NHK『地震のあとで』堤真一、井川遥、錦戸亮、のん出演決定 村上春樹氏の連作短編が原作
俳優の堤真一、井川遥、錦戸亮、のん(かえるくんの声)が4月5日から放送されるNHK『地震のあとで』(土曜午後10時、全4話)に出演することが11日、発表された。

“地震のあと”の4つの物語が描かれる
俳優の堤真一、井川遥、錦戸亮、のん(かえるくんの声)が4月5日から放送されるNHK『地震のあとで』(土曜午後10時、全4話)に出演することが11日、発表された。
阪神・淡路大震災、あれから30年。村上春樹氏の珠玉の連作短編を原作にした“地震のあと”の4つの物語が描かれる。
#1「UFO が釧路に降りる」は1995年の東京。阪神淡路大震災のニュース映像を見続けていた未名(橋本愛)は、突然家を出ていく。夫の小村(岡田将生)は、妻の行方も分からないまま、後輩に依頼された「届け物」をするため釧路へ赴く。妻はなぜ出ていき、どこに行ってしまったのか。小村は、釧路で出会った女性たちに奇妙な旅へと導かれていく。
#2「アイロンのある風景」は2011年、茨城。家出して海辺の町に暮らす順子(鳴海唯)は、流木を集め焚き火をするのが趣味の画家、三宅(堤)と出会う。順子は、自分と同じくこの町に流れ着いた三宅に惹かれ、いつしか焚き火を共にするようになる。3月11日の明け方、焚き火の大きな炎を前に、神戸にいた三宅の過去が明かされていく。
#3は、「神の子どもたちはみな踊る」。善也(渡辺大知)は、熱心な宗教団体の中で、母親(井川遥)から「神の子ども」と言われ育ったが、2011年、東日本大震災を機に信仰をすてた。9年後の2020年、善也は、地下鉄の中で、耳の欠けた男を見つける。それは父親かもしれない男の特徴だった。自分の父親とは誰なのか。はたして神とは。善也は男を追いかけていく。
#4「続・かえるくん、東京を救う」は2025年、東京。銀行を定年退職し漫画喫茶で暮らす片桐(佐藤浩市)の元へ、突然巨大な“かえる”の姿をした「かえるくん」(のん・声)が現れ、間もなく地震が起こるという。「かえるくん」は30年前にも片桐と共に戦い、東京を地震から救ったと言うが、片桐にはまったく身に覚えがない。再び、2人の戦いが始まる。
錦戸は、片桐の前に現れる介護士然とした謎の男を演じる。関西弁を話し、片桐をある部屋へと誘っていく。そこで片桐は「ぼくのことを本当に覚えていないんですか?」と男に詰め寄られ、世界とのつながりを見失っていく。
以下、コメント全文
○堤真一
「僕は西宮出身なのですが、阪神・淡路大震災の当時は東京にいて、遠くから被災する故郷を眺めるという経験をしています。幸い実家は大きな被害はなかったのですが、亡くなられた人、また大切な人を失ってしまった方々のことを考えると、家族ができた今だからか、以前よりも一層、とてつもないことだっただろう、と怖さを感じています。僕は実際に焚き火が大好きなんですが、今回、被災し家族を失ってしまった心の傷を抱えつつ、それでも少しでも前に進みたいという気持ちを焚き火の炎に託して演じました」
○井川遥
「地下鉄サリン事件が起きたとき私は学生で電車通学でした。東日本大震災が発生した時、わが子はまだ1歳で毎日飛び交う情報に惑わされ、自分を見失いそうになっていました。身近な人たち、大切な人、当たり前だと思っていた日常が、一瞬で崩れ去ってしまうことを私達は知ってしまった。人はいくつもの後悔の積み重ねで生きていて、トラウマや呪縛、整理のつかない感情を抱えている。私の演じた母親も信じることで自分を生かしているのではないかと思いました」
○のん
「阪神淡路大震災が起こった日私は兵庫県にいましたが、その時は一歳で当時の記憶というのは残っていません。ですが、様々な災害が起こる日本でこの作品が誕生すること、井上監督のこの作品に声の演技で参加できることに、使命感を抱きました。村上春樹さんの原作をリスペクトしながら2025年に置き換えた『続、かえるくん』画面を通して佐藤浩市さんと演技を交わしているような気分になれて特別な時間でした。何か観念的なもの、意識の奥に疑問やテーマを投げかけるような作品です。たくさんの人に、様々な感じ方をしていただけたらと思います」
