【べらぼう】演出担当が驚く主演・横浜流星の凄さ「勉強不足は一瞬で見抜かれます」

俳優の横浜流星が主人公・蔦屋重三郎を演じるNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)。演出を担当する深川貴志氏が取材に応じ、今後の見どころや横浜の魅力などを語った。深川氏は第6回と第7回の演出を担当したほかタイトルバックの演出も担当している。作品は18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。

蔦屋重三郎を演じる横浜流星【写真:(C)NHK】
蔦屋重三郎を演じる横浜流星【写真:(C)NHK】

演出を担当する深川貴志氏が今後の見どころや横浜の魅力を紹介

 俳優の横浜流星が主人公・蔦屋重三郎を演じるNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)。演出を担当する深川貴志氏が取材に応じ、今後の見どころや横浜の魅力などを語った。深川氏は第6回と第7回の演出を担当したほかタイトルバックの演出も担当している。作品は18世紀半ばに江戸のメディア王として時代の寵児(ちょうじ)となった“蔦重”こと蔦屋重三郎を軸に描く痛快エンターテインメント。

 まず第6回、第7回でこだわったことを聞いた。

「主人公がどんどん本の世界に入っていきます。漫画の原点のようなでストーリーにイラストが入っている『青本』を蔦重と鱗形屋(片岡愛之助)が共に作る中で高まっていく姿が魅力的。ただ、そのままいくかどうかはお楽しみに……。蔦重が何かやろうとすると抱いてしまう苦さをどう乗り越えるかが第7回の見どころ。登場人物それぞれに正義があり、自分の正義に忠実に生きるとどこかで衝突する形かと思います」

 第7回の印象的なエピソードも紹介してもらった。

「蔦重が吉原細見を作ります。長い期間にわたって作られていた吉原細見の中でもターニングポイントになるものを作ります。何のために、どこをどう変えたか分かるようなっているはず。本を作る面白さ、蔦重のこだわったところをお楽しみいただけると思います」

 演出担当者は複数いる。

「共通認識としてあるのは、主人公はスーパーマンではないということ。何でも解決できる特殊能力がある人ではなく何も持っていない普通の人。ただ、吉原で生まれ、吉原の苦しい部分も背負って吉原を良くしていこうという思いが根底にある人物です」

 これまでの大河ドラマの主人公と比べ、蔦重はエネルギッシュで生き生きしている印象。

「これまでの大河の主人公の中でも、一番いろんな人に会っている主人公だと思っています。蔦重は約1万人が暮らしていた吉原の人たちと会い、市中の人たちだけでなく田沼意次とも会ったり、ものすごい人数と会っている。それだけの人と会ってやっていけるバイタリティーについて、横浜さんとは、『自分からどんどん仕掛けていくエネルギッシュな人には周りも期待しますよね』と話したことがありますが、横浜さんは最初からそう思っていましたね。これまでの主人公とは大きく違うと思います」

 蔦重と長谷川平蔵宣以の今後の関係も気になる

「未来は分かりませんが、あの2人はすごく対等だと思っています。武士、町民という違いを取っ払った関係が見え始めると思っています。横浜さんと平蔵役の中村隼人さんは仲が良く、現場でも2人で演技を高め合っていて、めちゃめちゃバディーです」

 ここで横浜の魅力も聞いた。

「惚れるというか、かっこ良さだけでなく取り組み方がすごくストイック。自分が出ていないシーンもよく見ています。平蔵とのシーンで見得を切る場面はアドリブ……仕掛けてくるので楽しみです。こちらも恥ずかしい仕事ができないと背筋が伸びる思いです。勉強不足は一瞬で見抜かれます(笑)」

 最後にタイトルバックに込めた思いを聞いた。浮世絵などに写真や実像が織り込まれている。

「コラージュという手法にしたのは、その時代から地続きであることを感じられるようにしたかったからです。時代劇は今の時代から遠く感じてしまいます。でも神田で江戸時代の本が今も読めたり、京都に行くと昔を身近に感じます。江戸時代に出版された絵の世界に出演者やセットの写真をコラージュすると今の世と、地続きで感じられるのではと思いました。あとは渦を感じられるようにしました。蔦重が起こし、みんなを巻き込んでいく渦もあれば、うずうずさせる渦も。いろんな渦で表現できたらと考えました」

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