ボンタンアメ、“尿意”に関するネット拡散でメーカー困惑「不明確なご返答はできません」

定番の菓子「ボンタンアメ」を巡って、ネット上で根拠が定かではない言説が拡散している。「尿意が消える」という趣旨のSNS投稿が今年2月に書き込まれ、反響が広がり続けているのだ。真偽は不明で、メーカー側は「不明確なご返答はできません」と困惑している。

大正時代から定番のボンタンアメ【写真:ENCOUNT編集部】
大正時代から定番のボンタンアメ【写真:ENCOUNT編集部】

1925年(大正14年)に誕生 水あめ・砂糖・麦芽糖・もち米が主原料

 定番の菓子「ボンタンアメ」を巡って、ネット上で根拠が定かではない言説が拡散している。「尿意が消える」という趣旨のSNS投稿が今年2月に書き込まれ、反響が広がり続けているのだ。真偽は不明で、メーカー側は「不明確なご返答はできません」と困惑している。

「尿意消える」「ボンタンアメを食べるとトイレ遠くなる説、ガチかもしれない」「ボンタンアメを食べるとトイレに行かずに済むと言われている」――。ここのところ相次いでいる、ボンタンアメに関するX投稿だ。多くの人が気になる“トイレ対策”と結び付けるような内容になっている。中には、万単位のリポストが確認できる投稿もある。

 ボンタンアメは、1925年(大正14年)から製造・販売されている菓子商品。メーカーであるセイカ食品株式会社(鹿児島)の公式サイトによると、水あめ・砂糖・麦芽糖・もち米が主原料で、オブラート(馬鈴しょ・かんしょでんぷんで作られたシート)で包まれているのも特徴だ。「南九州の特産果実である、阿久根産の文旦から抽出したエキス(ボンタンオイル)や、いちき串木野周辺のサワーポメロ(文旦)果汁、九州産うんしゅうみかん果汁が甘酸っぱくさわやかな風味を醸し出します」と説明している。

 100周年を迎えたベストセラー商品が突如注目を集め、不明瞭な言説が流布されている現状だ。セイカ食品に問い合わせると、同社は書面を通して、「弊社では科学的知見を持ち合わせておりません。弊社と致しましても、お客様に不明確なご返答はできませんこと、何卒ご理解賜りたく存じます」と、科学的な裏付けができないことを説明。そのうえで、「今までと変わらぬ製品を提供して参りますので、引き続き弊社製品をご愛顧賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます」と回答した。

 また、同社担当者が取材に応じ、「(一連の出来事に)びっくりしています。私たち自身が実験もしていないし、データもないので、肯定も否定もできません。何も言えないという状況です」と困った様子で話した。

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