中村アン、転機は髪バッサリ「イメージに縛られていた」 必死だった20代…年齢重ねても貫く“攻めの姿勢”
今年本格的な俳優デビューから10年の節目を迎えた中村アンの快進撃が止まらない。現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で朝ドラ初出演を飾り、クールな外科医を好演している。昨年は4月期と7月期に民放連続ドラマに2作続けて主演を務めるなど、存在感を増している。そんな中村がこのほどインタビューに応じ、キャリアを振り返るとともに、今回の役柄と正反対な素顔を明かした。

初朝ドラ『おむすび』でクールな外科医役を好演
今年本格的な俳優デビューから10年の節目を迎えた中村アンの快進撃が止まらない。現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で朝ドラ初出演を飾り、クールな外科医を好演している。昨年は4月期と7月期に民放連続ドラマに2作続けて主演を務めるなど、存在感を増している。そんな中村がこのほどインタビューに応じ、キャリアを振り返るとともに、今回の役柄と正反対な素顔を明かした。(取材・文=猪俣創平)
中村は『おむすび』で、主人公・米田結(橋本環奈)が勤務する病院の外科医・蒲田令奈を演じている。腕を買われ、理事長が東京の病院から引き抜いた外科医で、表情を変えないクールな姿と、男勝りでぶっきらぼうな言葉遣いが印象的なキャラクターだ。
しかし役柄とは対照的に、中村は柔らかい雰囲気を醸し出し、笑みをたたえながらインタビューに応じた。「私、パブリックイメージが割と淡々とした印象があるようなんですけど、すぐ笑っちゃったり、本当は違うんですけどね」と快活に話す。今作に限らず、自立した大人の女性役が多いと明かし、「クールなイメージがすごく一人歩きしています」と笑顔を見せる。
もっとも、「母親には小さい時から『自立しなさい』『早く自立してひとり暮らしをしなさい』とよく言われていたので、とにかく“自立”という言葉は、幼い頃から身近にありました。それもあって、クールな女性役をいただいた時には、自然と役に入れますし、実際に今の自分は自立していると感じます」と自身と役柄がリンクする部分もあるのだという。
今作は平成を舞台にギャル文化と出会った主人公・結が、管理栄養士となり“縁・人・未来”と、大切なものを次々結んでいく青春グラフィティ。1987年生まれの中村は、89年生まれの結と同世代でもあり、今作で描かれたギャル文化に懐かしさを覚えたと印象を明かした。
「あそこまで派手なメイクはできなかったんですけど、やってみたい気持ちはありましたね。すごく懐かしいですし、プリクラも撮りました(笑)。携帯もガラケー(日本独自の進化を遂げた携帯電話、ガラパゴスケータイの略)で、今とはまた全然違う時代だったなと思いました。ギャルの結束力とかもステキですよね」と、自身が出演していないシーンの見どころについても語った。

俳優デビュー当時は「今よりもメラメラと頑張る必死な20代でした」
今作で朝ドラ初出演を果たした中村は今年、本格的な俳優デビューから10年の節目を迎えた。当時を振り返ってもらうと、「昔の宣材写真を見たらめちゃくちゃギャルでした。普通にギャルだなって感じです」と懐かしみつつも、「芸能界に入ってご飯が食べられるようになれたらいいなという思いと、今よりもメラメラと頑張る必死な20代でしたね。世の中に自分を知ってもらうことがすごく大変でしたけど、がむしゃらに仕事をして、生きていると実感する日々でした」と回想した。
デビュー当時は現在と異なるロングヘアーで、髪をかきあげるしぐさは中村の“代名詞”にもなり、バラエティー番組などでも注目を浴びた。一方、2015年にフジテレビ系『5→9~私に恋したお坊さん~』で民放連続ドラマに初レギュラー出演するなど同年俳優業を本格的にスタート。このドラマから初主演を務めた18年4月期の読売テレビ・日本テレビ系『ラブリラン』まで11クール連続で連ドラに出演し、存在感を発揮した。
昨年はさらに、4月期に読売テレビ・日本テレビ系『約束 ~16年目の真実~』、7月期のテレビ朝日系『青島くんはいじわる』(渡辺翔太とW主演)と、民放連続ドラマに2作続けて主演を務めた。
「最初は分からないことも多かったですけど、『ラブリラン』の監督が本当に細かく指導してくださいました。その後もいろんな作品に出合う度に新しい発見がありましたし、皆さんに助けてもらってここまでやってこられました」と感謝の言葉を口にした。
2021年にはTBS系連続ドラマ『着飾る恋には理由があって』で、30センチ以上も髪をバッサリカットした“イメチェン”が話題となり、俳優としても大きな転機となった。
「髪を切ってより解放されました。自分が一番、自分のイメージに縛られていました。『私はこういうイメージかな』とどこかで思ってしまっていたので、違う人になりたいけど、なりきれなかったんです。でも、髪を切る機会をいただいて、着飾っていない自分を出せるようになったことで、お芝居も少しずつ自信がついた気がします」
終始柔和な表情が印象的。真っ直ぐ記者の目を見て、丁寧に答える姿に誠実な人柄が伝わってくる。今作で念願の朝ドラ出演を果たした中村は、今後に向けて「自分にあまり縛られず、私自身、新しい自分に出会いたいです。年齢を重ねると守りに入ってしまうことが増えると思いますが、攻めの姿勢で挑んでいきたいと思います」と意気込んだ。俳優としてさらなる高みを目指し、歩みを重ねていく。
□中村アン(なかむら・あん)1987年9月17日、東京都出身。15年にフジテレビ系『5→9~私に恋したお坊さん~』で民放連続ドラマに初レギュラー出演。22年にTBS系連続ドラマ『DCU~手錠を持ったダイバー~』で第4回アジアコンテンツアワードの助演女優賞にノミネート。24年は読売テレビ・日本テレビ系連続ドラマ『約束 ~16年目の真実~』で主演、テレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』でダブル主演を務めた。161センチ。
猪俣創平
