一発勝負の歌謡ショー『ミスタートロット ジャパン』（水曜午後9時）の第5回が、映像配信サービス『Lemino（レミノ）』で19日に配信された。今回も本選一次の様子が放送された。

　同番組は、韓国で社会現象を巻き起こした大人気歌謡オーディション番組の日本版。番組MCをフットボールアワーの後藤輝基、レジェンドマスターを細川たかしが務める。トロットとは、韓国で演歌や懐かしの歌謡曲にあたる音楽ジャンル。『ミスタートロット ジャパン』は、全世界から選ばれた男性ボーカリスト74人が初代Mr.TROT（ミスタートロット）の座をかけオーディションに挑む。

　本選一次では、74人から本選に出場した42人が『チームミッション』で本選二次を目指す。42人をチーム「社会人」、「アクター＆リベンジャーズ」、「KOREA&コメディアン」、「ティーンズ」、「スチューデント」、「ダーリン」、「シンガー」の7チームに再編成。この7チームが「ロックトロット」「演歌トロット」「昭和アイドルトロット」「歌姫トロット」「グループサウンズトロット」「バラードトロット」「アニソントロット」の7つのジャンルの課題曲に挑戦する。

　本選のマスター（審査員）は細川たかし、武部聡志、高橋洋子、ソニン、椿鬼奴、クリスタル・ケイ、勝俣州和、レイザーラモンRG、ゆうちゃみ、韓国トロット界のクイーンと称されるチャン・ユンジョンが務める。本選では、各チームのパフォーマンスを審査するマスターが手元のボタンを押す。ボタンが押されるとマスターの席に付いているハートに光が灯り、10人全員のハートが押される『オールハート』の状態になれば、チームメンバー全員が本選二次に進むことができる。しかしハートが1～9個だった場合は、マスター審議で選ばれたメンバーだけが次に進むことができる。

　今回は、すでに歌手としてデビュー経験のあるチーム「シンガー」の6人、韓国出身のデビュー経験者とお笑い芸人の混合チーム「KOREA ＆コメディアン」の7人、東日本と西日本の社会人が合体したチーム「社会人」の6人の計19人が本選に挑んだ。

　プロとして経験のあるチーム「シンガー」は、「歌姫トロット」で松田聖子の『青い珊瑚礁』と中森明菜の『飾りじゃないのよ涙は』に挑戦。まずは“決起集会”と称して飲み会をした6人は、それぞれのデビューの経緯やこれまでの苦労を告白。ロングヘアの着物姿で“舞踊語り歌手”としてデビューした風水ノ里恒彦は、予選でもオールハートを獲得し注目の的に。しかし「もともとは日本舞踊もしてないし、ちょっとこぎれいな恰好をしていただけ。『キャラがいまいちだね』って言われ続けて、『キャラってわからん……』ってノイローゼになった。『今、電車きたら死ねるんだろうな』と思ったこともある」と過去の葛藤を明かした。

　また、明るく個性的なキャラクターのしいたか。は、過去に演歌歌謡曲部門の“青春歌謡”でデビュー。しかし「同じ時期に氷川きよしさんをぶつけられて、コテンパンにやられて。翌年は“黒船”来航で、ジェロさんが出てきた。『男性（歌手）は売れないから』と2年の契約で終わってしまった。もう首を吊ろうかなと思った瞬間に家のピンポンが鳴って、親から郵便物が届いて、手紙に『稽古がんばんなよ。続けていれば何かいいことがある』と書いてあった。それで頑張ろうと思った」と振り返った。リーダーのTarkieeは、それぞれの個性をいかすパフォーマンスを考えながらも、「シンガーなので、プロと素人さんの違いをここで見せつけないといけない」と意気込んだ。

　6人は『青い珊瑚礁』で厚みのある美しいハーモニーを披露。しいたか。がかわいらしく合いの手を入れながら昭和アイドルの雰囲気をただよわせた。途中で風水ノ里が着物からスーツ姿に早変わりすると、Yellow Magic Orchestra の『Rydeen』に合わせて全員でロボットダンスを披露。さらに『飾りじゃないのよ涙は』では、6人が低音から高音まで自在に歌いこなし、2番からは風水ノ里が花魁風の衣装で登場。独特の世界観でそれぞれの個性を引き立てたステージを作り上げた。

　高レベルなパフォーマンスも、押されたハートは9つ。勝俣は、「風水ノ里さんとしいたか。さん。この“まぜるな危険”の2人をどう調理するのか見ていましたが、見事に2人のキャラを活かしきりましたよね」と評価。細川も「しいたか。さんと風水ノ里さんは、2人で地方を回った方がいいんじゃない？　俺のところで引き取ってもいいよ。歌もうまいし、キャラがいいよね。最高」と称賛した。

　一方、唯一ハートを押さなかった武部は、「僕を恨んでくれ」と申し訳なさそうに語り、「今日は厳しく見ようと思って。とにかく、歌とは、僕はオリジナリティだと思っている。人の曲を歌っても、“その人の歌”になっていないといけない。それがちょっと薄かった感じがした」と指摘。「それぞれの個性の歌なのかといったら、ちょっとクエスチョンがあった。これから音楽を続けていくなら、自分の個性に磨きをかけて、それが人の曲であっても、“自分にしか歌えない歌”を追求してほしい」とアドバイスした。マスター審議の結果、チーム「シンガー」からは風水ノ里としいたか。、Tarkieeが追加合格に。今回の３チーム19人からの合格者は6人だった。合格者は以下の通り。

○チーム「シンガー」（3人）
風水ノ里恒彦
しいたか。
Tarkiee

○チーム「KOREA ＆コメディアン」（2人）
YANAGI
ジュノ

○チーム「社会人」（1人）
辻大貴