卒業を控えるHKT48坂本愛玲菜、「人と自分を比べる」過去から確立した個性「歌という軸が1つできた」
AKB48グループのメンバーが歌唱力を競い合う「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の第6回大会でファイナリストに勝ち残った8人と、審査員特別賞に選ばれたHKT48豊永阿紀による一夜限りの特別イベント「ファイナリストLIVE」が18日、東京・立川ステージガーデンで行われた。今年4月での卒業を発表しているHKT48の坂本愛玲菜は通算3回目、自身にとって最後となる舞台で、ずっと探し求めていた“自分の個性”を実感していた。

自身最後のファイナリストLIVEは「1つの集大成」
AKB48グループのメンバーが歌唱力を競い合う「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の第6回大会でファイナリストに勝ち残った8人と、審査員特別賞に選ばれたHKT48豊永阿紀による一夜限りの特別イベント「ファイナリストLIVE」が18日、東京・立川ステージガーデンで行われた。今年4月での卒業を発表しているHKT48の坂本愛玲菜は通算3回目、自身にとって最後となる舞台で、ずっと探し求めていた“自分の個性”を実感していた。(取材・文=小田智史)
坂本は2019年1月の「第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で8位入賞。ファイナリストLIVEの喜びも味わったが、「上には上がいるんだと実感した」大会でもあった。2019年秋の第2回大会、20年冬の第3回大会ともに決勝大会には進出するも、ベスト8には手が届かず。迎えた22年1月の第4回大会で8位に入り、2回目のファイナリストLIVE出演を勝ち獲った。
2023年春の第5回大会を経て、24年夏に行われた第6回大会では6大会連続で決勝に駒を進めると、7位と自己最高位を更新し、2年ぶり3回目となるファイナリストLIVEの切符を手にした。
今年1月15日にHKT48からの卒業を発表した坂本。自身最後となるファイナリストLIVEの舞台では、全員曲やAKB48グループの楽曲メドレーのほかに、ソロで『藍』(スキマスイッチ)と『SWEET MEMORIES』(松田聖子)、ユニットパートで『絶対アイドル辞めないで』(=LOVE)を披露した。
坂本は、最後のファイナリストLIVEを「1つの集大成」と位置付け、「毎回ハモリとか難易度が上がっていく中で、このライブを乗り越えられたことに達成感でいっぱいです」と笑顔を覗かせた。

HKT48の豊永阿紀が語った絆「2人を繋いでいるものが『歌』だった」
HKT48の1期後輩で、年齢は1学年上の豊永阿紀は、同じく「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」で存在感を示してきたメンバー。最後のチャンスで、一緒にファイナリストLIVEの舞台に立てたのも何かの運命だろう。豊永は今回、特別な思いがあったと明かす。
「私はえれちゃん(坂本)が『歌を頑張ろうかな』と思い始めたタイミングで(HKT48に)加入したと思います。(2017年に)同じタイミングで初めて選抜に入ったりもして、2人を繋いでいるものが『歌』だったと感じていて。今はチームも違って一緒に出演する機会も少ない中で、こうして大きいステージに一緒に立つ最後がこのファイナリストLIVEだったことがグッときたというか、(全員曲の)『GIVE ME FIVE!』を歌った時、歌詞に私たち2人のストーリーが乗っかったような気がしました。(卒業まで)少し早いけど、背中を押す形になったかと思います」
坂本も「(自分が出たファイナリストLIVEで)HKT48のメンバーが初めて2人いて、安心感があったし、本当にうれしかった」と、豊永の存在に感謝。そして、「この大会を通してすごく成長できたと思います。最後と意識しすぎて緊張したけど、ファンの方も温かくて、『続けてきて良かった』と感じました」と振り返った。
「人と自分を比べてしまって、『こんな声質だったら、もっとこういう歌を歌えるのかな』とか、自分の中での言い訳というか、マイナスな部分を見つけて落ち込むことが多かったです。でも、6回目の決勝に立ってやっと、自分の個性を見つけられたかなって。まだまだ技術も未熟だし、うまくなりたい部分はあるけど、『自分はこれだ』という軸が1つできた気がします」
アンコールパートでソロのフルサイズで披露した『SWEET MEMORIES』は、本人曰く「今までで一番うまくいきました」。歌い終わった後、坂本の目の前は「夢みたい」な光景が広がった。無数のペンライトと温かい拍手は、“天使の歌声”とも称えられた甘く優しいその歌声が、最後にしっかりとファイナリストLIVEの歴史と人々の記憶に刻まれた証しだった。
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