愛車プラドが友人宅で盗難、女性オーナー悲痛「どうしてこんな世の中に…」 ディーラーの言葉が現実に
玄関のドアを開けると、そこにあるはずの愛車が跡形もなく消えていた。トヨタの人気車種・ランドクルーザープラドが、群馬県内で盗難被害に遭った。被害発覚は今月23日。友人たちの必死の捜索の結果、同県内の河川土手で車内に置いてあったひざかけなどの私物や車検証が遺棄されていたのが見つかった。絶えない車両盗難事件。50代の女性オーナーは「人生の糧が奪われてしまい、やり切れないです。どうしてこんな世の中になってしまったのでしょうか」と悲痛な思いを訴えている。

「他人の物を盗んではいけないとお母さんから教わってこなかったですか?」
玄関のドアを開けると、そこにあるはずの愛車が跡形もなく消えていた。トヨタの人気車種・ランドクルーザープラドが、群馬県内で盗難被害に遭った。被害発覚は今月23日。友人たちの必死の捜索の結果、同県内の河川土手で車内に置いてあったひざかけなどの私物や車検証が遺棄されていたのが見つかった。絶えない車両盗難事件。50代の女性オーナーは「人生の糧が奪われてしまい、やり切れないです。どうしてこんな世の中になってしまったのでしょうか」と悲痛な思いを訴えている。
被害車両の愛車プラドは、今年1月で購入して丸4年。車を買うことでモチベーションにつなげ、人生をより豊かにしたいと思い、悩んだ末に奮発した。「当時は新車で490万円。高いので悩みましたが、自分が生活していけるのか、維持費はどうなのかなど計算して計算して、やっと決心が付いて買った車でした」と振り返る。
充実のカーライフが暗転した。今月23日、女性は群馬・太田市内にある友人宅に泊まっていたところ、同日朝に仕事に行くために外に出ると、愛車の姿がなかった。「あれ? 私って自分の家に車を置いていたっけ? と一瞬何が起きたのか分かりませんでした。頭が真っ白になるとはこのことかと。友人がすぐに警察に連絡をしてくれました」。精神的なショックは大きく、その日は会社を休んでしまった。「もっとショックを受けているのは、自分の家で車両盗難が起きてしまった友人です」と話す。
連休中の被害発生。女性オーナーは周辺のコインパーキングを見て回るなど、できる限りのことを自力で行った。盗難被害を知った別の友人たちは車両の捜索に出てくれた。
友人の1人が、土手に捨てられていた荷物を発見した。「私が車内に置いていたひざかけやCD、DVD、エコバッグやバンドなどです。車検証も捨てられていました」。がく然としたのが、取り外されて遺棄されていたドライブレコーダーだった。「記録用のカードが抜きとられていました」と肩を落とす。
女性オーナーは、のぶりん(@hkn0724)のXアカウントで、「【拡散希望】 見かけた方連絡お願い致します」と盗難被害を報告。愛車の特徴として「群馬336 ち 724 白 屋根のピーラーはシルバー 左側木の擦った傷あり タイヤ→ブリヂストンのアイスガード スタッドレス ホイールトヨタ純正 助手席のヘッドレスト白いバンダナ」と記載し、情報提供を呼びかけている。
トヨタのランドクルーザーは盗難被害が多い車両として知られ、ここのところプラドが狙われたケースについてSNSでの報告が相次いでいる。
女性オーナーは勤務中に1日に何度も愛車が駐車場にあるかどうか確認するなど、日頃から気を払っていたという。「車を買った時から、ディーラーさんに『狙われやすいので注意してください』と言われていました。知人が昨年9月に盗難被害に遭い、『気を付けなよ』と注意喚起を受けていました。子どもたちからも位置情報機器を設置したらどうかと提案を受けていました」。セキュリティー強化を踏み込んで検討していた矢先の盗難被害だった。
女性オーナーのSNS被害報告には「許せない…早く見つかりますように」「え!とんでもねー」「どうかどうか見つかりますように」「マジか!!犯人許せない!」など、犯人に対する怒りに加え、励ましのメッセージが届いている。
大事にしていた思い出の詰まった愛車。現在は職場には復帰しているが、心の傷はまったく癒えない。「悔しさと悲しみでいっぱいです。でも、どうしようもないという現実を受け止めるべきことも分かっています。気を取り直しても悲しさがこみ上げてくる……。この繰り返しです。私が買った後にフルモデルチェンジしたので、もうこの型はなく、中古を見ても値段が高騰しているのでもう買い直すことも難しいです。車があるから頑張れると思って働いてきて、あの車にはたくさんの思い出もあります。やり切れません」。途方に暮れている。
人生の生きがいを奪った卑劣な犯行。「他人の物を盗んではいけないとお母さんから教わってこなかったですか? 盗難対策をしてもいたちごっこの状態だと聞きます。なんでこんな世の中になってしまったのでしょうか。どうして、盗難されるのにびくびくしながら暮らさないといけないのでしょうか。ただただ悔しいです」と、思いの丈をぶちまけた。
時間のある限り、愛車を探すつもりだが、捨てられたドライブレコーダーを目の当たりにして、心が折れている部分もある。「ボロボロの状態でもいいから見つかってほしいと思っています。無傷でいればとも願っていますが……。半分あきらめつつ、半分あきらめきれていない。とにかくつらいです」と言葉を絞り出した。
