中村アン、初の朝ドラ現場で驚き「こんなにカメラあるんだ」 外科医の“メシ”セリフの背景とは
俳優の中村アンが現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で、主人公・米田結(橋本環奈)が管理栄養士として働く病院の外科医・蒲田令奈を演じている。このほどインタビューに応じ、朝ドラ初出演への思いや撮影現場での印象深いエピソードを明かした。

『おむすび』で外科医・蒲田令奈を好演
俳優の中村アンが現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)で、主人公・米田結(橋本環奈)が管理栄養士として働く病院の外科医・蒲田令奈を演じている。このほどインタビューに応じ、朝ドラ初出演への思いや撮影現場での印象深いエピソードを明かした。(取材・文=猪俣創平)
中村が演じる蒲田は腕を買われ、理事長が東京の病院から引き抜いたクールな外科医。結から術後の患者の食事についてアドバイスを求められた際には、「メシ食べさせるのが管理栄養士の仕事でしょ」とピシャリと言うなど、初登場シーンから視聴者にインパクトを残した。
演じるにあたり、監修の医師や管理栄養士から話を聞いたことが役作りに生かされたとし、「『メシ!』のように、蒲田さんはキャラクターが立つような強い言葉を言うんですけど、外科医の先生たちは本当に『メシ食わしといて』みたいに言うことがあるみたいなんですよ」とリアルな描写だと説明。結に強く当たるようなぶっきらぼうなセリフもあり「台本を読み始めたときは驚くこともありました」。そして、「何度も台本を読んでいると蒲田は外科医として患者さんを助けたい純粋な思いがあることが分かったんです。手術を成功させることに心血を注いでいるので、愛情がないわけではないんです」と演じる役への理解を深めた。
柔らかい雰囲気で、明るくインタビューに応じる中村。男勝りでクールな蒲田とは対照的に思えるが、「私、パブリックイメージが割と淡々とした印象があるようなんですけど、すぐ笑っちゃったり、本当は違うんですけどね」とあっけらかんと笑う。
自身と役柄とのギャップはセリフ回しでも感じたようで、「メシ」など慣れない言葉に戸惑いながらも「自信をもって言おうという気持ちと、蒲田は男勝りでせっかちな性格なんだろうなと理解して、“スコーン”と風通しよくセリフを言おうと心がけました」。
そんな中村は今作が朝ドラ初出演。「両親が生きている間に見せたかったのでうれしいですね。家族もすごく喜んでくれました」と笑顔がこぼれる。もっとも、いざ出演するとなると、「実感があまりないと言いますか、ちょっと人ごとみたいな気分でフワっとしていました」と心境を打ち明けた。
撮影中は「朝ドラならでは」の体験が印象深かったとして、「普通はカメラが1台や2台のところ、5台もありました。『朝ドラってこんなにカメラあるんだ~』と思って、すごくびっくりしましたね」と目を丸くした。多数のカメラを駆使したスピーディーな撮影に「より集中力が必要でしたね。一気に撮れちゃうので、『あ、もう終わっちゃった』っていう感じでした(笑)」と振り返る。

座長・橋本環奈に感服「きっとみんなを元気づけている」
今回出演したのは物語の最終章となる病院編とあって、「お邪魔しま~すという感じで入ったら、すぐ終わっちゃいました(笑)。でも、蒲田が登場した時に何か印象を残したい思いはありました」と念願の朝ドラ撮影に気概を見せた。
また、主人公・結を演じる橋本との共演シーンでは、現場での座長ぶりに感服したという。
「本当にすごくお忙しいだろうなと思っていたので『大変だよね』とお話しもしました。朝ドラ主演のほかにもいろんなことをやられていて、私には考えられない“国を背負っている”くらいの大役なので、『大丈夫?』と心配しながらも『すごいな』とひたすら思いましたね。スタジオの前室(待機場所)でも『アハハハ!』と大きな声で笑っているので、それがきっとみんなを元気づけているのだろうなと思いました」
物語もいよいよ終盤となり、第23週ではコロナ禍が描かれている。「マスクをしながらコロナ禍のシーンも撮影もしていて、『そういえば大変だったな』と私自身も思い出しました。これからも食事であったり家族愛だったり、いろんな人との人間ドラマが描かれるので、最後まで見届けてもらえたらなと思います」と今後の見どころをアピールした。
□中村アン(なかむら・あん)1987年9月17日、東京都出身。15年にフジテレビ系『5→9~私に恋したお坊さん~』で民放連続ドラマに初レギュラー出演。22年にTBS系連続ドラマ『DCU~手錠を持ったダイバー~』で第4回アジアコンテンツアワードの助演女優賞にノミネート。24年は読売テレビ・日本テレビ系連続ドラマ『約束 ~16年目の真実~』で主演、テレビ朝日系連続ドラマ『青島くんはいじわる』でダブル主演を務めた。161センチ。
猪俣創平
