奈緒、米国へ渡った戦争花嫁役で舞台主演 “運命の相手”は初共演のウエンツ瑛士「本物だ!と思った」
俳優の奈緒は、8月5日から始まる舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』で主演を務めることが10日に発表された。10日は、80年前に「東京大空襲」によってたくさんの命が奪われた日であり、1990年に東京都が「東京都平和の日」と定めた日だ。

舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』で主演
俳優の奈緒は、8月5日から始まる舞台『WAR BRIDE -アメリカと日本の架け橋 桂子・ハーン-』で主演を務めることが10日に発表された。10日は、80年前に「東京大空襲」によってたくさんの命が奪われた日であり、1990年に東京都が「東京都平和の日」と定めた日だ。
原案となった『War Bride 91歳の戦争花嫁』は、2022年12月にTBSで放映され、翌年3月から始まったTBSドキュメンタリー映画祭で上映され、今年6月にフランス・パリで行われる日本のドキュメンタリー映画祭「un petit air du japon 2025」にも出品が決定している。
“War Bride(戦争花嫁)”とは、第二次世界大戦後、連合国軍占領下の日本に駐留していた兵士と結婚して兵士の国へ渡った日本人女性のことを指し、アメリカへ渡った戦争花嫁の数は約4万5000人いたと言われている。戦争で凄惨な現実を目の当たりにした女性たちは、新たな人生を求めて自らの意思でパートナーを決めアメリカへ渡ったにもかかわらず、当時の報道の影響で娼婦・売春といった誤解と偏見を世間に植え付けられ、差別を受けていた。
監督を務めたのは、連続ドラマ『下町ロケット』や『半沢直樹』などTBSで数々のヒット作を生み出してきたドラマプロデューサーである川嶋龍太郎。アメリカ・オハイオに住む自身の叔母【桂子・ハーン】が「今でも戦争を憎んでいる」と言いながらも、なぜ“戦争花嫁”として敵国軍人と結婚し、敵国であるアメリカへ移住することを決断したのかということに興味を持ち、紐解くうちにその生き様に心揺さぶられドキュメンタリー作品を制作することを決めたという。
この激動の時代を生き、今なおアメリカで生活をしている桂子を演じるのは、柔らかな雰囲気の中に持つ芯の強さで圧倒的な存在感を放つ俳優の奈緒だ。今年1月にオハイオ州ライマへ渡米し、桂子本人に対面。桂子のこれまでの人生を直に聞き、一緒にフランク、そして家族との思い出の場所を訪れた。桂子は奈緒に「私は今、94歳。ここまで長く生きているのはアメリカと日本の架け橋となって、両国の良さを伝えていくことが私に与えられた使命だからかもしれない」と語った。奈緒は、今回の訪問で桂子が多くの人に支えられ、愛されてきたことを実感し、このたくさんの愛と桂子の想いを胸に本作に挑む。
そして、運命に導かれ桂子と出会う米兵・フランクを演じるのは、本作で奈緒と初共演となるウエンツ瑛士。2018年から約1年半のイギリス留学で演技力を磨き、帰国後は精力的に舞台作品に出演するウエンツが、戦争を乗り越えて力強く生きた真実の愛の証を現代に伝える。
共演は、桂子とフランクを取材する若きジャーナリストに、23年の舞台『キングダム』で主演を務め、24年はドラマに多数出演するなど近年活躍目覚ましい高野洸、桂子の人生を後押しする両親に、舞台を中心に映像でも活躍する占部房子と、話題の大ヒットロングラン上演中の映画『侍タイムスリッパー』主演で映画賞を総なめにしている山口馬木也。さらに、幼少より芸能活動を開始しドラマ・映画と映像作品に多数出演する若手実力派・川島鈴遥、現在ロングラン公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリーの息子役を好演している渡邉蒼、モデルとして絶大な人気を誇る福山絢水、劇団「柿喰う客」に所属し映像作品でも活躍する牧田哲也、「劇団チョコレートケーキ」に所属し日澤・古川の信頼の厚い岡本篤と、高い演技力を誇る俳優が一堂に会する。
〇奈緒コメント
「1月に桂子さんにアメリカでお会いして、“戦争”という言葉が持つ意味をより深く知る機会になりました。私たちは偏見や差別から解放された世代だと思うんです。なぜいま自分たちがこの時代を生きることができているのか、この作品を通してこの日常がどれだけ尊くて光輝いているのか、幸せをかみしめるきっかけになると思いますし、今を守りたいと絶対に思えるはずなので、ぜひ観てほしいです。桂子さんは何に対してもすべてにおいて感謝の人で、そんな風に『ありがとう』を言えるのは、そこに至るまでのたくさんの背景があったからだと思いました。そして、桂子さんが愛した人、桂子さんを愛する人達のこともしっかりと感じながら、一生懸命舞台の中で生きたいと思います。
ウエンツさんは今作で初共演、撮影の時が初めましてでした! 小さい頃からテレビで拝見していて、お会いしたときは『本物だ!』と思いました(笑)。歌もお芝居もバラエティも当たり前のようにこなすウエンツさんを見てきましたが、いざ自分がやってみると難しいことを実感しました。こんなにも多彩なことを長くやってきた方とご一緒できるのは楽しみですし、いろいろ学びたいと思っています!」
〇ウエンツ瑛士コメント
「桂子さんとフランクさんの間には本当にピュアな愛があるんだなと思う一方で、そのピュアで強い絆と愛に至るまでにはいろんな悲しみや辛さを内包しているように感じました。そしてお二人の家族が増えていったときに、桂子さんが自分たちと同じ辛い思いをしてほしくないけれど、それでもしっかり前を向いていくんだという、母として、女性としてすごく前向きな姿勢を示していらっしゃるのが印象的でした。今もこの世界で戦争が起きている中、僕らはこの戦争をどうにかして止めないといけないというところに思いがいきがちですが、この物語を通して、戦争が終わった後もいかに大事かということを知るきっかけになると思います。
奈緒さんとは今作で初めてお会いしましたが、誠実な方だなという印象をもっていました。お芝居しているときも自分が生きてきた道が言葉にのっているので、舞台上では夫婦役としてお互いのパワーをぶつけあって、より良いものにしてお客様にお届けしたいです」
