなって」というわたせ氏に、神尾も「人に対するリスペクトがすごくある方です。年齢も離れて職種も全然違う中で、柔らかく話してくれて。(収録の)1時間くらいでこんなに深い話ができるとは」と話し、すっかり打ち解けた様子だった。
収録後、神尾は「仕事でもプライベートでも、その時の感情に合う曲って必ずあります。『自分のことを歌ってるんじゃないか?』と思う瞬間も今まで何度もありました。これからも曲に救われるというか、音楽の力を借りて生きていければなと思います」と感慨深げに語った。わたせ氏も「うまく話せるかなと思ったんですが、神尾さんがたくさん質問してくれて、楽しかったです」と感想を述べていた。
