【おむすび】主演・橋本環奈は「若いけど真の意味のプロ」 制作統括が振り返る“半年間”
俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の最終回が28日に放送された。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ、主演の橋本への思いとともに作品のこれまでを振り返った。

現代を描く朝ドラは注目も「難しい時代に…」
俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の最終回が28日に放送された。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史氏が取材に応じ、主演の橋本への思いとともに作品のこれまでを振り返った。
まずは橋本への思いを聞いた。
真鍋氏「橋本さんがテレビ番組でプロフェッショナルとは職人であると話していたのを聞きましたがまったく同感です。いろんな考え方があるかと思いますが、僕は職人とはどんな状況でも80点は出せることだと思うんです。1発の100点では無意味というか、サステナブルではないですよね。そういう点で職人というのは感性だけでなく技術や姿勢というのが大事。彼女もその部分にある種のリスペクトを抱いていることに感激しました。彼女はそこでできる最大限のパフォーマンスをするという覚悟でいつも臨んでいて、若いけど真の意味のプロだと思います」
宇佐川氏「一緒です。真のプロだと思います。何か言葉をかけるなら、『結ちゃんをここまで持ってきてくれてありがとうございました』と言う言葉ですね。自分の持てる力を、無理なく自然に出して臨んでくれた。これはなかなかできることではありません。それと同時に、笑顔と豪快な笑い声で現場を引っ張ってくれた頼もしい座長としても本当に感謝しています。人としてすごいなと思う人と仕事ができて、私も学ぶことが多かったです」
半年間を振り返ってもらい、視聴者へのメッセージもお願いした。
真鍋氏「家族の話、姉妹の話、管理栄養士という仕事を軸にした話と最初から思っていました。そして私たちが歩いてきた平成、令和とはどういう時代だったのか、ということを一度俯瞰して振り返ってみようということが狙いとしてありました。その意味では最初の狙い、考え、志からここまでブレていない脚本は珍しいと思っています。それが受け入れられるか否か、こういう世界で生きていますのでいつも考えますが、現代を描く作品は朝ドラのカテゴリーでは注目度が高いですが難しいなと思います。つまりクリエイターとしてのドラマの内容とは別軸で、視聴者とのコミュニケーションが難しい時代に差し掛かっている、マネジメントとしては難しい時代だと感じます。ただ熱心に応援してくださる視聴者の方もいらして、その方々に深く刺さればそれが第一だと思います」
宇佐川氏「この時代に私たちがどう生きてきたかというところを、米田家を通して最後までお見せすることができたのは感慨深いです。今思うと第1週で『すべていつかなくなってしまう』と言っていた結がここまで成長したのは、結本人の力もありますし、見ていただいた人々の温かい声援、見守る力があったからだと思っています。この物語の結は、かつて存在した人物ではなく、今もいます。今もいる人間として、今日も元気を出して生きています。永吉さんは空から見守ってますが(笑)、孝雄も歩も聖人も愛子も、みんな生きています。それこそが重要。今もたくましくみんな生きています。この物語を通じて、大変な世の中だけれども、何とかこれからも頑張っていこう。そう思っていただけたらうれしいです」
