「どなたの荷物ですか?」に無反応 新幹線の予約スペースを外国人客が無断で…リクライニング倒す光景にがく然
仕事の出張利用で、新幹線の荷物スペースを1か月前から予約していたのに、乗車してみたらがく然。すでに他人のスーツケースやリュックで埋め尽くされていたのだ。「どなたの荷物ですか?」と声を上げるも、その呼びかけがむなしく響くだけ。外国人観光客の荷物だったことが後から分かったという。途方に暮れたという当事者に話を聞いた。

「彼らはリクライニングを最大に倒して座席を利用していた」
仕事の出張利用で、新幹線の荷物スペースを1か月前から予約していたのに、乗車してみたらがく然。すでに他人のスーツケースやリュックで埋め尽くされていたのだ。「どなたの荷物ですか?」と声を上げるも、その呼びかけがむなしく響くだけ。外国人観光客の荷物だったことが後から分かったという。途方に暮れたという当事者に話を聞いた。
「新幹線の荷物スペース、予約したのにもかかわらず、中国人が使っていた。座席上の棚も使っていた。係員も空席なのに荷物があれば声掛けするなどした方がよくないか? 不審な荷物の可能性もある」
40代の男性会社員は、ハヤシライス(@a3_or36115)のXアカウントで、“荷物予約スペース占領”の出来事について報告した。
今年2月、東京行きの東海道新幹線。社員2人での大荷物を抱えた出張のため、「特大荷物スペースつき座席」を前もって予約していた。
「2人で両手に荷物といった状況で、あらかじめ予想できたので1か月前から座席予約をし、その際に荷物置きスペースの予約もさせていただきました。しかし、新幹線に乗車したら自分たちの座席上の棚にも荷物置きスペースにも複数のスーツケースやリュック等がすでに置いてありました。その場で『どなたの荷物ですか?』と声を出しましたが誰も反応はなかったです」
何者かによって無断で置かれた荷物。対応に苦慮したといい、「(自分たちの荷物で)置けるものは隙間に置き、少し前列の方の上の棚部分を借り、残りは膝の上に抱えて座りました」。
そして、「東京の下車の際に誰のものか判明しました。隣の三列に座っていた中国語を話す50~60代の夫婦らしき人たちでした。そのうちの女性は東京に着くまで、時折こちらをニヤニヤしながら見てきたのを記憶しています。彼らはリクライニングを最大に倒して座席を利用していたので、恐らく座席を倒すために邪魔になる大きな荷物を他へよけたかったのではと思います」。驚きのてん末を教えてくれた。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2024年の年間訪日外客数は3686万9900人を記録し、過去最高を更新した。インバウンドが爆増する一方で、外国人旅行客による、鉄道内の荷物トラブルや飲食店でのマナー違反の発生が後を絶たない。オーバーツーリズム対策を含めて観光立国としての課題が浮かび上がっており、鉄道・観光事業者にも有効な対応が求められている。ただ、海外客への差別・偏見に結び付けることがあってはならない。
今回の事案では、JR側の係員は特に対応に当たることはなかった。「自分たちが周りに聞こえるように、『どなたの荷物ですか?』と声を出しただけです。こちらが係員に尋ねなかったので仕方ないかもです」と振り返る。
ルールをきちんと守っていた側が結局、不利益を被るような形になった。男性はもやもやした思いを抱え続けている。「まさかニュースで見る出来事が自分に起こるなんて……という心境です。しかし今回思うのは、我々が座る前は私たちの席は空席でしたので、なのに荷物が予約スペースや棚の上に置いてある状況は、よく車内を見て回っている警備員や職員が声がけ等をしていれば分かることだと思うのです。不審荷物の可能性もあるので、巡回からの声がけは必要だと感じます」。鉄道事業者側に注文を付ける。
さらなる荷物ルールの周知とマナー注意喚起の徹底、荷物置き場の拡大や予約システムの改良など、課題は多くあるだろう。男性は「残念ながら中国からの観光客によるマナーの問題をよく耳にします。中国語を話せるスタッフを雇用する、中国語の看板などを設置するなど必要ではないでしょうか?」と対応策について提案している。
