【おむすび】真紀役の大島美優が詩役で再登場 制作統括が明かす裏側「結と歩の心の真紀に決着」

俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第116回が17日に放送され、俳優・新津ちせが演じる中1になった結の娘・花が登場した。小4の花役・宮崎莉里沙からバトンを引き継いだ。さらに歩(仲里依紗)の親友で阪神・淡路大震災で亡くなった真紀とよく似た設定の少女・田原詩も登場した。演じるのは真紀も演じた大島美優。制作統括の宇佐川隆史氏と真鍋斎氏が取材に応じ、2人の起用理由や魅力を語った。

田原詩を演じる大島美優【写真:(C)NHK】
田原詩を演じる大島美優【写真:(C)NHK】

3月17日放送の第116回から中学生になった米田花役は新津ちせ

 俳優・橋本環奈が主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)の第116回が17日に放送され、俳優・新津ちせが演じる中1になった結の娘・花が登場した。小4の花役・宮崎莉里沙からバトンを引き継いだ。さらに歩(仲里依紗)の親友で阪神・淡路大震災で亡くなった真紀とよく似た設定の少女・田原詩も登場した。演じるのは真紀も演じた大島美優。制作統括の宇佐川隆史氏と真鍋斎氏が取材に応じ、2人の起用理由や魅力を語った。

 まずは新津の起用理由から尋ねた。新津は『エール』『カムカムエヴリバディ』に続いて朝ドラは3作目の出演となる。

 宇佐川氏「配役についてスタッフと話をしているときに提案がありました。肝が据わっていると言いますか、この親にしてこの子ありというどっしりした構え感がマッチすると思い、起用に至りました。撮影においてもそうです。物語が終盤になり、すでに関係性が出来上がった家族の中に入って演じるのは大変なこと。でも新津さんは『カムカム』をへて堂々と最初のシーンから演じていらっしゃいました」

 演技の魅力も聞いた。

 宇佐川氏「前に進む力強さみたいなところが魅力。私たちも見ていて元気が出ました。それは花が中学生になり、サッカーなどやりたいことにまい進する姿と合致すると思います」

 なでしこジャパンを目指す花。新津のサッカーへの知識はどうだろう。

 宇佐川氏「サッカーについて、事前にすごく調べて臨まれたようです。とても詳しくて、『下手に私たちから入れ知恵しない方がいいな』と思うほどでした」

 続いて大島の起用について聞いてみた。夢を語る生き生きした明るい真紀と辛い人生を歩んできた暗い印象の詩の2役を演じる。

 宇佐川氏「大島さんが演じる真紀という存在がなければ、真紀に似ている詩は成立しなかったと思います。詩には、今の日本が抱えるある種の“不安”が反映されています。そんな詩をどう米田家が受け入れていくかがポイントになるにあたり、大島さんの演じる真紀が印象深かったので、ファンタジーかもしれませんが、最後に『おむすび』らしくと考え、真紀に似ている設定を全幅の信頼を置く大島さんに演じてほしいと思いました」

 印象深い演技の中身が気になる。

 宇佐川氏「大島さんは若いですが、しっかりしたお芝居をします。無理がなく等身大に見えるんです。夢を語る真紀を演じた時、この子は本当に将来が楽しみなんだろうなと思わせてくれました。若いですが本当に存在している娘をしっかり演じてくれました」

 真紀と似た詩の登場の経緯も気になる。

 真鍋氏「まず歩の中学時代の友人ということでオーディションを行い、そこに大島さんが参加してくれました。我々は当初、真紀はオシャレでカッコいい感じでと考えていましたが、大島さんの持っている愛嬌や見た目のかわいさだけでない素朴さ、純粋さにひかれ真紀役でと思いました。それが最初です。ただ、結と歩の心の中で解放されているか否か分からないままなのが真紀の存在。脚本家・根本ノンジさんと話した際、決着をつけると言うか…何か一つ話がないかとなり、詩という人物を根本さんが書いてきたんです。それであれば詩役はぜひ大島さんにということになったのが経緯です」

 詩の登場は最初から決まっていたことではなく後から決まった流れ。その流れの中で真紀と詩は似ているという設定になったようだ。続いて大島の撮影の様子も紹介してくれた。

 真鍋氏「真紀の時は歩の憧れ的な存在で出番は多くはありませんでしたが、おそらく放送を見て彼女自身もこんなに重要な役だったのかと気付いたと思います(笑)。何回も台本を読んだんだろうなとか、どう演じようかとすごく考えてきたんだろうなという印象を受けました。結と歩に負けないじっくりとした表現をしていて、頑張ったなと思いました」

 大島の頑張りもあると思うが、明るい陽の真紀と辛い人生を歩んできた陰の詩の演じ分けがうまくいった要因を聞いた。

 真鍋氏「タイプが真逆、両極端の真紀と詩。そういう人物造形もあるでしょうし、それに合わせたファッションもあります。時代的に真紀は平成の初期、詩は令和。時代の雰囲気で髪形、衣装も違っている点もあると思います」

 詩は真紀とよく似ている設定だが、真紀を亡くした父・渡辺孝雄(緒形直人)との対面シーンはあるのだろうか。孝雄の驚く姿を期待する視聴者は少なくないはず…期待したい。

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