NHK桑子アナ、『クロ現』キャスター就任から3年 350回以上の放送は「学びの連続」
NHKの桑子真帆アナウンサーが20日、都内で行われた『クローズアップ現代「放送100年SP テレビが伝えた“あの日”と未来」』(3月24日、午後7時30分~放送)の取材会に出席した。

「恐れることを大切にしながら放送に向き合っていきたい」
NHKの桑子真帆アナウンサーが20日、都内で行われた『クローズアップ現代「放送100年SP テレビが伝えた“あの日”と未来」』(3月24日、午後7時30分~放送)の取材会に出席した。
日本の放送開始年という節目に合わせて放送される72分・拡大スペシャルでは、「あさま山荘事件」「松本サリン事件」「9.11 アメリカ同時多発テロ」など、人々の記憶に深く刻まれた歴史的な出来事の数々をアーカイブス映像に加え、ニュースの現場にいた当事者や放送を担った人たちに改めて取材し、その裏にあった事実を深掘りしていく。
収録を終えたばかりの桑子アナは、「とにかく熱気があふれるスタジオでした。私自身、放送の現場に身を置いて15年ほど。100年の歴史を振り返るということで、今回新たに学ぶことが多かったです。いろんなメディア媒体がある中で、テレビにできることを考える貴重な時間になりました」と感想を述べた。
『クローズアップ現代』のキャスターに就任して、3年がたとうとしている。同番組を担当してからの変化を聞かれると、「学びの連続で学ぶことしかない。350回以上放送に出て、現代を切り取っていく中で、なんとなく見聞きしている出来事でも、当事者の方の声を聞いたり、現場に足を運んでみると、実際に起きていることは簡単ではないと感じます。簡単に物事を理解しない。深く考えなければ、見失ってしまうものがあると常日頃感じていますので、これからも大切にしていきたいです」と心境を語った。
「伝える立場として軸にしているものは?」という質問には、「俯瞰してみることです」と回答。「事件、事故、災害が起きた時、人々の不安が高まって1つの考えに集まっていってしまう空気感がある。それをメディアは作ることができてしまう立場で、そこに自分は身を置いている。『今、一方的な報じ方になっていないか?』『違う見方をしたら、ぜんぜん伝え方になるのでは?』と一歩引いて見る、そういうことが求められているだろうし、自分も大切にしたいことです」と明かした。
スペシャル回には、ゲストとして元NHKアナウンサーの三宅民夫、元日本テレビアナウンサーの藤井貴彦、元フジテレビアナウンサーの長野智子が出演する。
共演して印象に残ったことは、「テレビに身を置いて仕事をしているみなさんは、自分も含めて恐れながら仕事をしている。その恐れは悪いことではなく、大切にしながら放送を出し続けなければならないということは共感しました」と言及。「映像の持つインパクトは大きくて、私たちの意図しない伝わり方をしてしまう可能性もある。自分が発した言葉や放送が正確ではあるけど、本当の意味で正確なものになっているのか、みなさん常に恐れながらやっている。とても葛藤して悩みながら向き合っていて、自分だけではなかったんだとうれしくなりつつも、恐れることを大切にしながら放送に向き合っていきたいと感じました」と思いを伝えた。
