【おむすび】朝ドラで新型コロナ禍の病院を題材にした理由「医療従事者の矜持…立ち向かう精神」
俳優の橋本環奈が、主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)。10日から放送される第23週では新型コロナウイルスをテーマに描かれる。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史が第23週に込めた思いを明かした。

病院内の奮闘1週75分「日本のドラマでは初めてかなと」
俳優の橋本環奈が、主人公・米田結を演じるNHK連続テレビ小説『おむすび』(月~土曜午前8時)。10日から放送される第23週では新型コロナウイルスをテーマに描かれる。制作統括の真鍋斎氏と宇佐川隆史が第23週に込めた思いを明かした。
真鍋氏「新型コロナ発生時の病院内の奮闘をドラマで扱うのは今まで少なかったのではないかと思います。しかも1週75分(15分×5話)かけて描くのは多分、日本のドラマでは初めてかなという思いがありました。特に朝ドラというカテゴリーの中で描くのは葛藤がありましたが、世界中が苦労した事象を避けて通るのは嫌でした。皆さん大変苦労したのでこれは新型コロナへのリベンジの意味も含めて描いてやろうという覚悟を決めました。コロナ禍は3、4年ありますが、一番、人が恐怖に思ったのは、まだ何が何だか分からない2020年の3月、4月だったと思い、そこにスポットをあてました」
宇佐川氏「この物語は平成を越えて、今の自分たちに戻ってくる物語です。『自分たちはこうやって頑張ってきた』という、まだ記憶のある歴史を見せていく中で、コロナ禍というのは重要な事象のひとつだと当初から考えていました。今、ドラマを作って思うのは、わずか5年前のはずなのに、『ああ、あったな』という“過去として”のとらえ方。私たちはやはり、過ぎれば忘れていくもの。こういう歴史をへてきたということを伝え、だからこそ次につながる何かを考えていくべきだと思いました。非常に意義深い第23週になったと思います」
医療現場の状況を取材した際の医療従事者の苦労など印象を聞いてみた。
真鍋氏「いわれのない誹謗中傷を受けても、医療従事者としての自分の矜持を保ち、新型コロナに立ち向かう精神を一番に描きたかったです。医療に携わる人間として考え得ることに手を尽くす職業意識の高さはものすごく大事なこと。一生懸命に働く医療従事者の奮闘ぶりが伝わる映像になっていると思っています。また、結のような管理栄養士は直接的に感染した方と接することはなかったようですが、ただ、当時も今も特効薬が無いので、免疫をつけなければならない状況。免疫が頼りの中、食事は大事だということをあらためて伝えています。また、感染していない患者も家族と面会できず不安だったと取材で聞きました。看護師同様、管理栄養士も心のケアを考えて工夫していたようです」
