青木真也、ONE最後の相手フォラヤンに示す敬意 4度目の対戦でファンへ異例の要望「僕と同等の声援を送って」
総合格闘家の青木真也(41)は23日、格闘技イベント「ONE172: 武尊 VS ロッタン」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ)に出場し、エドゥアルド・フォラヤン(41=フィリピン)と対戦する。今回で対峙(たいじ)するのは4度目。青木にとってフォラヤンとはどんなファイターなのか。

格闘技イベント「ONE172: 武尊 VS ロッタン」で対戦
総合格闘家の青木真也(41)は23日、格闘技イベント「ONE172: 武尊 VS ロッタン」(埼玉・さいたまスーパーアリーナ)に出場し、エドゥアルド・フォラヤン(41=フィリピン)と対戦する。今回で対峙(たいじ)するのは4度目。青木にとってフォラヤンとはどんなファイターなのか。(取材・文=島田将斗)
常々「ONEでの最後はフォラヤン」と言ってきた。年齢が一緒なだけでなく、ONEに参戦した時期も近い。これまで両者ともに多くのタイトル戦を経験し、大会のメインも張ってきた。
「10年間で4試合もやってますからね。濃密な2人の期間を過ごしてます。たぶん彼(フォラヤン)もこれを最後にすると思う。あまり試合も組まれないでしょう。そうなるとある種、お互いにお互いしかいないですよね。競技能力的にもそうだろうし」
これまでの対戦成績は2勝1敗、“4度目の対戦”と聞いただけでも異例だが、さらに2人はライト級のタイトルも争っている。しかしながらその後は青木がフォラヤンの地元を訪れ交流するなどして関係を築いてきた。「彼とならいいものが作れる」と信頼を口にした。
そんなフォラヤンを「戦友」と表現する。青木が格闘家とここまで心とつながっているのは極めて珍しいことだ。
「近かったんじゃないですかね。彼もフィリピンを背負っているし、俺もある種、日本というイベントを背負っていた時期もある。お互い責任感のある仕事をする人だなと。スクランブルでやってとお願いされてもやる人。ちゃんとマインドがプロフェッショナルだし、イベントを背負ってた人だなって」
同じ大会に関わっていれば必ず直接会話を交わしてきた。
「彼は人としての器が大きいよ。全てを受け入れられるし、神様を信じているし宗教観があるというか徳を積んでいる感じがしますね。俺はそれを尊敬しすごいなって思った」
2023年秋、マイキー・ムスメシとのグラップリング戦後にはフォラヤンと肩を寄せ合い言葉を交わしていた。
「最後は来年あたりやろうよって話をしました。お互いに『もういいでしょう』って気持ちがあったと思うよ。あいつは普通に仲良くできる数少ない人ですよ。本当に数少ない」
対戦成績は2勝1敗。今回はフォラヤンが敵地に乗り込む形となるが「彼に大きな拍手を送ってあげて」と“お願い”があった。
「彼が日本で試合をするにあたって、彼を温かく迎えられるような日本にして欲しい。ここで俺とやってくれるので、そこに対する敬意というか、僕と同等の声援を送ってほしいし、そういうところで最後まで俺に恥をかかせないでほしいですね」
試合3日前、対戦相手と交流する様子をSNSに投稿している。「表現できないものを表現する」がテーマだったここ最近の数戦と明らかに違う雰囲気だ。「彼とならいいものが作れる」――。長年ONEを支えてきた2人の対戦が刻一刻と迫っている。
