北村匠海、朝ドラ『あんぱん』の役作りのため飢え実践「昼ご飯はかんぱんだけ、3日半ご飯抜く」
俳優の北村匠海が10日、都内で行われた連続テレビ小説『あんぱん』の第1週試写会見に、共演の今田美桜とともに出席。同作で戦争のシーンを演じるために「飢え」を実践したことを明かした。

撮影を通し今田の存在を実感「むさくるしいよな」
俳優の北村匠海が10日、都内で行われた連続テレビ小説『あんぱん』の第1週試写会見に、共演の今田美桜とともに出席。同作で戦争のシーンを演じるために「飢え」を実践したことを明かした。
第112作目となる連続テレビ小説『あんぱん』は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルに制作。生きる意味を失っていた苦悩の日々を送るも、夢を忘れなかった2人が荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語を描いた。今田はヒロインの朝田のぶを、北村はのぶの夫・柳井嵩を演じる。
撮影から半年がたち、現在は戦争パートを撮影しているという。報道陣より、同作のテーマである「逆転しない正義」について感じていることを聞かれると「逆転しない正義の答えは、正直やなせさんが出していて。それは『アンパンマン』を通して、自然に子どもたちに紡がれていったことだと思う。やなせさんがおっしゃっていたのは、悪いやつを倒すことが正義ではない、飢えている人に食べ物を分け与えることだったり、生きているということと食べるってことは直結だなって改めて感じています。あんぱんを食べるシーンだったり、食べるシーンがすごく出てくる。それで言うと『戦争は飢え』ってものを撮影の中で実践しました。昼はカンパンだけにしたり、3日半ご飯を抜く、水も飲まないとか」と語り、「実際に体験したうえで、生きるってことと食ってものはつながっている。逆転しない正義とは、やっぱり食べることであり生きることなんだなって、いろんなシーンで感じています。食べて涙が出るとか、生を実感する瞬間をこの作品で僕自身大事にしています」と続けた。
さらに「逆転しない正義とは、やなせさんが生涯ずっと与え続けてきた。食べないと元気にならない、すでに日本は1日3食、食べることと直結している気がして。阿部(サダヲ)さん演じる屋村さん、ジャムおじさんが、普段あんぱんを焼いてくれるんですけど、本当に温かい。とにかくご飯。そういうのが、やっぱり逆転しない正義なんじゃないかなって思っています。今の時代だからこそ、すごく大事にしたい感情だなと思います」と感慨深い表情で語った。
続く今田は「正直、模索中です」と吐露し、「というのも、今ちょうどのぶは、信じていた正義が逆転し始めているっていうか、している最中のところを撮っています。いろいろ考えさせられる部分がたくさんある。でも、1週目を見ても、やっぱりどんなに悲しいことがあってもおいしいものはおいしいし、人のあったかさは感じるし、それはどの時代もどんな人もきっと変わらないなって思います。人によって正義は違うし、そこで衝突することもたくさんあるんだなってのは、いま『あんぱん』を通じてたくさん勉強させてもらっています。やなせさんが伝えたいことは、すごくシンプルで。やっぱり生きるうえで悲しいことはたくさんあるし、楽しいだけじゃないし喜びだけじゃないしってことなど全部ひっくるめて、当たり前にしていることを、暖かく包み込みながら伝えてくれているって感じます。その中で逆転しない正義ってのを『あんぱん』の撮影が終わったときに、何か自分の中で、答えを見つけることができたらいいなって思っています」と述べていた。
この日は、お互いの印象を聞かれる場面も。これまで6度共演してきた今田の印象について、北村は「リハーサル、テスト、本番から何1つ手を抜かない姿を見てきているので、感受性、目の前に起きていることを素早くキャッチして、自分自身の感情にできる力を今田さんには感じてます。魅力だなって思います」と口に。
また、これまでは自身が座長を務め、横に今田がいるという立ち位置だったが、『あんぱん』の現場の雰囲気を作り出しているのは今田だと、戦争パートを撮っていて実感したという。「男だけなので、やっぱりスタッフの人たちが今田さんを求めているって空気を、ひしひしと感じる。『むさくるしいよな』って(笑)。のぶがいてこその『あんぱん』って作品の空気だなって、今は別の作品を撮っている感じ。軍隊なので所作があったり、嵩としても人生観が変わるタイミングなので、大きく変化がある中を生きている。それがまたのぶと再開したときどう変わるのかと、今田さんがまた現場に訪れたことで現場がどう変わるのか、それとリンクするように思います」と笑いを交えて話していた。
同会見には、制作統括の倉崎憲氏も登壇した。
