小川彩佳アナ、安楽死題材のドキュメンタリー映画に「1人の女性の生き様だった」

TBS系『news23』(月~木曜午後11時、金曜午後11時58分)のメインキャスターを務める小川彩佳が9日、都内で行われた、「TBSドキュメンタリー映画祭2025」内のトーク付特別試写会に出席。TBSテレビ『報道特集』記者であり、映画監督でもある西村匡史氏と共に、ドキュメンタリー映画『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』について語り合った。

特別試写会に参加した小川彩佳【写真:ENCOUNT編集部】
特別試写会に参加した小川彩佳【写真:ENCOUNT編集部】

「TBS ドキュメンタリー映画祭」が14日より開催

 TBS系『news23』(月~木曜午後11時、金曜午後11時58分)のメインキャスターを務める小川彩佳が9日、都内で行われた、「TBSドキュメンタリー映画祭2025」内のトーク付特別試写会に出席。TBSテレビ『報道特集』記者であり、映画監督でもある西村匡史氏と共に、ドキュメンタリー映画『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』について語り合った。

 2021年にスタートした「TBS ドキュメンタリー映画祭」が14日より東京・名古屋・大阪・京都・福岡・札幌の全国6都市で順次開催。テレビやSNSでは伝えきれない「事実」や「声なき心の声」に迫る本映画祭は、進化を続け、今回で第5回を迎える。社会問題や多様な生き方をテーマにした作品から、アーティストに密着したものまで、多彩なラインアップから多様な生き方や新たな価値観を見つめる「ライフ・セレクション」となっている。

 本作は、23年11月から24年10月に国内最大級のニュースサービス「LINE NEWS」に配信された400万本を超える記事の中から、社会課題を工夫して伝えた記事を表彰する<LINE ジャーナリズム賞>年間大賞に選ばれた『「安楽死」を考える スイスで最期を迎えた日本人 生きる道を選んだ難病患者』。進行性の難病、パーキンソン病を患い、安楽死するためにスイスに渡った迎田良子さん(64)に焦点を当てたドキュメンタリー映画だ。

 迎田さんは2022年、安楽死するためにスイスに渡った。死の直前、立ち会った記者に「安楽死することは悲しいことではない。やり残したことは何もないし、本当に幸せな人生だったの。やっと夢がかなうのよ」と語りかけたという。

 迎田さんから送られてきた一通のメールが、映画制作のきっかけとなった。内容は「安楽死について、安楽死を通して、生きること、死ぬことについて考えてもらう議論のきっかけになれば」と依頼するもの。西村監督は当時の状況をこう振り返る。

「最初、2022年の1月にメールいただいた段階では、まだ安楽死ができるかどうか、病院ではOKが出ていなかった段階でした。その段階では、なんとか生きる方法はないのか……っていうお話をしながら、最初はメールから人間関係を作っていきました。当時、ロンドン特派員だったのでZOOMで何度もお話をするようになって、その後、安楽死が病院の方からOKが出る中で、何よりも人間関係、信頼関係を築くことが最大の条件、とにかく時間を費やし、なんとか生きる方向が少しでもないのかという話をしながらも彼女の選択も理解できるものもあったという中でした。

 最初は安楽死だとか生きる、死ぬのことについての話が多かったんですけれども、だんだん安楽死する時が決まっていくにつれて、彼女は話すことの比重が重い話よりも、むしろ自分の人生をこう生きたという楽しい思い出が多かったりもしました。自分としても、当たり前かもしれないですけど、情が移る部分もあって、少しでも迷いがあるんだったら、生きる方向にいけないかと話をしながら、すごく葛藤でした。ただ、彼女の意思は明確でした。最後、自分でストッパーを外して亡くなられるシーンがあって、映画で出すかどうかってすごく議論もあるし難しいところで、リスクもあるんですけれども、これは彼女たっての願いだったんです。彼女は自分の意思であったのだと。出すことも含めてのずっと葛藤の連続ですし、今もそうなんですけれども、迎田さんの望み通り、安楽死について、安楽死そのものでもなくても、生きる、死ぬってことについては、誰もが必ず死が訪れることなので、そこに関しては僕は議論して考えるべきだと思う。その意味では1つの役目も果たせたのかなとも思っています」

 すでに本作を視聴していた小川は、作品に対する深い感銘と、自らの生き方を見つめ直す思いを次のように語った。

「どうしても安楽死についての作品となりますと、敬虔(けいけん)な気持ちで向き合えないんじゃないかですとか、生半可な気持ちで見ることができないんじゃないかと構えてしまう部分っていうのが私自身もあったんですけれども、作品の中で描かれていたのは、1人の女性の生き様だったと思います。迎田さんがどう死に向かっていったかというよりは、死の間際、直前までどう生き抜いたかというのを非常に丁寧に描いた作品だったんじゃないかなと思いました。私も自分自身の人生ですとか、自分はいま必死に生きられているのかなと、そんなことを感じさせていただけるような作品だったなと感じています」

次のページへ (2/2) 【写真】2022年、安楽死するためスイスに渡った迎田良子さん
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