櫻坂46“最後の一期生”小池美波、欅坂46の曲も歌って卒業 パニック障害を乗り越え「長いようで一瞬の10年」

櫻坂46の『Buddies感謝祭 2025』および『小池美波 卒業セレモニー』が20日、千葉・幕張メッセイベントホールで開催された。『Buddies感謝祭』は約2年3か月ぶりで、後半には“最後の一期生”である小池美波(26)を送り出すライブと卒業セレモニーが展開された。

欅坂46から始まり、10年に及ぶ活動を締めくくった櫻坂46の小池美波
欅坂46から始まり、10年に及ぶ活動を締めくくった櫻坂46の小池美波

千葉・幕張メッセでライブ&セレモニー

 櫻坂46の『Buddies感謝祭 2025』および『小池美波 卒業セレモニー』が20日、千葉・幕張メッセイベントホールで開催された。『Buddies感謝祭』は約2年3か月ぶりで、後半には“最後の一期生”である小池美波(26)を送り出すライブと卒業セレモニーが展開された。

 小池は『Overture』に続いてステージに登場した。深々と一礼すると、メンバーとともに自身のセンター曲『ソニア』をダイナミックかつ繊細に披露した。続く『僕たちのLa vie en rose』では、二期生の井上梨名、武元唯衣、田村保乃、藤吉夏鈴、松田里奈、森田ひかる、山崎天とともに歌とダンスを届けた。

 最初のMCでは、自身がパニック障害で療養していたことも踏まえて言った。

「(卒業セレモニーが)始まっちゃったら寂しいというのはあるんですけど、『僕たちのLa vie en rose』はレコーディングには参加していたもののパフォーマンスはこれが初めてだったので、披露できてうれしかったです」

 そして、石森璃花や遠藤光莉も小池とともに、最後に『ソニア』をパフォーマンスできた喜びを口にした。

 その後は小池と三期生による『本質的なこと』で、オリジナルセンターの遠藤理子と小池のダブルセンターで披露された。小池と二期生による『コンビナート』では会場の空気が一変し、一気に熱が高まった。さらに、スクリーンに小池の欅坂46時代の映像が流れ、欅坂46の楽曲『コンセントレーション』が始まった。同曲を歌唱するオリジナルメンバーは、小池と山崎の2人のみになったが、ともに成長した姿で同曲を堂々と披露してみせた。

 メンバー所有の秘蔵写真とともに小池との思い出を語っていくMCパートに続いては、『桜月』。出会いと別れの季節が描かれた歌詞は、今の小池とメンバーとの関係とも重なるところがあり、その流れから欅坂46の楽曲『二人セゾン』が始まると、客席からは歓喜の声が沸き起こった。小池をセンターに据え、二期生たちが周りを固めるこの編成は最初で最後。曲中盤での小池のソロダンス含む渾身のパフォーマンスに、観客が大声でエールを送り続けた。

 続くMCでは、今回のセットリストを小池自身が考えたことを明かした。

「『桜月』を初めて聴いたときから、何だか『二人セゾン』とつながるところがあるなと感じていて。なので、『桜月』の最後で(守屋)麗奈ちゃんに振り向いてもらって『二人セゾン』とつながったらいいなと考えて」

『二人セゾン』のポジションも小池が考えたといい、「欅坂46のときに二期生が加入してきてくれて、一緒に活動した期間もあったので、二期生のみんなと一緒にこの曲をできて良かったです」と感極まりながら思いを明かした。

 そんなしんみりした空気を切り裂くように、小池の「Buddies、最後に私に声聞かせろ!」のあおりから『何歳の頃に戻りたいのか?』に突入すると、客席の熱気は急加速。山崎と小池のダブルセンターという特別編成で、盛り上がりをピークにまで引き上げてライブ本編は終了した。

 客席が小池のペンライトカラーである白&桜ピンクで染まり、盛大な『みいちゃん』コールでアンコールを待っていると、スクリーンに欅坂46時代から今日までの思い出の映像が流れた。そして、純白のドレスとキラキラしたティアラやアクセサリーを身に付けた小池が登場。客席から温かな拍手が送られる中、小池が手紙を読み上げた。

