西村修さん通夜に1500人 18年ぶり再会の藤波辰爾「必死に頑張った」…蝶野、健介、大仁田も参列
食道がんステージ4闘病の末、2月28日に亡くなったプロレスラーで東京・文京区議会議員の西村修さん(享年53)の通夜が3月7日、都内でしめやかに営まれた。

「お互いどこかで似た性格」 まな弟子をしのぶ
食道がんステージ4闘病の末、2月28日に亡くなったプロレスラーで東京・文京区議会議員の西村修さん(享年53)の通夜が3月7日、都内でしめやかに営まれた。
師匠の藤波辰爾、蝶野正洋、佐々木健介、北斗晶、大仁田厚、藤田和之、SANADAなどプロレスラー、関係者ら1500人が参列した。
2007年に西村さんが無我ワールド・プロレスリングを離脱して以来、18年にわたり、関係が途絶えていた藤波は、西村さんとの再会に「必死に頑張った」と声を詰まらせた。
西村さんは体調が悪化し、1月31日の大会を欠場。藤波が代わりに参戦し、再会の機運は高まっていた。
2月に入り、藤波は入院中の西村さんを見舞おうとしたが、西村さんが「藤波さんにお会いするのに失礼な姿ではいけない」と退院後の再会を希望。そして退院の日程が決まった矢先、状態が急変し、帰らぬ人になった。
安らかに眠る西村さんの表情を見て、静かに手を合わせた藤波は「本来、もっといろんなことを語りかけたいけど……。会おうと思えばね、もっと前に会いたかったんだけどね。彼も同じ思いかもしれないけど」と交錯する思いを吐露。
「顔見たけど、俺に何も問いかけてくれなかったな」と続けた。
葬儀場には懐かしい写真もたくさん飾られ、藤波と試合中の写真やカール・ゴッチを訪ねてフロリダに滞在した時の写真もあった。西村さんと過ごした記憶が瞬時によみがえってきた。
「無我を興した時、彼が一番最初に来てくれて心強い部分があった。無我から今のドラディションに変わったけど、お互いどこかで似た性格。どこかでちょっとつまらない意地を張っててね」と、不器用なところも似ていたまな弟子に思いを馳せた。
1月31日の大会で藤波は西村さんの妻・恵さんとバックステージで面会。西村さんの代わりに必死に謝る姿を見て、「俺がここに来たことがすべて」と言って激励した。確執やわだかまりはその時点で消えていた。
「本当に自由人というか、でも芯はしっかりした選手。それと、どこかで自分がふと思った時のプロレスの原点。それが響いたんだろうね」
レスラー西村さんをこう表した藤波は、「また向こうの世界で自分らしい団体を立ち上げてくれって感じですよね」と、メッセージを送った。

西村さんの妻の言葉に目をうるませた大仁田
一方、西村さんにがん闘病中、2回にわたり、復帰のリングを提供した大仁田は、「やっぱり僕の責任も多少あるのかなと思ったけど、奥さんのひと言で、『いい思い出を作っていただきました』って言われたから、ありがたかったですね」とコメント。「今度の6月ぐらいに自主興行があれば、西村さんともう1回組みたいと(言いたいと)思っていました。最後までリングに上がり続けたい、リングに上がりたいって言ってたみたいですから」と涙をこらえていた。
祭壇はリングがかたどられ、チャンピオンベルトも置かれた。遺影は赤と紫の入場ガウン姿の西村さんで、本人のスマートフォンの中でお気に入り登録されていたものだという。
