HANAが誕生したオーディション最終審査…歌詞を替えて亡き父に語りかけたメンバーの思い【インタビュー】
ラッパーのSKY-HIがCEOを務めるBMSG初のガールズグループオーディション『No No Girls』から誕生した7人組・HANA。約7000人を集めた同オーディションは、プロデューサーにラッパーでシンガーのちゃんみなを迎え、「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」のコンセプトで実施された。1月11日には神奈川・Kアリーナ横浜で最終審査が行われ、KOHARU、JISOO、CHIKA、NAOKO、MAHINA、MOMOKA、YURIを選出。さまざまな「No」と闘ってきた7人が、『No No Girls』で得た気づきを語った。

YURIが告白「審査の後に夢で…」
ラッパーのSKY-HIがCEOを務めるBMSG初のガールズグループオーディション『No No Girls』から誕生した7人組・HANA。約7000人を集めた同オーディションは、プロデューサーにラッパーでシンガーのちゃんみなを迎え、「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」のコンセプトで実施された。1月11日には神奈川・Kアリーナ横浜で最終審査が行われ、KOHARU、JISOO、CHIKA、NAOKO、MAHINA、MOMOKA、YURIを選出。さまざまな「No」と闘ってきた7人が、『No No Girls』で得た気づきを語った。(取材・文=コティマム)
――最終審査でちゃんみなさんの楽曲を歌うソロパフォーマンスでは、それぞれの成長や思いが伝わってきました。MOMOKAさんは『PAIN IS BEAUTY』でダンスブレイクを入れ、白いドレスを黒く染める演出をされました。
MOMOKA「衣装を染めることはすぐ自分の中に降りてきました。最初は、『自分がやりたいパフォーマンスで意志を染める』という意味で、ダンスブレイクは入れないつもりでした。でも、ちゃんみなさんからストイックさという部分で『ダンスの成果もちゃんと見せてほしい』と言っていただき、取り入れました。その一言がなかったら違う物になっていたと思うので、ダンスブレイクができて良かったです。自信にもなりました」
――オーディション中も、ちゃんみなさんからストイックさの部分を指摘されていましたね。
MOMOKA「ストイックさは、このオーディションで一番自覚して、変わった部分だと思います。ちゃんみなさんが『ストイックさをもっと出してほしい』と伝えてくださって、私の中に『これから自分はプロになるんだぞ』という覚悟や自覚が芽生えました。今も体力を上げるために走ったり、筋トレしたり、『プロとして必要なこと』を毎日考えています」
――KOHARUさんは『ディスタンス』で自分の世界観を発揮していました。
KOHARU「『ディスタンス』を初めて聴いた時にちょっとレトロな印象を受けました。その瞬間にインスピレーションで紫色や緑色が浮かび、衣装に取り入れることにしたんです。『自分はどんなキャラクターだろうか』『どんな人だろう』と、自分と向き合う時間をすごく多く設けて、そこで苦戦した部分もありますが、『どういうことを表現したいか』『どういう世界観が私に合っているか』を突き詰めた結果、あの形になりました。メンバーからも『レトロな雰囲気がある』と言われていたので、個人的に好きな映画『ムーラン・ルージュ』をイメージしました。また、ダンスでコンテンポラリー作品を踊る時に(動きや世界観が)『良い意味で気持ち悪い』と言われることが多く、それがほめ言葉になっていたので、ティム・バートン監督の映画の作風も意識したものになっています」
――JISOOさんは『I’m Not OK』でギターの弾き語りもされました。
JISOO「『I’m Not OK』をやることになった時に『あっ、ギター弾きたい』と思って、ちゃんみなさんからも『ギター弾く方がいいと思う』と言っていただきました」
――ちゃんみなさんから「完璧主義」なところを指摘されてきました。周りに心を開いたタイミングはありましたか。
JISOO「ずっと仲間の言葉が力になっていました。それから、『I’m Not OK』の歌詞が本当に私のそのままだったので、練習しながら歌詞から力をもらいました。『I’m Not OKでもOKなんだ』と自分自身で考えながら、ちょっとずつ変わったかもしれないです」
CHIKAはソロ審査を前に葛藤も「めちゃくちゃ考えました」
――YURIさんはちゃんみなさんから、感情を表に出さない点を指摘されてきました。ソロ審査楽曲『ハレンチ』だけでなく、最終審査全体を通して表情豊かになっていましたが、相当練習されたのでは。