 欅坂46で約5年、櫻坂46で約5年と2つのグループを同じ期間過ごしてきた小池。欅坂46時代については「自分がグループのためにできることをひたすら探していたけど、少しずつ楽曲を自分の中に落とし込めるようになったタイミングで改名する運びになってしまいました」と振り返り、「その時は『自分にもっと力があれば』と感じたり、『私たちには背負えなかったんだ』と、ただただ悔しかったことを覚えています」と振り返った。

 櫻坂46に改名後も「欅坂46と比較されてしまうことも多く、当時の楽曲を求められることも多く、なかなか櫻坂46ひとつで戦えない時間が続き、茨の道とはまさしくこのことだなと痛感する日々でした」と吐露。それでも、「どんな瞬間でも一番自分に素直でいられて、心から大好きだと感じた場所はこのライブのステージ」だったと告げ、「ここは皆さんと気持ちを共有できる場所で、そのたびにいろんな感情に出会うことができました」とBuddiesに感謝を伝えた。

 そして、三期生に「加入してきてくれて本当にありがとう。私はみんなが入って来てくれたことをきっかけに、櫻坂46らしさというものを知ることができました。ちゃんと伝えたことなかったけど、みんなのこと、すごくすごく大好きだよ」。二期生には「加入したての頃、いきなり大きなプレッシャーを背負うことになって、本当に苦しかったよね。私は本当に二期生がずっと大好きで、ほぼ同期のように接していました。一期生みんなが卒業しても、一人になった感覚があまりなかったのは、二期生の存在が大きかったから」と後輩たちに気持ちを届けた。

 欅坂46時代からの縁になる振り付けのTAKAHIROにも、感謝を伝えた。

「初期の頃、歌番組の生放送にいろんな気持ちでぐちゃぐちゃになっていたとき、『小池は欅の木の幹なんだよ』と言ってくださって、『サイレントマジョリティー』の振り付けに欅の幹を作っていただきました。その言葉をきっかけに、『自分はグループの幹のような存在でありたい』と活動するようになりました。自信のなかった私に『ライバルは昨日の自分だ』と言ってくださってありがとうございました。この10年の座右の銘でした」

ファンへの感謝を語った小池美波
ファンへの感謝を語った小池美波

約3時間でフィナーレ「本当に幸せでした」

 Buddiesに向けては「何度も皆さんの言葉に救われていました。こんなにも不器用な私を応援してくださって、あらためて感謝しています」と伝え、最後に「櫻坂46はいい意味で頂点のないグループだなと感じています。メンバーみんなには自分を抑えずに、好きなようにこれからも活動してほしいです。Buddiesの皆さんには櫻坂46の今を見届けていただきたいと思います。これからの櫻坂46もよろしくお願いいたします」と呼びかけた。

 続く二期生との和やかなトークを挟み、11枚目シングルに収録された『行かないで』がスタート。ラストナンバー『櫻坂の詩』では小池がフロートに乗って、会場中のBuddiesに向けて最後のあいさつをして回った。

 ステージに戻った小池が「10年間という数字ではすごく長いんですけど、長いようで一瞬の10年で。その中で皆さんに救われたことがいっぱいあって、たくさん支えていただいて本当に感謝しています」とあいさつすると、メンバー一人ひとりから一輪の花と労いのメッセージが送られた。メンバーの涙と笑顔、宙から舞い落ちる桜の花びらが入り混じる中、約3時間にわたるイベントはフィナーレを迎えた。

 メンバー全員でお辞儀をすると小池は「皆さんのおかげで本当に幸せでした。ありがとうね」と口にし、最後の最後に「これからもずっと幸せでいてくださいね」とファンに伝えてステージを降りた。

 欅坂46から櫻坂46に至るまで、グループの礎となってきた一期生。その最後の一人である小池もパニック障害などを乗り越えて卒業し、櫻坂46は本格的に次のフェーズへと進む。4月30日には2枚目アルバム『Addiction』をリリースし、同作を携えた全国ツアーは、同26日の名古屋公演から幕を開ける。

<櫻坂46「小池美波 卒業セレモニー」セットリスト>
1.ソニア
2.僕たちのLa vie en rose
3.本質的なこと
4.コンビナート
5.コンセントレーション
6.桜月
7.二人セゾン
8.何歳の頃に戻りたいのか?

<アンコール>
1.行かないで
2.櫻坂の詩

※山崎天の「崎」は、「たつさき」が正式表記

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