スカートめくり流行、有害コミック騒動…社会現象にもなった人気“お色気漫画”たち

現代のようなインターネットが普及しておらず、お色気シーンは漫画で堪能していた1980年代から90年代。しかし、読んでいることが家族にバレてしまうと気まずいこと極まりないだろう。そんなきわどい描写が人気を呼んだ漫画作品を振り返ってみよう。

まいっちんぐマチコ先生 「お宝!」コレクション1・えびはら武司・復刊ドットコム
まいっちんぐマチコ先生 「お宝!」コレクション1・えびはら武司・復刊ドットコム

社会現象を巻き起こしたある意味で名作も?

 現代のようなインターネットが普及しておらず、お色気シーンは漫画で堪能していた1980年代から90年代。しかし、読んでいることが家族にバレてしまうと気まずいこと極まりないだろう。そんなきわどい描写が人気を呼んだ漫画作品を振り返ってみよう。

 最初に振り返る『まいっちんぐマチコ先生』(作:えびはら武司)は、80年より「月刊少年チャレンジ」(学習研究社※現・学研ホールディングス)にて連載スタートし、すぐに大人気となって半年後にはテレビアニメ化もしている。

 舞台は自由な校風が特徴の私立あらま学園。ある日赴任してきた美人でスポーツ万能の女性教師・麻衣マチコ(マチコ先生)が、イタズラ好きな教え子ケン太と、その子分マル夫をはじめとするスケベな男たちからのセクハラを、「まいっちんぐ」の決めセリフで乗り切るドタバタ学園ギャグ漫画である。

 テレビ放送されると、マチコ先生が生徒にイタズラされたときのお決まりのセリフ「いや~ん、まいっちんぐ!」が大流行。パンチラや胸がはだけるなど、きわどい描写が話題となった。さらに子どもの「スカートめくり」が流行したことから、一部の地域ではPTAが抗議活動をおこなうなどの社会現象を巻き起こした。

 そんな刺激的な漫画作品だが、2004年から06年に複数回の実写映画化、07年に実写DVDも発売されるなど根強く支持された。

 お色気漫画といえば桂正和氏の描く『電影少女』も忘れられない。同作は1989年から92年にかけて「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された作品だ。コミックスは累計発行部数1400万部を誇る人気作になり、91年に『電影少女 VIDEO GIRL AI』で実写映画化、2018年には『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』、そして19年には『電影少女2019』として実写ドラマ化もされている。

 本作品は、失恋したばかりの少年・弄内洋太(もてうち・ようた)と、ビデオの再生画面から飛び出した少女・天野あいとの恋を描くSFラブコメディーだ。2人の恋愛模様はもちろん、自由奔放なあいがモロにパンツが見える「パンモロ」を披露したり突然服を脱いで上半身をあらわにしたり、当時ギリギリのお色気シーンが話題を呼んだ。

 さらに、緻密なタッチで描かれた天野あいの服がはだけた姿の描写などは、当時の少年層に刺激的だったといわれている。とくに注目を集めたのは芸術的ともいえるパンツのシワ。ネット上でも「パンツのシワに関しては国宝級」と評価される桂氏の画力で描かれるリアルなお色気シーンは、ひっそりと堪能したくなるに違いない。

 最後は『いけない!ルナ先生』(作:上村純子)を振り返ろう。同作は1986年から「月刊少年マガジン」(講談社)で連載された作品だ。塾講師のアルバイトをしている女子大生・葉月ルナが、落ちこぼれ中学生・神谷わたるの世話役として同居し、彼の生活態度を改めさせるためにお色気作戦を実行するというもの。わたるを助けるため毎回エッチな授業を実行するというなんとも刺激的なストーリーだ。

「青少年の下半身を直撃した伝説のコミック」ともいわれる本作は、90年の「有害コミック騒動」により単行本は出荷停止・絶版となってしまった。しかし、お色気の威力は絶大で全5巻の単行本は累計200万部の大ヒットを記録し、90年の絶版を経て2023年にはリバイバル作品『いけない!ルナ先生R』として発売された。

 今回の作品名を見て、好奇心旺盛な時期にドキドキしながら読んだことを思い出した人もいるだろう。そんな背徳感もお色気漫画の醍醐味なのかもしれない。

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