片岡愛之助、『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助役に「まさか自分が」 尾上松緑は「恐怖心もある」
歌舞伎俳優の片岡仁左衛門、尾上松緑、片岡愛之助が19日、東京・港区の泉岳寺で行われた3月歌舞伎座 松竹創業百三十周年「三月大歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』」のお参りに出席した。
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恐縮する松緑と愛之助に仁左衛門「まぁ、2人なら大丈夫ですね」
歌舞伎俳優の片岡仁左衛門、尾上松緑、片岡愛之助が19日、東京・港区の泉岳寺で行われた3月歌舞伎座 松竹創業百三十周年「三月大歌舞伎『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』」のお参りに出席した。
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『仮名手本忠臣蔵』は、亡き君主の仇討を見事果たして江戸を賑わせた衝撃的な事件「赤穂浪士の討ち入り」を題材とした、全十一段の大作。江戸幕府が、武家社会の事件をそのまま劇化することを禁じていたことから、時代設定や場所を変え、登場人物も実名から少し変えている。
仁左衛門、松緑、愛之助が演じるのは、『忠臣蔵』の大石内蔵助にあたる大星由良之助役。同作が通しで上演されるのは、2013年11月・12月の新開場杮葺落公演以来となる。今回はAプログラム・Bプログラムの2通りの配役で上演。昼の部Aプロと夜の部Bプロの大星由良之助を仁左衛門が、昼の部・Bプロの大星由良之助を松緑が勤める。けがで休養していた愛之助は3月4日の初日から復帰し、夜の部Aプロの大星由良之助を担当する。
泉岳寺には、大星由良之助のモデルとなった赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助をはじめ赤穂義士四十七士らが眠っており、3人は作品ゆかりの地である泉岳寺でお参りした。
お墓参りをすませた仁左衛門は、「改めて皆さんの忠義心を感じましたね。とにかく、皆さまのご冥福を祈りました」と語った。松緑は1年に1度は泉岳寺を参るといい、「この由良之助という役は、歌舞伎の中でもとても大切な役。正直、『自分には縁のない役』であろうと思っていたところ、仁左衛門のお兄さんに言っていただきまして、(昼の部Bプロで)『四段目』の由良之助を勤めさせていただきます」と恐縮。「自分には手の届かない役だと思っていたものを、こうやってさせていただけるというのは、ありがたい思い反面、非常に恐怖心もどこかにあるのが正直なところです」と明かした。しかし「仁左衛門のお兄さんに稽古していただいて、自分ができる精一杯のことをやりたい」と意気込んだ。
愛之助も歌舞伎では初めての大星由良之助役。「大星由良之助というのは、雲の上の役。『まさか自分が』と思いました。しっかりと教えを学び、そしてまたいろんなことを教えていただき、盗みつつ、勤めたいと思います」と語った。
仁左衛門は2人に対し、「由良之助の心ですよね。その心を歌舞伎様式で形でなく心を伝える。そこを、やっぱりしっかりと掴んでほしいと思います」と語り、「まぁ、2人とも大丈夫ですね」と見守った。
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