お笑いコンビ・エバースの90分大型冠特番『エバース漫才記』が21日午後10時25分からCS放送「映画・チャンネルNECO」にて放送される。本番組では、彼らがどんな場所、どんな人でも笑わせる“オールラウンド漫才師”になるため、メイドカフェ、茶道、忍者という未知の世界を体験取材し、インスピレーションを受けた3本の新作漫才を披露する。取材会に出席した佐々木隆史と町田和樹が番組の見どころ、コンビの強みを語った。

　神保町よしもと漫才劇場を中心に活躍するエバースは、2024年の『NHK新人お笑い大賞』で優勝を果たし、『M-1グランプリ2024』で初の決勝進出。4位という好成績を残し、「東京しゃべくり漫才の次期エース」の呼び声高い注目のコンビだ。

　大型特番の収録を終えて町田は、「僕は何も考えることが無くて、ただロケをしていたので楽しくできました」と佐々木が1人でネタ作りを担当しているため、ロケを満喫した様子。佐々木はロケ終了から1時間でネタを完成、1日で3か所を周り、合計3本の新作漫才を作り上げる過酷なスケジュールを振り返り、「1本1時間にしては頑張ったと思います。芸人仲間はだいぶすごいことをしていると思ってくれるのでは。とにかく決めて、ぶっつけ本番という感じだったので、町田にさいている時間はありませんでした」と明かした。

　メイドカフェのロケでは、町田がメイドを体験してメイド服姿を披露。町田は「メイドカフェはキツかったですね。メイド服は佐々木がやるわけないからオレがやるしかなかった。どう考えてもデカすぎるでしょ。恥ずかしいのかなり上位かもしれません」と回想すると、佐々木は「午前中の町田はムカついてしまう。朝イチで町田のメイド姿やメイドさんにテンションが上がっている町田とか、めっちゃムカついたことは憶えていますね」と苦笑いを浮かべた。

　今回のネタ作りで収穫もあったようで、佐々木は「茶道のネタは寄席でもやってもいいかなという感じはしていて、肩ひじを張らないネタなので、今年の単独とかで改良してやろうかなと思っています。忍者も改良すれば形にはなりそうでした」と言及。町田も「年配の方の前でやる機会も増えたので、茶道はいいテーマだと思います。この番組だけではなく、祇園花月とかNGK（なんばグランド花月）とかに改良して持っていけるようにできたら最高ですね」と手応えを感じたようで、改めて相方のネタ作りを見届けて「すごいなと感じた。5分10分くらいである程度の道筋を作ってくれたので頼もしいですね」と称賛した。

　M-1決勝進出後の変化については、佐々木が「普段のライブもお客さんがファイナリストだ！　という空気感があります。ステージに出た時に歓声が上がるときもあったりします」と説明。さらなるM-1効果の予感については、「それは分からないですね。（2023年ファイナリストの）くらげさんとかも見ているので。それこそ（2022年ファイナリストの）ダイヤモンドさんは解散もしていますし、まだ全然安心はしていません」と気を引き締めた。

　コンビ結成後、4年半ほど同居生活を送っていたが、昨年から同居を解消。同居解消後の変化について佐々木は、「昔よりいい距離感になったと思います。昔は近すぎてキモイ距離感だった時期もあって、町田のちょっとした言動に『なんなんそれ？』となっていたこともあった。今は前だったらムカついていそうなことも、あまりムカつかないようになりました」と語り、町田も「確かにいい距離感。仕事が増えて毎日会うので、まだ同居していたらエグかったかもしれません。ピリつきそう。いいタイミングで解消して、いい感じになったと思います」と同調した。

　コンビの強みを聞くと佐々木は、「何年か前からラジオ（stand.fm『エバースのモンキー125cc』）をやっているのですが、2人の会話がそのまま漫才に生きている。2人の会話が強みなのではないかと思っています」、町田は「より普段に近い状態でネタができている。ラジオとかトーク番組に出てもネタとの違いがない、ネタとのギャップを埋める必要が無いのが強みだと思います」と回答。番組の放送へ向けては、佐々木が「漫才師のすごいところ、エバースの真骨頂が見られるので、ぜひ見てください」、町田も「ネタ作りの雰囲気を公開したことが無いので、その辺を見てほしいですね」と自信満々にアピールした。