難関国家試験に合格で話題 小川直也を指導した塾長が語る“今、注目の資格”とは

昨年、バルセロナ五輪の柔道銀メダリストでもある小川直也が、合格率16%という宅建試験(20万人以上の受験者数を誇る)に合格していたことが話題になったが、小川の合格をサポートした宅建の先生として知られているのが、「超特急合格」を掲げる、宅建みやざき塾の宮嵜晋矢塾長だ。今回は宅建のみならず、資格に関しての知識に精通する宮嵜塾長に素朴な疑問をぶつけてみた。

宅建合格者祝賀会での宅建みやざき塾の宮嵜晋矢塾長(左)と小川直也
宅建合格者祝賀会での宅建みやざき塾の宮嵜晋矢塾長(左)と小川直也

特にやりたいことが見えていない場合のオススメの資格は?

 昨年、バルセロナ五輪の柔道銀メダリストでもある小川直也が、合格率16%という宅建試験(20万人以上の受験者数を誇る)に合格していたことが話題になったが、小川の合格をサポートした宅建の先生として知られているのが、「超特急合格」を掲げる、宅建みやざき塾の宮嵜晋矢塾長だ。今回は宅建のみならず、資格に関しての知識に精通する宮嵜塾長に素朴な疑問をぶつけてみた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

「国家資格試験を受けることに関して気をつけてもらいたいと思っていることがあります」

 宅建をはじめ、資格試験に関する知識や情報にも精通している宮嵜塾長は開口一番そう言った。

 宮嵜塾長いわく、「国家資格はあくまで道具であり手段なので、まずは自分が何をしたいのか。どのような仕事をするために資格をとりにいくのか。それを意識することが重要です。例えば、宅建試験だって合格するとうれしくなります。だからといって、また何かを学んで、やみくもに次の資格を取ろうとする方がいる。でも、取ることが目的になってはダメなんです」と話した。

 その理由は、年齢と時間にあると宮嵜塾長は言う。

「大事なことは、今の皆さんの貴重な時間が失われてしまうことなんです。誰であろうと今が一番若いのに、資格を取るためにこれから2、3年勉強したら、取れたとしても2歳や3歳は年齢を重ねてしまう。だから、ただ資格を取ることを目的にするのではなく、将来のことを考えてから始めること。目的を持ってチャレンジすることが重要なんです」

 仮の話、特にやりたいことが見えていない場合は、どんなことから始めれば良いのか。

「その場合、オススメするのは英語です。これからさらに英語のニーズは出てきます。地域性とか環境にもよるけど、TOEICで900点を取っていれば強いですよ。ぶっちゃけ、行政書士の資格を持っているよりも強いと思います」

 他にもある。

「何を学ぼうか、目標が決まっていないときに学ぶのには、お金に関するいろいろなことを広く学べるファイナンシャルプランナー(FP)もオススメします。今、日本の円がすごく弱くなっているので、5年後、10年後、20年後にどうなっているのかは本当に分かりません。今後、資産として保有するのに何をどう保有すればいいのか分からない。その時に流動資産として、日本円だけではなく、米ドル、米国債などに投資していくのはアリかなと思います」

 例えば、宮嵜塾長が注目しているのは「金(きん=ゴールド)」だ。「『金』は今、すごいですよ。1年前に1グラム1万円だったのが、最近だと1万5000円以上になっている(2025年2月1日時点)。いろいろリスクに備えた金の準備、アメリカの関税等にも関わっているとは思うんですけど、『金』が今、高騰しています」。

 投資はどのタイミングで何を選択すればいいのか迷うところ。マネーリテラシーの資格(学び)があれば、心強い味方となる。

「資格を取れば仕事が転がり込んでくる、と思うのは幻想」

「もちろん投資にはいろんなリスクがあるんですけど、『金』に興味を持っている人が増えているのは間違いありません。資産をどうやって守るかもFPの学びを通じて興味が持てれば……」

 また、定番の資格でも、それをどう生かすかは時代とともに変化している。

 宮嵜塾長は、例えば行政書士の資格について、「もし行政書士をやるなら、これからドローンの規制が強化されていくと思います。空中規制はどんどん専門職が強くなってくるでしょう。それを意識しながら行政的な手続きをサポートしようとするのはアリです。まだまだ市場も大きくないから、今やるならいいのかなと思いますね」と見通しを示した。

 宮嵜塾長が警鐘を鳴らすのは、「資格を取れば仕事が転がり込んでくる、と思うのは幻想でしかない」ということだ。

「行政書士に限らずですけど、資格を取ったからといっても、現実的に待っているのは何十万円もかかる最初の登録料等を払うことだったりする。資格によっては年間費も毎年かかったりします。だからそれをペイするだけのものがなかったら、何のために資格を取ったのかが分からなくなってしまいますよね」

 ならば、宮嵜塾長の教える宅建という資格に関してはどうなのか。

「宅建については、宅建業者の事務所等に宅建士の設置義務があるほか、宅建士でなければできない重要な3つの事務があります。そのほか不動産系の資格に関していうと、実際のニーズを考えたときには、不動産を投資用に購入された方、管理に困っている方も多いので、賃貸不動産経営管理士はオススメです。使いやすい資格かなと思いますね。マンションの勉強をして、マンション管理士や管理業務主任者の資格を取ることも悪くないと思います」

 ただし、その場合でも注意点があるという。

「一つ付け加えるなら、管理業務主任者とマンション管理士を学ぶ時は『設備』を勉強すること。受験対策上だと『設備はやらなくていい』って捨てちゃう方が多いんですけど、『設備』が一番仕事の依頼が多い、というか『設備』以外は仕事を取ることは難しいかなと思います。だから資格を持っていても『設備』が分からないと仕事の依頼は来ないと思った方がいいかもしれませんね」

 だからこそ、「資格を取るための合格方法を考える以上に、将来を見据えた設備の学習を必ずやることが大事」だと宮嵜塾長は力説する。

 最後に宮嵜塾長は、資格を取る上での基本的な考え方を口にした。

「世の中にあるさまざまな知識を広く浅く学びながら生きていく上で役立つものを学ぶ。その中で自分が興味を持ったものを攻めていくのがいいかなと思います」

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