YURI「練習はもちろん鏡の前でもしましたが、一番は、過ごした環境で変わっていったというのが大きかったです。オーディションの仲間や、ちゃんみなさん、SKY-HIさん、みなさんと接する日々を積み重ねて頑張ってきた環境で、オープンになれました。今まで(心の内を)隠してきたので、それをオープンにしていい場所ができたことで、表情もつけられるようになりました」
――中学時代にお父さまを亡くし、感情を抑えるようになったと明かしていました。『ハレンチ』では歌詞の一部を替えて、「お父さん聴いてる? 褒めてよ!」と語りかけていました。お父さまに合格は報告しましたか。
YURI「実は、最終審査の何日か後に父が夢に出てきたんです。ちゃんみなさんも、亡くなった方を思いながらパフォーマンスした時に『私も夢に出てきたことがある』と言っていて。『こういうことなのかな』とびっくりしました。夢で伝えられたと思います」
――CHIKAさんは『美人』のパフォーマンスが圧巻で、会場がどよめいていました。自分の気持ちをぶつけていましたね。
CHIKA「『美人』は、世の中のたくさんの人がちゃんみなさんの声で聴いている曲だから、『モノマネだ』とは絶対に言われたくありませんでした。自分なりにめちゃくちゃ解釈を考えて、自分らしいアレンジや『私はこういう風にしたい』というところを深く考えて作りました」
――オーディション中は、ちゃんみなさんから何度も「もっと自信を持って」「いい加減にしろ」と伝えられていました。自信が持てるようになったタイミングはありましたか。
CHIKA「実は、ちゃんみなさんに指摘されても体に入っていなかったというか……。正直、『なぜ、できないのか』が分からなかったです。何で『いい加減にしろ』って言われたんだろう、何で自信がないんだろう、何で自分の顔や声が嫌いなんだろう……とめちゃくちゃ考えました」
――葛藤があったのですね。
CHIKA「ソロ審査に向けて、すごく考えました。その結果、これまでの人生で『思ったよりもひどいことを言われていたんだ』と気付きました。傷ついていないと思っていたけど、今考えたら『思い出して涙が出るようなことを言われていたな』と。そこから、『私は変えていける。世の中を変えていける人間なんだ』と逆に思うようにして、ちょっと自信が持てるようになってきました」
――MAHINAさんは3次審査で悔しい思いをして3.5次審査で復活。ソロ審査では得意になったラップを抑えて、ボーカルメインの『花火』で勝負しました。
MAHINA「3.5次審査で復活してからずっとラップをやってきた中で、ボーカルにもすごく憧れを持ちました。ラストは『新たな自分を見せられるように』というのを目標に、ボーカルメインの『花火』を選びました。最初は、衣装もドレスのような派手な方がいいのか、自分が目立つにはどうしたらいいのかばかり考えていた気がします。でも、『自分のありのままを表現したい』と思って、『今、私は高校生だな』と。そこで、今しか着られない制服を選んで、見ている方々が青春を思い出すような演出にしました」

「実力の暴力」と称されたNAOKOは「自分を信じていなかった」
――NAOKOさんは、ソロ審査の楽曲『^_^』(ハッピー)や演出を早い段階からご自身で決めていました。
NAOKO「R&Bが好きで、おしゃれな楽曲での演出をもともと考えていました。でも、ちゃんみなさんと面談した時に『NAOKOって何を伝えたいの?』と聞かれて。『^_^』のサビの頭の『この世界が優しくさせないじゃん。笑われた私は笑えない』が、すごくぴったりだなと思って。急に自分の中で(曲を)チェンジしたいという気持ちになって」
――ちゃんみなさんから「実力の暴力」「モンスターになれる」と称賛されていました。どのようにプロ並みのスキルを手にしたのですか。
NAOKO「意識していたことはあんまりなくて、正直に言ってしまうと、あまり自分の実力を信じていなかったです。『えっ、私ってホンマにすごいん?』みたいな。でも、良い意味で疑い続けていたというか、練習すればするほど上手くなるというのはちゃんと分かっていたので、『もっとできます、もっとできます』と常に練習していました。こんな風にいっぱい褒めてもらえたのは自信にもつながって、『自信と練習』が私には必要不可欠でした」
――最後に、『HANA』としてどんなアーティストを目指しますか。
NAOKO「私たちの音楽で世界中を幸せにワクワクさせていきたいです。グローバルなルーツを持つメンバーもいるので、ワールドツアーにも意欲的です」
□HANA 『No No Girls』で約7000人から誕生した7人組ガールズグループ。候補者はルックス、体型、声や歌唱スタイルなどに「No」を突き付けられてきたが、期間を通して殻を破っていった。メンバーはKOHARU、JISOO、CHIKA、NAOKO、MAHINA、MOMOKA、YURI。プロデュースはオーディションと同じくちゃんみなが担当する。
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