漫画→アニメ化で原作が大幅改変!? “もはや別物”な内容で物議を醸した作品たち

漫画がヒットした後に、ファンから期待されるのはアニメ化である。お気に入りのキャラがアニメーションで動く姿や、原作にはないオリジナル展開を見られるのはアニメならではの魅力だろう。しかし、中には原作を大幅に改変し、ファンの間で賛否を呼んだ作品も存在する。そこで今回は、激しい原作改変によって物議を醸した3作品を紹介しよう。

アニメ化で“もはや別物”になった漫画とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
アニメ化で“もはや別物”になった漫画とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

原作無視に等しい改変にファンが大激怒?

 漫画がヒットした後に、ファンから期待されるのはアニメ化である。お気に入りのキャラがアニメーションで動く姿や、原作にはないオリジナル展開を見られるのはアニメならではの魅力だろう。しかし、中には原作を大幅に改変し、ファンの間で賛否を呼んだ作品も存在する。そこで今回は、激しい原作改変によって物議を醸した3作品を紹介しよう。

 本題に入る前にアニメ事情として押さえておきたいのは、やはり「決められた話数の中で物語を完結しなければいけない」ということ。よって原作に忠実に進めるのではなく、放送しなくても支障のない部分は省略されがちだ。

 とはいっても多くのアニメファンはある程度「省略」を許容しているはずだが、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2016年~20年まで連載されていた『約束のネバーランド(以下、約ネバ)』(原作:白井カイウ、作画:出水ぽすか)のアニメ2期は、許容範囲を超えた「省略」が実施されてしまった。

 19年放送の『約ネバ』1期では孤児院で暮らす主人公・エマをはじめ、仲の良いノーマンとレイが「孤児院は鬼の食料となる子どもを育てる農園」という事実を知り、孤児院のみんなで協力して脱獄する様子が描かれた。原作の世界観をていねいに再現した1期は好評だったが、期待された21年放送の2期は上述した通り、大幅な省略によって多くのファンから不満の声が寄せられる結果に。

 残り1クールで最終話まで描くという厳しいスケジュールが「大幅な省略」に至ったとしたら、仕方ないと受け止めるほかないだろう。

 続いて取り上げるのは『黒執事』シリーズの第2期で、同作はアニメオリジナルで構成された作品として有名だ。

 06年から「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)で連載中の『黒執事』(作:枢やな)は、英国の名門貴族「ファントムハイヴ家」の当主・シエルとスーパー執事のセバスチャンによるダークファンタジー作品で、第1期は08年から09年まで放送された。

 途中からアニメオリジナルの話に切り替わり、それが好評だったことを受けて10年放送の第2期『黒執事II』もアニメオリジナルのストーリーで構成。しかし、14年放送の第3期『黒執事 Book of Circus』を含めたOVA『黒執事 Book of Murder』(15年)や映画『黒執事 Book of the Atlantic』(17年)は原作に沿う展開に戻ったことで、ファンからは「途中のアニオリって必要だったの?」など疑問の声が寄せられることになった。

 ちなみに24年4月から第4期『黒執事 -寄宿学校編-』(TOKYO MXほか)の放送が始まるっているので、この機会にアニメ作品をチェックしてみてはいかがだろうか。

 そして最後に注目するのは、04年から「週刊ヤングマガジン」(講談社)にて連載中の『みなみけ』(作:桜場コハル)原作のアニメ2期だ。

 同作は南さんちの3姉妹の平凡な日常を描いたショートストーリーから構成された漫画だが、07年放送の第1期も、そのゆるい世界観が反映されていた。

 しかし08年放送の第2期『みなみけ~おかわり~』は原作とはまったく違う“シリアスホラー”の要素が強くなり、大幅な改変に対して不満の声が殺到。炎上といっていいほどネット上にネガティブな反応が多数寄せられ、「2期はなかったものにする」と声をあげる視聴者も後を絶たなかった。

 今回取り上げた作品も含めて賛否が分かれがちな原作改変。しかし、評判だけで判断するのではなく、実際にチェックしてみれば世の中の反応とは違う印象を受けるかもしれない。

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