『宇宙戦艦ヤマト』は「すごい衝撃」 庵野秀明、人生を変えられた過去とガンダムとの違いに持論

アニメーターで映画監督の庵野秀明氏が14日、都内で行われた『庵野秀明企画・プロデュース/放送50周年記念「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」内覧会』に、声優の麻上洋子、東北新社代表の小坂恵一氏らとともに出席した。

内覧会に出席した庵野秀明氏【写真:ENCOUNT編集部】
内覧会に出席した庵野秀明氏【写真:ENCOUNT編集部】

自身が企画・プロデュースした「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」

 アニメーターで映画監督の庵野秀明氏が14日、都内で行われた『庵野秀明企画・プロデュース/放送50周年記念「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」内覧会』に、声優の麻上洋子、東北新社代表の小坂恵一氏らとともに出席した。

 3月15日から31日の計17日間、東京・西武渋谷店にて開催される本展は、アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)が保管する貴重な資料を中心に展示し、幻の企画書やキャラクター・メカニックの設定画に加え、初公開の原画や設定資料も登場。1974年の初代ヤマトから現在のリメイクシリーズまでを時系列で紹介する大年表空間や、当時のレコードや懐かしのアイテム、1/100スケールの精巧な模型も展示されるなど、「宇宙戦艦ヤマト」の世界観を余すところなく体験できる。

 テープカットを行った庵野は「『宇宙戦艦ヤマト』は僕だけではなく、僕と同世代でリアルタイムで見ていた人にものすごい衝撃を与えてくれたエポックなアニメーションでした。ヤマトはヤマトでしかない。だからガンダムのようにはならなかったんですけど、それはヤマトの宿命で、それだけ素晴らしい作品だったんだろうなと思っています」と言葉に力を込めた。

 また、「半世紀たったこの機にいろいろ発掘できて、こういう形で皆さまに見ていただく機会ができたことを本当にうれしく思います。ヤマトはあと半世紀以上、受け継がれてもいい作品だと思っています。100周年に向けて若い人が語り続けてくれればなという思いを込めて、こういう企画をみなさんのおかげで実現できたことを改めうれしく思いますし、感謝いたします。ヤマト風に言えば『ありがとう。以上だ』という言い方になりますが、本当にありがとうございます。以上です」とあいさつした。

 ヤマトによって人生を変えられたという庵野は、「今までのアニメとはまったく違う印象があって、本放送の頃はテレビマンガと呼ばれていたものが、突然アニメーションという別の言い方に変えてしまったアニメーションでした」と目を輝かせ、「当時は考えられなかった描き込まれた宇宙船が形を保ったまま動くかっこよさとか、それまでの子ども向けのテレビマンガとは違うハードな人間ドラマとかも含めて、今まで見たことがないものを見せてもらって、何もかもが新しくて、本当に痺れました」と回顧した。

 そして、ファンに向けてコメントを求められると「本来のヤマトのファンの方は、ヤマトの素晴らしさを伝えていただければと思います。半世紀も前の作品なので、若い人には古い感じがするのは仕方ないと思うんですけど、今うちで作っている『ガンダム ジークアクス』という作品をきっかけに、ファーストガンダムに流れてくれている若いファンの方も大勢いると聞いていますので、ガンダムが大丈夫だったらヤマトも大丈夫だと思います。26本しかない作品なので、ぜひ見ていただければと思います」とアピールした。

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