フジテレビの決断は? 大株主の米投資ファンドが日枝久氏に辞任を強く要求「信頼回復には何より重要」
元タレント・中居正広氏とフジテレビの問題を受け、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツ(以下、ダルトン)が4日、公式サイトを更新し、同局の日枝久取締役相談役に対して強く辞任を求めていることを表明した。ダルトンは同局の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の大株主で、計3度目の書簡を送ったと発表。日枝氏による長期支配の問題点を厳しく指摘する同書簡の内容を公表した。
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ダルトン・インベストメンツが3度目の書簡
元タレント・中居正広氏とフジテレビの問題を受け、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツ(以下、ダルトン)が4日、公式サイトを更新し、同局の日枝久取締役相談役に対して強く辞任を求めていることを表明した。ダルトンは同局の親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)の大株主で、計3度目の書簡を送ったと発表。日枝氏による長期支配の問題点を厳しく指摘する同書簡の内容を公表した。
同書簡では、まず、1月21日付で送った書簡で要求したことに従い、フジテレビが同23日に日弁連のガイドラインに沿った第三者委員会を設置したこと、同27日に全てのマスメディアの前で再度記者会見を開いたことに対しての謝辞が示された。
そして、港浩一氏が社長を辞任し、後任に清水賢治専務が昇格したものの「日枝久フジテレビ取締役相談役、FMH取締役相談役はフジサンケイグループ代表でありながら、この大事な記者会見に出席しませんでした」と失望感をあらわにした。その上で、「1月28日には遠藤龍之介フジテレビ副会長も第三者委員会の調査結果発表後の辞意を表明しています。しかし、残念ながらこれらの方々の辞任だけではスポンサーは戻ってきてくれません」と断じた。
続けて「では、どうしたら、フジテレビはスポンサー、さらには視聴者の信頼を回復することができるのでしょうか。その答えは明白です。第一に、これが何よりも重要なことですが、日枝久氏がFMHおよびフジテレビの取締役を辞任することです」と指摘した。
文字通り、大株主による辞任要求で、日枝氏の存在がフジテレビのガバナンス欠如の「最大の問題だ」と断言した。
「FMHはプライム市場上場会社であるにもかかわらず、そのガバナンスに根本的な欠陥があることは弊社が以前から主張しています。日枝久氏はFMHおよびフジテレビの取締役会を絶対的に支配しており、影響力を保持しています。今回のスキャンダルで、FMHおよびフジテレビのガバナンスが全く機能していないことが公に明らかとなりました」
さらには、「FMHは放送法上の認定放送持株会社であり、フジテレビを始めとする25社の基幹放送事業者を傘下に持つ巨大な放送グループです。マスメディア集中排除原則は特定の少数者によって複数の放送局が支配されることを防止するものですが、何故たった1人の独裁者がこの巨大な放送グループを40年近くも支配することが許されてきたのでしょうか。信じ難いことです!」などと強調した。
そして、「取締役会は独立社外取締役を過半数とするべき」などとする提案をし、「3月末に予定されている第三者委員会の調査結果を待つことなく、スポンサーの離脱による損失が拡大する前に、打つべき手を打たなければなりません。信頼回復は最優先事項です」と指摘。「私たちは、株主、すなわちFMHのオーナーとしての責任を深刻に受け止め、この書簡をお送りしています。私たちは、FMHの取締役会がステークホルダーの声に耳を傾け、一人の独裁者を守るためにこれらの声を無視しないことを強く求めます。もし、これらの声が聞き届けられなかった場合には、日本の社会に重大な影響を与えることでしょう」と日枝氏の辞任を重ねて求めた。
ダルトンは、これまでFMHに対して「私たちは激怒している」「記者会見のやり直し」などを求める書簡を2度送付。「物言う株主」として存在感を示しており、日枝氏およびFMHの判断が注目されている。
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