「あんなやついねぇ」グラビア話題の18歳・山岡聖怜に青木真也驚愕「負けたくないと思う相手」
総合格闘家でありプロレスラーの青木真也(41)とプロレス団体「マリーゴールド」で活躍する新人レスラー・山岡聖怜(18)が2月某日、都内で合同練習を行った。青木がグラビアなどプロレス界以外で活躍している山岡に「強い」と太鼓判を押した。

5分×2Rのスパー…差し歯が折れるハプニング
総合格闘家でありプロレスラーの青木真也(41)とプロレス団体「マリーゴールド」で活躍する新人レスラー・山岡聖怜(18)が2月某日、都内で合同練習を行った。青木がグラビアなどプロレス界以外で活躍している山岡に「強い」と太鼓判を押した。
レスリング強豪校出身の山岡は昨年8月に「マリーゴールド」への入団が発表。今年1月にデビューしたばかりだが、デビュー前から注目され、最近では姉でグラドルの雅弥との“姉妹グラビア”で話題になった。一方の青木は2003年に総合格闘家デビューし、日本の格闘界の第一線として引っ張てきたベテラン。年の差が23歳ある2人が初共演した。
山岡はこの日、緊張の面持ちで青木よりも早くケージにやってきた。足を広げ、体を倒し、入念にストレッチをしながら体の状態を確認していた。この日のために“青木真也”を検索してきたといい、「顔からして雰囲気が怖いですよね(笑)。でもアスリートだなと思います」と事前準備で知った生き方に尊敬の念を抱いているようだった。
いよいよ青木が登場。トレードマークでもある黒縁メガネを外し、ケージの網にかけるとタイマーを5分にセット。グラップリングスパーが始まった。
ポジションの入れ替えが激しいスパーだった。青木は時折、余裕の笑顔を見せるが確実に息は上がっている。一方の山岡はトップポジションを奪われつつも体をうまく回転させバックを奪ったりと見せ場を作った。
ピピっとタイマーが鳴り、最初の5分間が終了。青木は「動けますよ」とうれしそうに笑い「こんな動けると思わなかった」と山岡の動きに驚いていた。
インターバルをはさみ2R目へ。青木は1R目よりも極めを狙いにいくような動きを見せ、山岡は必死にこれに食らいついていくような構図となった。山岡の差し歯が折れてしまうハプニングが2人の動きの激しさを物語っていた。合計10分のスパーが終わると、2人は肩で呼吸をしていた。
その後は青木から「ネルソン」と「AOKIクラッチ(エイオキクラッチ)」を伝授。「ネルソン」はレスリングの基本技。“跳関十段”の肩書きを持ち、20年以上格闘技を探求している青木が握り方や相手の腕を固定するための膝の入れ方・角度までを丁寧に教え、「AOKIクラッチ(エイオキクラッチ)」としての抑え込み方を伝授していた。
グラウンド技は空中殺法のような派手さはない。青木は山岡のレスリング技術のポテンシャルを見込んで「(技は)地味でも納得させられる」とアドバイスを送っていた。
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撮影後に行われた囲み取材で青木は山岡について「こんな動けるんだ」「本来プロレスで見えてこないところができているんだ」と再び驚き。「男子も女子もこう動ける人って少なくなってきているんですよね。本当に『こんな動けるんだ』って衝撃を見ました」と目を丸くした。
目を見張ったのは山岡のコンディションの良さだった。40代、競争ではなく成熟の域に入った青木は体を追い込む練習ではなく、コンディショニングを整える練習を重視している。
「コンディションがいい。単純に息があがる速度で付いてこれているというか。これは男子でもできることじゃない。チキンレースというか、同じ競技で同じことをやっている同じ選手として、その日のチキンレースで負けたくないなと思う相手でした」
一方の山岡は「プロレスの練習とアマレスの練習って違う。今日スパーリングで思ったことはやっぱり楽しい。アスリートっていいですね」とスッキリした表情に。
スパーについて「苦しいって思わないんです。分かります?」と青木に“この”感覚を確認。「楽しいときほどというか息が上がっているときほど冷静に、相手の動きがあるっていうのを私は意識していて、2R目になると相手の動きって大体分かる。どこが弱そうとか」と振り返った。
激しいスパーでは途中極められそうな瞬間もあったが「MMA系なので、戸惑いました。アマレスは決まった技を取り合ってたから……柔道、柔術に近いですよね。どう極められないようにするか頑張りました。でも手を抜いてくれてるの分かりました(笑)」と口角をあげた。

山岡の未来を憂う「生かしてあげられるレスラーがいない」
山岡へ送った「地味でも納得させられる」の真意について青木はこう明かす。
「派手な投げ技とかなかったとしても、これだけレスリングで動けて押さえ込んで、3カウント取ったら十分、納得させられるんじゃないかなと思って。無駄にこう張り合うとか無駄に飛ぶとかやらなくても、これだけ動けてこれだけ強かったら納得させられるんじゃないかって思うんですよね。『必ずしもみんなと同じことをやる必要なよね』と思いますけどね」
山岡も今回の練習で自分を再発見できたようで「やっぱりアマレスを生かした方がいいんじゃないかなと思いました。これはずっと思ってたんですけど、プロレスやっていると周りの選手魅力を感じてそっちに引っ張られていたなと。プロレスは初心者でもアマレスは10年以上やってたので、そっちは絶対に身に付いてるし、そういう自分の過去を利用しながらプロレスをやっていこうと思いました」とうなずいていた。
合同練習後、青木は「あそこまで強いと大丈夫」と記者にひと言。「五輪アスリートって競争にいるわけじゃん。だから強いんだよね。よく言うのはアイドル出身者って強い。これも競争にいるから」と練習着を脱ぎながら説明した。
さらに「あんなやついねぇよ」としみじみ。「真面目にあんな動ける女子レスラーいないよ。多くはもっと雑。いきなりハイスパート入ったりする」と評価。しかし「あの子(山岡)を生かしてあげられるレスラーがいないと思う。あのレスリングの良さ、スピード感を受けれるやつはいないよ。今日やってたやつを4分とか5分とかやれば説得力があるからあれだけで立つんですよ。でもあれを出してあげられないですよね」と憂いていた。
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