異彩を放つ7人が、早くも存在感を示している。ラッパーのSKY-HIがCEOを務めるBMSG初のガールズグループオーディション『No No Girls』から誕生したHANAだ。同オーディションは、プロデューサーにラッパーでシンガーのちゃんみなを迎え、「身長、体重、年齢はいりません。ただ、あなたの声と人生を見せてください」のコンセプトで2024年10月からスタート。今年1月11日には、神奈川・Kアリーナ横浜で最終審査が開催され、KOHARU、JISOO、CHIKA、NAOKO、MAHINA、MOMOKA、YURIの7人が選ばれた。そして、同31日に『Drop』でプレデビュー。テレビ出演も重ねている。過去に「No」と闘いながら、殻を破り、夢への切符をつかんだ各メンバーの思いを聞いた。（取材・文／コティマム）

――デビューが決まった時の率直な気持ちを教えてください。2万人の前でのパフォーマンスはいかがでしたか。まずはMOMOKAさんから。

MOMOKA「長い間この夢を追いかけてきて、いろんな遠回りもしました。それを乗り越えて、『やっとやっと手に入れることができたデビューだな』と素直にうれしかったです。自分がずっと見たかった景色が、アリーナの目の前や上の階までしっかり（観客が）いる景色だったので、『この景色を見ることができるまで頑張れた』という達成感がありました」

――反響はありましたか。

MOMOKA「チケットを買って見に来てくれた友達もたくさんいて、『身近に応援してくれる人がたくさんいる』とあらためて実感できました。その人たちのためにも、もっともっとレベルアップして、いいステージやいい音楽を届けられるように頑張りたいです」

――KOHARUさんはいかがですか。ソロパフォーマンスは得意のダンスが光っていました。

KOHARU「ダンスでいろいろなステージをやってきましたが、2万人の前でパフォーマンスしたことはなかったので、2万人という大きな数に『圧倒されちゃうんじゃないか』と心配もありました。でも、ステージに立ってみたら、全くそんなことはなかったです。皆さんからの温かい眼差しを感じて、のびのびとパフォーマンスできました」

――名前を呼ばれる瞬間はどんな気持ちでしたか。

KOHARU「いい意味で『気にしない』というか。もう、どういう人生になっても『私はここで経験してきたことを生かして進んでいける』という自信を持てていました。でも、いざ呼ばれるとすごくうれしくて、より一層『気持ちを切り替えて、責任感を持って進んでいかなきゃ』と感じました」

――JISOOさんはいかがでしたか。

JISOO「私はファイナル前に、Kアリーナで他のアーティストさんのライブを見ていました。その時に『えっ、2万人ってこんな多いんだ』と、ちょっと緊張感が走ったのですが、実際にステージに立った時には、本当にただただ楽しかったです。今は『1人だけの人生じゃない』と思っています。これまでは怖く思うこともいっぱいありましたが、今は7人で1つのチームで、1人じゃないので怖くないです」

――韓国出身で唯一の外国人メンバーです。会場にはお母さまはいらしていましたか。

JISOO「はい、来てくれました！　母からは『すごく感動したし、すごく泣いたよ』って言われました」

――YURIさんはいかがですか。

YURI「『2万人の前に立つ』と考えた時に、縮こまってしまうか、オープンにできるかの2択でした。でも立った瞬間に皆さんの眼差しがすごく温かくて、『全員が味方なんだ』と思えて、安心してリラックスしてパフォーマンスできました。名前を呼ばれた時は、最終審査までの全ての場面がフラッシュバックしました。仲間の顔もいっぱい浮かんで、感情がごちゃごちゃ……。でも、今は『同じチームになれなかった子たちの気持ちも背負って、絶対に皆さんに良い音楽を届けていきたい』という気持ちです」

――CHIKAさんはいかがですか。過去に事務所に所属した経験があり、ステージも経験されています。

CHIKA「小さい頃に、福岡ドーム（みずほPayPayドーム福岡）でバックダンサーをしたことがあって、その時は（観客の）圧を感じて、ちょっと怖かった思い出がありました。Kアリーナでは2万人が見るわけだから、『どうなるんだろう』と不安もありましたが、もう、とにかくすごく温かくて。皆さんが味方でいてくれたので、すごく楽しく、感情をむき出しにしてパフォーマンスすることができました」

――名前を呼ばれた時のお気持ちは。

CHIKA「5歳ぐらいからこの夢を目指してずっと頑張ってきたので、もう、『やっと、やっとや！』って。本当に続けてきて良かったなと思える瞬間でした」

――MAHINAさんはいかがですか。

MAHINA「私もこれまでずっとライブを見に行っていた側でした。自分がライブのステージに立つというのは、『この壁を乗り越えないとプロのアーティストになれないんだ』という覚悟も感じました。でも、いざステージに立ってみると、本当に楽しくて、景色がすごくキレイで。『この景色をまたこの7人で、もう1度見たいな』という新たな夢ができました」

――NAOKOさんはいかがですか。

NAOKO「最終審査は不安もありましたが、『絶対に楽しもう』という気持ちで、『ステージに立つまでに不安をちゃんと吐き出してから立つ』というのを毎回繰り返してきました。ステージに立つと皆さんの顔がちゃんと見えて、音楽を楽しんでくださっているんだなと感じました。『今2万人の皆さんの前に立ってるんだ』『アーティストになったんだ』というのをパフォーマンス中に感じました」

――名前が呼ばれた時はどんな気持ちでしたか。

NAOKO「結果発表は実感があんまりなかったです。『これからも立たせていただきたい』という気持ちでやってきたので、気持ち的には『まだ頑張り続けている』という感覚です。これからがすごく楽しみです」

『Drop』は、最終審査のグループ課題曲。4次審査のクリエイティブ審査でHip Hopとして与えられたトラックに、ちゃんみなが歌詞やメロディーをつけ完成させた。ガールズグループには珍しく、低音のボーカルで進行するヒップホップトラックだ。今月9日午後10時に配信したミュージックビデオ（MV）は、15日正午時点で400万回再生を突破した。

――『Drop』の魅力や注目ポイントを教えてください。

MOMOKA「女性アーティストにはあまりない、低音の曲です。今までやったことがないものに挑戦するのが私たちHANAだと思います。私は『低音が魅力的』と言っていただいたので、その魅力を生かしたいです。チームとしては、ダンスもすごくいい。個性を大事にしているので、踊り方も一人ひとり、どういう人生でダンスをしてきたかが出ています。個人にフォーカスしてもらうと分かる部分が強いです。サビで手あげるところや細かい部分、首の角度を全員そろえている訳じゃないんです。『自分が一番キレイに見える』『自信を持てる角度』がそれぞれにあるので、そこを研究して表現しています」

――これからどんなアーティストを目指しますか。

CHIKA「私もみんなも『No』と闘ってきた子たち。だからこそ、私たちの音楽を聴いてくれている人が抱えている『No』を私たちが救ってあげられるような人間になりたいです。『No』を『Yes』に変えていけるような世界中の人たちに、自信とパワーを与えられるアーティストになりたいです」

□HANA　ラッパーのSKY-HIがCEOを務めるBMSG初のガールズグループオーディション『No No Girls』で約7000人の中から誕生した7人組ガールズグループ。候補者はルックス、体型、声や歌唱スタイルなどに「No」を突き付けられてきた経験があるが、期間を通して殻を破っていった。メンバーはKOHARU、JISOO、CHIKA、NAOKO、MAHINA、MOMOKA、YURI。プロデュースはオーディションと同じくラッパーのちゃんみなが担当する。