河合優実、初の『日本アカデミー賞』最優秀主演女優賞「長い間、俳優を続けていきたい」

『第48回 日本アカデミー賞 授賞式』が14日、都内で行われ、映画『あんのこと』(入江悠監督)で主演を務めた俳優の河合優実が最優秀主演女優賞を初受賞した。

授賞式に出席した河合優実【写真:(C)日本アカデミー賞協会】
授賞式に出席した河合優実【写真:(C)日本アカデミー賞協会】

売春や麻薬の常習犯である女性・香川杏を演じる

『第48回 日本アカデミー賞 授賞式』が14日、都内で行われ、映画『あんのこと』(入江悠監督)で主演を務めた俳優の河合優実が最優秀主演女優賞を初受賞した。

 本作は、2020年6月に新聞に掲載された「少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描く、実話をもとにした衝撃の人間ドラマ。ドラマ『不適切にもほどがある!』で大注目の若手俳優・河合が主演を務め、機能不全の家庭に生まれ虐待の末にドラッグに溺れる少女・杏という難しい役を演じた。

 河合は「本当にこの度はありがとうございます。ちょっと信じられない気持ちで、この会場にいること自体もすごく夢のような思いでいます。私は本当に未熟で新参者ですが、今日この会場に来て、敬愛する大先輩の方々に囲まれて、この映画の世界に足を踏み入れてほんとに良かったなって、心の底から思ってます」と感謝の思いを伝えた。

 そして、「『あんのこと』っていう映画は、本当に言葉で言い表せないほど自分の中で特別な作品。これからも長い間、俳優を続けていきたいって思ってるんですけど、その中でもずっと自分の心に残り続ける大切な作品になるだろうなと思っています。『あんのこと』っていう映画に人生の時間を貸してくれたすべての人に、改めて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました」と話した。

 また、撮影現場での佐藤二朗とのエピソードも披露。大先輩でもある佐藤や稲垣吾郎との共演は心の支えになったことを明かし、「すごく物語の中で感情も大きく動くところで、二朗さんのお力をちょっと借りようと思って、本番前に握手をさせてもらいました」と、その時の気持ちを語った。

 このやりとりについて、佐藤は「急に優実ちゃんが撮影始まる前に『ごめんなさい。手、握っていいですか?』って言われて。それで後で聞いたら、このシーンをやる前に二朗さんの体温を感じたかったって。多分、そういうことで芝居が変わると優実ちゃんは信じている。僕も信じているので、後輩にそんなことまでさせたら絶対このシーン外せないなと思ってやったことを覚えてます。だから僕こそ優実ちゃんに感謝してます」と振り返り、お互いに刺激を受け合っていたことを明かした。

 優秀主演女優賞には河合のほか、石原さとみ『ミッシング』、上白石萌音『夜明けのすべて』、草笛光子『九十歳。何がめでたい』、満島ひかり『ラストマイル』が受賞した。

 なお、最優秀美術賞は三浦真澄氏『はたらく細胞』、最優秀撮影賞は佐光郎氏『キングダム 大将軍の帰還』、最優秀照明賞は加瀬弘行氏『キングダム 大将軍の帰還』、最優秀録音賞は横野一氏工氏『キングダム 大将軍の帰還』、最優秀編集賞は安田淳一氏『侍タイムスリッパー』、最優秀音楽賞は世武裕子氏『カラオケ行こ!』、最優秀脚本賞は野木亜紀子氏『ラストマイル』、最優秀外国作品賞は『オッペンハイマー』、最優秀アニメーション作品賞は『ルックバック』、最優秀助演男優賞は大沢たかお『キングダム 大将軍の帰還』、最優秀助演女優賞は吉岡里帆『正体』、最優秀主演男優賞は横浜流星『正体』、最優秀監督賞は藤井道人氏『正体』、最優秀作品賞は『侍タイムスリッパー』となった。

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