ベビーカー連れに高齢者のシニアカーが追突「ハンドルを間違えた」 赤ちゃん救った母「ぞっとした」

0歳児をベビーカーに乗せて歩道を歩いていた母親が、赤ちゃんに話しかけようと立ち止まったところ、思わぬ事態に見舞われた。高齢者が乗るシニアカーに追突されてしまったのだ。母親は転倒。赤ちゃんは無事だった。母親のとっさの判断でハンドルを離したため、ベビーカーは倒れることなく、被害は及ばなかったという。「これが車道に出てしまったら? 信号待ちでやられてたら? と思うとぞっとしました」。乳幼児を連れての外出中に想定外の事故に遭うことになり、「私のけがは大したことなかったですが、メンタルに響きました」。当事者の母親に詳細を聞いた。

ベビーカーで外出中に想定外の事故被害(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ベビーカーで外出中に想定外の事故被害(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「事故直後に、『避けようと思ってハンドルを切る方向を間違えた』と…」

 0歳児をベビーカーに乗せて歩道を歩いていた母親が、赤ちゃんに話しかけようと立ち止まったところ、思わぬ事態に見舞われた。高齢者が乗るシニアカーに追突されてしまったのだ。母親は転倒。赤ちゃんは無事だった。母親のとっさの判断でハンドルを離したため、ベビーカーは倒れることなく、被害は及ばなかったという。「これが車道に出てしまったら? 信号待ちでやられてたら? と思うとぞっとしました」。乳幼児を連れての外出中に想定外の事故に遭うことになり、「私のけがは大したことなかったですが、メンタルに響きました」。当事者の母親に詳細を聞いた。

 事故に遭遇したのは、東海地方で男児(現在は1歳)を育てている会社員で育休中の30代女性。英国人の夫と3人家族で暮らしている。

 今年2月上旬の出来事だ。事故現場はガードレールの無い歩道。散歩中にベビーカーの赤ちゃんが母親を見上げたため、「どうしたの?」と話しかけた際に立ち止まった。その時に後ろからシニアカーがぶつかってきた。母親は下半身をひかれてしまう形になったという。

 奇跡的に無傷だったベビーカー。瞬時の行動が命運を分けた。母親は膝から前に転んだその瞬間に、ベビーカーのハンドルをゆるやかに前に離した。そのまま少し前方に進んで止まり、赤ちゃんは事なきを得た。「私だけが転倒する形で済みました。ベビーカーをつかんだままだったら一緒に転倒していたと思います。子どもが無事だったのは偶然もあるかもしれないですが、ベビーカーに荷物などをかけていなかったことも要因の1つかなと考えています。荷物をかけていたらもう少しアンバランスになっていたのかもしれないと、後から思いました」。生々しい当時の様子を振り返る。

 シニアカーの高齢者は80代女性。「食料品を近くのスーパーマーケットで買った帰り道だったみたいです。そもそも私たちとの距離を詰めていたようで、事故直後に、『避けようと思ってハンドルを切る方向を間違えた』とおっしゃっていました。ぶつかった直後、『病院、病院!』と言われましたが、転び方がひどく、私自身もけがをしたことを自覚したので、警察を呼びましょうと相談したうえで連絡しました。通りがかったドライバーが心配してわざわざ降りてきてくれました」とのことだ。

 歩行に不安を抱える高齢者らをサポートする乗り物で、普及の進むシニアカー。道路交通法上は「歩行者」とみなされる。警察などを交えて事後対応が行われたといい、「今回相手方が個人賠償責任保険に加入されていたので、けがの治療費などは補填されました。私もこういった種類の保険は初めてなのですが、もしものために自分も入っておくのが安全だと感じました」と話す。

 今回の事故被害の体験を受け、母親はベビーカーで外出時に、より一層の危機管理意識を持つことを実感したという。

 具体的には、「できるだけ建物側を歩く」「ベビーカーを押す時は絶対にスマホなどをいじらない。片手で押していたら今回みたいに無傷じゃ済まない。両手持ちがマスト」「周りに危険がないか、危険予測をより気を付ける」といった注意点だ。また、「車通りの多い横断歩道などで止まった時、ベビーカーを車道と平行に止めるのも対策になると思います」と、ベビーカーを使用する子育て当事者に向けてリスク回避のポイントを教えてくれた。

 自動車や自転車のドライバーだけでなく、歩行者も、衝突や追突事故を起こさないように安全を心がけたい。母親は「もうこんなことは絶対に起こらないでほしいと思っています。皆さんにはベビーカーでの外出時には気を付けていただきたいです。今回はレアケースですが、一例としてお役に立てればと思います」と話している。

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