アイドル卒業で実感「グループの力が大きかった」 沖侑果、タレント転身で目指す“第2の福留光帆”
タレントの沖侑果は昨年アイドルグループ・STU48を卒業し、俳優やグラビア、バラエティーでの活躍を誓う。ソロ活動となって約1年、“大人の女性”を目指す彼女が見据える未来像とは――。

昨年12月に『NOBROCK TV』出演…2025年は「売れる1年にしたい」
タレントの沖侑果は昨年アイドルグループ・STU48を卒業し、俳優やグラビア、バラエティーでの活躍を誓う。ソロ活動となって約1年、“大人の女性”を目指す彼女が見据える未来像とは――。(取材・文=小田智史)
2018年、第3回AKB48グループ ドラフト会議でSTU48に2巡目で指名され、ドラフト3期生として加入した沖。卓越した対話力と文才、独特なミステリアスさを武器にSTU48の中心メンバーを担い、シングルでは選抜メンバーに計9回選ばれた。
約5年半の活動を経て、「内側からではなく外からSTU48を応援したくなりました」とグループ卒業を決断。2024年4月以降は、主にタレントとして新たな一歩を踏み出した。アイドルを辞めた後のビジョンは「全然なかった」と沖は明かす。
「正直、バイトとかしなくちゃいけないのかなと思っていました。でも、事務所がサポートしてくれて、ファンの方がついてきてくださるのもあって、自分の中では満足のいく約1年間でした。とはいえ、どんどん欲は出てくるので、2025年は売れる1年にしたいです」
昨年12月には、チャンネル登録者数260万人を超えるYouTubeチャンネル『佐久間宣行のNOBROCK TV』に出演。お笑いコンビ・かが屋(加賀翔、賀屋壮也)から人生初ドッキリを受け、大号泣する姿が話題を呼んだ。
「『NOBROCK TV』の収録とは言われていなかったので、あまり出た実感は正直ないです(笑)。ただ、反響は大きくて、SNSとYouTubeのチャンネル登録者が増えました。(テレビプロデューサーの)佐久間さんにもごあいさつしました。収録後に、佐久間さんから『感動作ができました』と言っていただきました」
沖のバラエティーへの対応力は、STU48在籍時から高いものがあった。とはいえ、ソロ活動スタート後は「オーディションにも全然受からなくて、グループの力が大きかったんだなと実感した」という。
「オーディションでハキハキできなくて、なんかヘラヘラしちゃうんです(苦笑)。だから、ハマらない人にはハマらない。でも、卒業してからの芸能活動に悲観的な思いはなくて。自分の魅力は自分が一番わかっているので、それが一番出るのがバラエティーなのかなって。そう思ってから、オーディションでのアピールの仕方も変えました。深夜枠とか似合うんじゃないかなと自分では思っています(笑)。『知性がありそうな色っぽいお姉さん』として売り出していきたいですね」

芸能界入りのきっかけは「お芝居」への憧れ
もう1つ、沖がアイドル時代から才能を垣間見せてきたのが俳優業。多くの舞台を経験し、今年1月にも女子野球をテーマにした舞台『青空メロディーズ~3rd melody~』に出演した。「お芝居のお仕事ができるのができるのはうれしいし、一番やりがいを感じます」と語る。
「芸能界に入りたい理由がお芝居だったし、小学2年生から高校2年生まで俳優養成所に通っていました。アイドルを卒業してから何作か舞台に出させていただきましたけど、全部楽しいです。今、自分に求められているのは集客だと思っていて、そこの期待だけは裏切りたくない。チケットの売り上げとかも気になるし。私は数字しか信じないタイプ(笑)。だから、告知は力を入れるようにしています」
上京して1年、「私、友達が全くいなくて」と苦笑いするように、交流は古巣STU48メンバーが中心だという。
「3期生の新井梨杏ちゃんは私に懐いてくれていて、一緒にご飯も行きました。全くしゃべらないんですけど、帰り道で『さびしいです』っていきなり泣き出したり(笑)。(昨年12月にSTU48紅白対抗歌合戦として開催された)STU48大忘年会の時も舞Q(ドラフト3期生の中村舞)と楽屋にあいさつに来てくれて、何もしゃべらず、帰っていきました。静かで不思議な子。でも、かわいくて大好きです。
あと、2期生の工藤理子ちゃんは相談のLINEがよく来るし、(2期生の)吉田彩良ちゃんともご飯に行ったりします。STU48が東京でライブがあると私が頻繁に見に行くので、『部活とかのうざいOGみたいじゃない?』とぱせり(2期生の尾崎世里花)に言ったんですけど、『的を射ている表現です。でも、うざくないですよ』とフォローしてくれました(笑)。(3月・4月開催の)8周年コンサートは見に行きたいですね」
沖が今後目指す活動が“マルチタレント”。元AKB48メンバーで、2024年に大ブレイクしたタレントの福留光帆は、そのモデルケースとも言える。
「自分でも、『これから何になるんだろう』って感じで(笑)。お芝居もしたいし、話すのが得意なので、ラジオDJとか司会もやりたいですけど、一番はグラビアとかバラエティーですかね。AKB48グループの卒業生の中で、福留光帆さんは憧れの活躍のされ方です。おもしろいし、地頭がいいんだろうなと。かわいいなと思って、ブレイクされる前からSNSはフォローしていました。私も“ブレイクした人ランキング”に入れるように頑張りたいし、岡山県の津山市が出身地だと公開したので、津山ふるさと大使とかになれたら一番うれしいです」

共演したい芸能人は「ラランド」
沖は共演してみたい芸能人に、お笑いコンビのラランドを挙げる。
「私、ラランドさんがすごく好きでラジオを聴いたり、YouTubeを見たりしています。ラランドの会社のスタッフさんも込みで好きなので、(個人事務所)『レモンジャム』に行ってみたいです」
現在25歳。自身の将来については、「できることならずっと芸能界にいたい」と願望を明かす。
「スポットライトを浴びるのは大好き。グループを辞めた後、『早くみんなの前に立ちたい』とウズウズしていたので、もし芸能界をやめたらすぐに禁断症状が出ちゃうと思います(笑)。30歳、40歳になった時に自分は何をしているんだろう……。正直、オフィスOLとか、普通の生活をしている自分の姿が想像できないですね。今の自分はいい感じで進んでいると思うので、ここから落とさないように頑張るしかないと思います」
アイドル時代にそうだったように、沖は自身の芸能活動第2章でも独自の道を突き進む。
□沖侑果(おき・ゆうか)1999年12月1日、岡山県津山市出身。2018年、AKB48グループドラフト会議にて史上最多5チームの指名競合を受け、STU48にドラフト3期生として加入。2023年には1st写真集『遊泳禁止』(玄光社刊)を発売。同年にSTU48からの卒業を発表し、2024年に卒業。その後は舞台『楽園の女王』で主演を務めるなど、舞台、ドラマ、バラエティーと幅広く活動をしている。特技はコンプライアンスを守ること。3月15日に東京・池袋、4月6日に兵庫・三宮でお渡し会を行う。
