【おむすび】ひみこの農作業の背景 制作統括「神出鬼没…いろんなことやっている」
俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の最終回が28日に放送され、ひみこ(池畑慎之助)が糸島で農作業に従事する様子が描かれた。終盤には結が、幼少期に阪神・淡路大震災で被災した際、避難所におむすびを差し入れてくれた三浦雅美(安藤千代子)と毎年1月17日に会っている設定も描かれた。制作統括の宇佐川隆史氏と真鍋斎氏が取材に応じ、それぞれの裏設定や視聴者に伝えたかった思いも語ってくれた。また、糸島のシーンではロバートの馬場裕之もゲスト出演。馬場起用の背景も明かしてくれた。

最終回に馬場裕之ゲスト出演、避難所の幼い結におむすび渡した雅美が再登場
俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の最終回が28日に放送され、ひみこ(池畑慎之助)が糸島で農作業に従事する様子が描かれた。終盤には結が、幼少期に阪神・淡路大震災で被災した際、避難所におむすびを差し入れてくれた三浦雅美(安藤千代子)と毎年1月17日に会っている設定も描かれた。制作統括の宇佐川隆史氏と真鍋斎氏が取材に応じ、それぞれの裏設定や視聴者に伝えたかった思いも語ってくれた。また、糸島のシーンではロバートの馬場裕之もゲスト出演。馬場起用の背景も明かしてくれた。
ひみこは当初、糸島でスナックを営み、その後、あちこち旅に出る人として描かれた。糸島で農業に従事する姿は初めて。裏設定を聞いてみた。
真鍋氏「ひみこは糸島を拠点に思い立ったら仕事を小休止してふらりと世界を周っている人。神出鬼没でスナックだけでなく農業などいろんなことをやっている設定です」
農作業のシーンでトラクターに乗った池畑の反応はどうだったのか。
宇佐川氏「ご本人は面白がっていました。止まる場所やタイミングなど難しい部分も上手にこなし、楽しそうに演じられていました。ひみこさんはいろんな所でいろんなことをやっている人。最後までそれを貫けたのは、池畑さんの持つパワーのおかげでもあります」
結と雅美が毎年1月17日に会っている背景も聞いた。震災時、状況を理解できない幼い結が、おむすびが冷たいからレンジで温めてほしいと言い、その後、成長した結がその発言を後悔する様子が描かれていた。
宇佐川氏「『おむすび』の企画について検討している初期の段階で、脚本家の根本ノンジさんが震災当時のことを紹介したNHKのリポート映像を見せてくれたんです。そこには実際に避難所におむすびを持ってきてくれた人のことが紹介されていました。こういった番組が現実世界にあるのならば、結や家族もそれを見たんじゃないか、見た場合、あの人じゃないかという話になったのではという裏設定は、あり得ると考えました。その上で、私たちが結と雅美さん、そしてこれまで見ていただいた人々にできる最後の贈り物として、あのシーンが生まれました」
真鍋氏「この物語の結の原点は避難所でおむすびを雅美から受け取ったこと。冷たいからレンジで温めてほしいと言ってしまったことを気にしながら生きてきた故に、心を閉ざしていた面も。そんな女の子がどんな行動をするかと考えたとき、自分ならその人がどこに住んでいるのか? 元気かな? と思うだろうし、捜そうとすると思います。私の周りにはどこにいても1月17日には追悼行事に必ず出るディレクターもいます。だから2人が会うことは普通のことと思います。多分、結は神戸に出てきてから何年か捜したと思うし、再会してからは毎年1月17日におむすびを持って会うイメージであのシーンを作りました」
ラストシーンのこだわりも聞いた。2人が食べたのは結が作った温かいおむすびだった。
真鍋氏「雅美がおむすびを温かいねと言いますけど、温かいおむすびを温かいまま持ってきたというふうにしたくて、実際に温かいおむすびを頑張って用意しました」
ラストシーンが1月17日になった背景も尋ねた。
真鍋氏「当初から現在まで行けるところまで描きましょうという話はしていました。最終的にあのシーンを入れると決めたとき、直近の1月17日がふさわしいと考えました」
最後に馬場の起用の背景を訪ねた。馬場は結の父・聖人(北村有起哉)の幼なじみで農家の井出康平(須田邦裕)の息子・康介役で出演した。
宇佐川氏「愛子(麻生久美子)がイチゴ栽培を康介に教わっている設定で、馬場さんにご出演いただきました。最後なので、福岡出身で食に携わる方を想起したときに、馬場さんがふさわしいのではとスタッフから提案がありオファーしました。馬場さんのお名前が出たときに、私も膝を打ちました。もともとレギュラー出演者には福岡にゆかりのある人を、という意識もあり、馬場さんも候補に入っていましたが、お忙しいのと役との縁もあって難しかったんです。最後の最後で出ていただけて非常にうれしかったです」
