日本郵政“すっぴん”テーマの動画が物議→削除へ「再発防止に努めます」 制作元は過去にも炎上騒動

日本郵政が公開した“すっぴん”の女性をテーマにしたショートフィルム動画に、ネット上で「すっぴんをバカにして何が楽しいの?」「女性の防犯意識を茶化した動画」と批判の声が寄せられ、物議を呼んでいる。騒動を受け、日本郵政は動画を削除。いったい何があったのか。動画を投稿した意図や削除の経緯について、日本郵政に話を聞いた。

日本郵政が投稿した動画の一場面が物議を醸している(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日本郵政が投稿した動画の一場面が物議を醸している(写真はイメージ)【写真:写真AC】

すっぴんのため玄関のドアを開けられない女性と配達員のやり取りを、コメディータッチで描写

 日本郵政が公開した“すっぴん”の女性をテーマにしたショートフィルム動画に、ネット上で「すっぴんをバカにして何が楽しいの?」「女性の防犯意識を茶化した動画」と批判の声が寄せられ、物議を呼んでいる。騒動を受け、日本郵政は動画を削除。いったい何があったのか。動画を投稿した意図や削除の経緯について、日本郵政に話を聞いた。

 問題の動画は、日本郵政公式アカウントが5日にSNS上で公開。「絶対にすっぴんを見られたくない女 VS なんとかサインをもらわなければいけない配達員」と題された動画では、すっぴんのため玄関のドアを開けられないという女性と、荷物受領のサインをお願いする配達員のやり取りが、コメディータッチで繰り広げられている。「今スッピンで(顔を)見られたくないんですよ」と頑なにドアを開けない女性が、おもちゃのロボットアームで荷物を受け取ろうとしたり、配達員に「壁向きで立ってもらってもいいですか?」「絶対何があっても見ないでくださいね!」などと要求しながらも、最後はうっかり素顔をさらしてしまうという内容だ。

 動画が公開されると、「うそでしょ。これが公式アカウントから発信されてるの???」「女性バカにした動画」「なんでこれGO出しちゃったの?」「わりとガチな顧客ヘイト」「動画の制作意図がわからない」「一人暮らし女性の、配達員を装った犯罪への恐怖と自衛、尊厳と命を守る行動を、よくもよくもまあここまで、ここまで馬鹿にして揶揄出来るね」など、批判の声が殺到。配達員による実際のわいせつ未遂事件を引き合いに、「配達員によるわいせつ事件を起こしてる日本郵政が出していい動画じゃねえだろ」という声もある。

 騒動を受け、日本郵政公式アカウントは6日に当該動画を削除。「弊社Xアカウントで投稿した動画に関して様々なご意見をいただきました。それらを真摯(しんし)に受け止め、当該動画を削除いたしました。今後は細心の注意を払い、再発防止に取り組んでまいります」と文書を発表したが、この対応にも「謝罪は?」「謝罪せず、何が問題かも説明してない」など、批判の声が相次いでいる。

 動画制作の経緯や意図について、日本郵政はENCOUNTの取材に、「手紙や郵便をはじめとした郵便局ネットワークをより身近に感じていただくことを目的に制作いたしました」と回答。動画を削除した理由については「お客さまにご不快な思いを抱かせてしまったと判断したためです」とし、今後については「ご指摘を重く受け止めております。さまざまなご意見を真摯に受け止め、再発防止に努めます」としている。

 日本郵政では昨年10月にTikTokアカウントを開設。SNSで人気の映像制作集団「こねこフィルム」と共同でドラマレーベルを展開しており、今回の動画もこねこフィルムが制作を手掛けている。

 こねこフィルムを巡っては、2023年10月に「痴漢冤罪」をテーマにした動画が炎上。当時、こねこフィルムの三野和比古代表はENCOUNTの取材に「世の中の痴漢や痴漢冤罪に対してことさらに発信したり、ましてや分断をあおるような意図はまったくありませんでした」「あくまでエンタメ。大前提のエンタメという枠組みから切り離され主義主張のために利用されてしまったことは想定外で不本意でした」と語っていた。ENCOUNTでは7日、こねこフィルムに今回の動画の意図や制作の経緯について質問状を送っているが、同日中に回答は来ていない。

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