『御上先生』主演の松坂桃李「3人の主人公がいる」 9話で3つの軸が交錯、生徒たちの未来は?
俳優の松坂桃李が、主演を務めるTBS系日曜劇場『御上先生』(日曜午後9時)の取材会に出席。9話放送を前に、自身が演じる主人公・御上孝(みかみ・たかし)の役柄や、役作りについて、また今後の見どころなどを語った。

なぜ3年2組の生徒が29人なのか「是非皆さんで見届けてほしい」
俳優の松坂桃李が、主演を務めるTBS系日曜劇場『御上先生』(日曜午後9時)の取材会に出席。9話放送を前に、自身が演じる主人公・御上孝(みかみ・たかし)の役柄や、役作りについて、また今後の見どころなどを語った。
同作は、『ドラゴン桜』(2021年)、『マイファミリー』(22年)、『VIVANT』(23年)、『アンチヒーロー』(24年)など同局の「日曜劇場」で話題になった作品を担当してきた飯田和孝プロデューサーが手掛ける完全オリジナルストーリー。未来を夢見る子どもたちが、汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実と、そんな現実に一人の官僚教師と令和の高校生たちが共に立ち向かっていく、“教育のあるべき真の姿”を描く大逆転教育再生ストーリー。松坂演じる東大卒でエリート文科省官僚の御上が、新たに設立された“官僚派遣制度”によって県内トップの東大合格者を誇る私立隣徳学院に赴任し、日本の教育を変えるために現場から声をあげる。
松坂演じる御上は、クールで冷徹な雰囲気を漂わせながら、担当する3年2組の生徒に「自分で考えること」を促していく役どころ。過去には尊敬する兄・宏太(新原泰佑)が「学校への抗議行動による自死」を選んでおり、兄の死を目の当たりにしている。兄の死後、家庭が崩壊する中で、教育を変えるために東大を卒業。文科省を目指した。しかし巨大過ぎる組織では変革が難しいと痛感した御上は、隣徳への赴任を決めた。
松坂は、「クールで冷徹というような人物像ではありますが、人間はすごく多面的。クールな人でも笑ったりもするし、恐怖を抱いたりもすれば、不安な瞬間があったり、心躍るような瞬間もある」と語り、「その場面、場面で、いろいろな生徒に対しての一面や、古代理事長(北村一輝)に対しての一面、是枝先生(吉岡里帆)に対しての一面、自分の母に対しての一面だったりがある。今回作品に入るに当たって僕が意識したのは、『クール一辺倒では絶対にいけない』と。そう思ってこの現場に参加しました」と御上役に対する思いを語った。「僕一人でこの人物を作り上げたというより、キャストの方たちそれぞれとお芝居をすることによって、御上という人が形成されていったという感じです」と語った。
また「御上自身も、『完璧で、官僚で、エリートで、クールで、冷徹』。こういうワードだけでくくれば、それはもう本当にその通りですが、でもそれだけではない。やっぱり“生身の人間”ということを踏まえて考えると、多面的であるべき」と語り、「これは僕自身の考え方ですが、絶対にいろんな面を持っているはずなので、ドラマだからこそ、その多面的な部分をちゃんと幅広く、御上なりの深さを表現できればいいなと思ってやっています」とこだわりを明かした。
「彼の、『教育を変えたい』という思いの強さ。そこへ思いが至ったのは兄の事件があったから。兄に執着している理由、それは兄に尊敬と憧れがあったから。幼少期の御上を見ていると、とっても可愛らしい少年のような頃や、尊敬する眼差しがあった。その上で、兄のことがあって、遡っていくと、それなりの人物造形の幅の広さみたいなものが見え隠れしてくるのではないかなと。こういう深掘りをしていく中で、御上なりの深さが出てくると思います」
第6話では生徒の前で兄の事件や自身の過去を告白。生徒との距離が少しずつ近づいている。また生徒たちも他人の問題を自分事として捉えるようになり、クラスの雰囲気に変化が現れるように。さらに、同じ文科省同期で御上と敵対している槙野恭介(岡田将生)が抱える過去も少しずつ明らかになっている。
今後の展開について松坂は、「3つの軸があります。御上の教育・学校の軸と、神崎拓斗(奥平大兼)と冴島悠子先生(常盤貴子)との軸。もう1つが槙野の官僚の軸。この3つの軸が最終的に混ざり合っていく」と明かし、「だから今回僕は、『御上先生』というタイトルでやっていますけど、3人の主人公がいると思っています。御上と神崎と槙野。その3軸が混ざり合って1つになっていって、最終的に『本当の主役』はやはり『生徒だよね』ということになっていければいいのかなと、個人的には思っています」と語った。
また今後は母親と対峙する場面もあると明かし、「やっぱり、御上の中でとても大きなことだと思うし、なぜそれをするのか考えた時に、生徒が抱えている問題とちゃんと自分が対等に向き合うために、御上が選んだ選択だと思うんです。教師としての歩み寄りと、もしかすると同時に、『母と息子』としての歩み寄りというものを、御上はちゃんと逃げずにやろうとしている」と説明。「先日放送された6話を通して、少しずつ少しずつ人間味があふれてくるというか。ある種、その人間味があふれる一番大きな波の1つなのかなと、僕は捉えて演じました」と語った。
9話放送前ということで、「いよいよ、今まで1話から伏線を打ってきたものも、この9話のタイミングで明かされます。先ほど『3つの軸』と言いましたが、その3つの軸が1つになるような、そういう回になります」と明かし、「その3つの軸が1つになることによって、最終的にどこに向かって、どういう終着点を迎えるのかというのも、是非皆さんで見届けてほしいと思います。なぜこの御上先生のクラスが29人という数字なのかも、踏まえて考えていただけたらなと思っております」と見どころを含めて呼びかけた。
