俳優の松坂桃李が主演を務めるTBS系日曜劇場『御上先生』（日曜午後9時）が、23日に最終回を迎えた。今回は第1話からの伏線回収に驚きの声が集まっている。

　同作は未来を夢見る子どもたちが、汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実と、そんな現実に一人の官僚教師と令和の高校生たちが共に立ち向かっていく、“教育のあるべき真の姿”を描く大逆転教育再生ストーリー。松坂演じる東大卒でエリート文科省官僚の御上孝（みかみ・たかし）が、新たに設立された“官僚派遣制度”によって県内トップの東大合格者を誇る私立隣徳学院に赴任し、日本の教育を変えるために現場から声をあげる。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

“ヤマトタケル”の正体は、御上の文科省の同期・槙野恭介（岡田将生）だった。隣徳学院と霞が関と永田町をつなぐ不正の証拠がそろい、御上、槙野、3年2組の副担任・是枝文香（吉岡里帆）、そして生徒たちが“プラン御上3”を発動し、大きな権力に立ち向かっていく。

　御上と槙野の仲は第1話から険悪だった。御上の隣徳学院赴任はエリート官僚にくだされた実質の左遷人事。御上は文科省から民間研究機関への天下りをあっせんしていることを槙野にリークされ文科省を去り、その後、再会するたびに2人の間には冷たい空気が流れていた。霞が関近くの食堂で御上と槙野、2人の後輩の津吹隼人（櫻井海音）が居合わせた際も、御上と槙野のやり取りには嫌味や嫌悪感が含まれ、津吹をヒヤヒヤさせていた。

　しかし槙野は、6年前に御上と手を取り合っていた。激務だった後輩の高見を亡くし罪悪感に苛まれていた槙野に、御上は「『槙野のせいじゃないよ』って言うのは簡単なんだけど、言われても槙野、辛いだけだよね」と声をかけた。御上は「支えるから……生きてくれ。高見の死を無駄にしないためには、教育を変えるしかない」と伝え、2人は教育を変えるためにあえて“身内”を欺き、学校現場と文科省に分かれて不正の調査を続けていたのだった。

　第1話で、槙野のリークにより御上は無表情で文科省を出ていき、その後ろ姿を厳しい顔つきで槙野が見下ろしていたが、実際はその後、御上は入り口に戻って振り返り槙野を見つめた。槙野がそっと親指を立てサインを送ると、御上は笑顔でうなずき去っていった。最終話では、御上の部屋で酒を交わした2人が「そういえば津吹の前でわざわざケンカしてみせたよな」「今度津吹に謝らないと、あいつ怒るだろうな」と笑い合う場面もあった。

　このシーンにSNS上では「初めの方に見たこのシーン続きがあったんだ」「1話で御上が文科省去る時のシーンに続きがあったなんて」「冒頭から怒涛の種明かしシーンたまらん過ぎた」「戻ってきた！　かわいい」と驚きの声があがっている。また御上と槙野の信頼関係に、「槙野さんと御上先生の友情が麗しくてとてもよかったです」「御上先生と槙野さん、ただのラブラブだった」「津吹くんの前でわざわざ喧嘩お芝居してた槙野さんと御上先生、普段あまりに仲良し過ぎて、できないことを楽しみ過ぎでは…？ 」といった反応も見られた。

　さらに最終話のサブタイトル『Last Episode -Puppets can’t control you-』にも注目が。『Puppets can’t control you』は、ONE OK ROCKが歌う同作の主題歌『Puppets Can’t Control You』と同じタイトル。ボーカルのTakaは飯田和孝プロデューサーとのオフィシャルインタビューで、「タイトルの『Puppets』は人形を意味しますが、ここでは大統領や社長など、何か問題が起きたときに表に出て責任を取る存在を指しています。でも、その背後にはもっと大きな力がある。『Puppets』が交代することで一時的に人々の気持ちは落ち着くけれど、もうそんな仕組みには騙されない。あなたたちの用意したお人形さんの言うことは聞かないんだよ、という思いを込めています」とタイトルの意味を語っている。

　SNS上では「ワンオク主題歌、Puppets Can’t Control You（人形はあなたを操れない） 。なるほど」「日本政府を表したようなタイトル。メッセージあるなぁ」「主題歌のPuppets Can’t Control You。和訳を見てONE OK ROCKの思いと御上先生のテーマが良いマリアージュで、 曲が流れた時に涙腺崩壊したよ…」といった声があがっている。