NHK、旧ジャニへの態度を硬化させた「重大証言」の一部誤りを認める…「被害に遭った時期は2002年秋ではなかった」
NHKは10日の『ニュース7』で、2023年10月9日の同番組などで報じた「2002年秋に故ジャニー喜多川氏からNHK放送センター内のトイレで性被害に遭った」とする男性の証言について、被害に遭った時期の誤りを認めて「より慎重な伝え方が必要だったと考えています」との見解を示した。一方、被害に関しては男性の証言が一貫していること、元所属タレントや番組の関係者などの話と当時の状況が一致していることなどから「信ぴょう性は変わらない」と伝えた。
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一方で「被害の信ぴょう性は変わらない」
NHKは10日の『ニュース7』で、2023年10月9日の同番組などで報じた「2002年秋に故ジャニー喜多川氏からNHK放送センター内のトイレで性被害に遭った」とする男性の証言について、被害に遭った時期の誤りを認めて「より慎重な伝え方が必要だったと考えています」との見解を示した。一方、被害に関しては男性の証言が一貫していること、元所属タレントや番組の関係者などの話と当時の状況が一致していることなどから「信ぴょう性は変わらない」と伝えた。
当時の報道内容は、30代男性がNHKに被害を告白。「高校生だった2002年秋、ジャニーズJr.が出演する同局の音楽番組『ザ少年倶楽部』の出演を希望し、東京・渋谷の同局放送センターを訪れてダンスの練習に参加した際にジャニー氏から休憩時間に声を掛けられた。連れて行かれた男性用トイレの個室内で下着を脱がされ、性被害に遭った」と証言しているというものだった。NHKが旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)への態度を硬化させるきっかけにもなった「重大証言」だった。
これに対し、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)は「男性が被害を受けたとした日にジャニー氏は海外渡航中だった」と主張。補償を巡る協議の中でも、男性が被害の時期についての説明を変遷させるなどしたことから「申告に信用性が認められない」とし、男性に対しての損害賠償責任がないことの確認を求め、千葉地裁に提訴。この日、同地裁で第1回口頭弁論が開かれた。男性側は同社の主張を受け入れることなどを表明し、訴訟が終結した。
同裁判についてSMILE-UP.は同日に公式サイトを更新し、「被害申告内容が事実でないことを理由として、弊社に責任がないことの確認を求めて、訴訟を提起いたしました。本日、当該申告者側が、弊社には損害賠償債務がないことを認めたことから、訴訟が終了したものです。今回の裁判の被告の方及びご家族の方を含め、誹謗中傷を行われることがないように強く要請いたします。また、弊社は、今後も引き続き、被害にあわれた方々に真摯に向き合い、迅速かつ適切な被害救済に全力で取り組んでまいります」などとコメントした。
それを受ける形で、NHKは男性の代理人が「被害を受けた時期は2001年だった可能性がある」と話していることも踏まえ、男性が被害に遭った時期について「SMILE-UP.側の主張やその後の取材などを踏まえると、より慎重な伝え方が必要だったと考えています」とし、「NHKは今後もあらゆる取材において、確認を徹底していきます」と伝えた。
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