【マリーゴールド】リングに上がるのは家族のため…38歳で練習生になったメガトンの隠された真実
マリーゴールド1.3大田区総合体育館大会で、衝撃的なマネジャーデビューを果たしたメガトン。その後は選手としても登場し、すでにマリーゴールド・ワールド王者である林下詩美と後楽園ホールでシングルマッチを行っている。デビュー数戦でトップ選手とのシングルを経験し見事に砕け散ったわけだが、実は彼女にはリングで戦わなければいけない理由があった。
![メガトンプレスで林下詩美を圧殺しようとするメガトン【写真:(C)マリーゴールド】](https://encount.press/wp-content/uploads/2025/02/04150505/bb0a406003f054d26cd382e8cd0c752d.jpg)
8年前に母が突然の他界、私も…と思ったときに芝居が救ってくれた
マリーゴールド1.3大田区総合体育館大会で、衝撃的なマネジャーデビューを果たしたメガトン。その後は選手としても登場し、すでにマリーゴールド・ワールド王者である林下詩美と後楽園ホールでシングルマッチを行っている。デビュー数戦でトップ選手とのシングルを経験し見事に砕け散ったわけだが、実は彼女にはリングで戦わなければいけない理由があった。
メガトンこと轟もよ子は、8年前に母親をガンで亡くしている。余命5年と宣告を受けるも、突然他界した。
「本当に突然のことでした。余命5年と言われた数日後に亡くなったので心の準備が何もできなかったです。その5年前には父もガンで他界しているので、30歳で両親ともにいなくなりました。私には7個上の兄がいるのですが、ちょうど兄の勤めている会社の倒産と重なってしまって……。二重のショックで兄は外出することができなくなってその状況が今も続いています。私も滅入ってしまって、いっそ母親のところに行ってしまおうと、一時は持ち物を全部処分しました。当時は役者をしていたので、今やっている舞台を終えたらこの世界とお別れしようと思って」
しかし、轟を救ったものがあった。
「芝居をしている時だけは、母親のことや辛いことが忘れられたんです。そうか、芝居を続けていればまだ大丈夫かもしれないと思えました。幸いにして、実家を建て直した家賃収入で兄が生活できそうだったので、なんとか兄と2人で頑張っていけるのかなって」
芝居を続けることが生きがいとなった轟は、とある舞台を通じてプロレスを知ることになる。それが2020年に行われた劇団水色革命第21回公演『リング・リング・リング』だった。ちなみにこの作品で長与千種役を演じているのが、現在マリーゴールドに所属している松井珠紗だ。
「新人レスラー役のオファーをいただきました。この作品にはプロレスラーの方も出演していて、フライヤーには『役者』と『プロレスラー』が分かれて掲載されているのですが、なぜか私は『プロレスラー』の方に載っていて(笑)伏線を回収しちゃったのかなと。この作品に出ているときに、アクトレスガールズのアクトリング(演劇部門)に声をかけていただきました」
アクトリングが主な活動場所だったが、同時にアクトレスリング(エンターテイメントプロレス)にも乱入するマネジャーとして参戦していた。2022年8月に風香がアクトレスガールズのアドバイザーに就任してから、時間が急に動き出す。
「実はその少し前からアクトレスリングは辞めようと思っていたんです。ほとんどプロレスの練習をしていないのに出るのは失礼だと思って。初めましてが最後のあいさつになってしまうのですが、風香さんに辞めることを伝えようとしたら逆に『ちゃんとプロレスをやってみない?』と声をかけていただきました。辞める報告のはずだったのにすぐに『やります!』と返事してました(笑)それで風香さんから『バイパー(現WWE、スターダムに参戦経験がある女子レスラー)の映像を見てね』といわれて、こんな素敵なレスラーがいるのかと衝撃でした。女子プロレスでも、これだけ体が大きくて迫力のある選手がいるんだと」
![隠された真実を語ったメガトンこと轟もよ子【写真:橋場了吾】](https://encount.press/wp-content/uploads/2025/02/04150525/2e1f58fd4bf5d3849506d14ba79bc4b2.jpg)
年齢を気にして既存のプロレス団体にはいけないだろうというジレンマがあった
もっともっとプロレスの世界に浸りたくなった轟は、マリーゴールドの練習生としてゼロからプロレスを学ぶことにした。38歳、一般的には遅い入団といっていいだろう。
「私の実力ではプロレス団体には行けないと思っていたし、そう暗示をかけられた出来事もありました……。でも、覚悟を決めて風香さんに相談したら『最終的に入団を許可するのは(ロッシー)小川さんだけど、そうなるように教えるよ』と練習生のさらに予備軍として参加させてもらえるようになりました」
練習は厳しかった。初めて合同練習に参加した2024年夏、現在はWWEで活躍するジュリアに叱責されたこともあるという。
「私は前転ができなくて……ジュリアさんからは『起き上がる気あんの?』と。ほかの選手は後転、開脚前転と進んでいるのに私はずっと前転していて。それでやっと前転して立ち上がれたら、皆から拍手をもらったんですよ。ジュリアさんも『できんじゃん!』って。嬉しかったですね」
練習生時代の轟について、ほかのマリーゴールドの選手からは「選手が応援したくなる選手」「場を中和して和ませてくれる」「本当に人間的に大好き」という声を聴いた。
「もっと練習してお客さんが感動するような試合ができるレスラーになりたいですね。私の夢はもう私だけのものではないし兄の再起のきっかけになりたいから。いつか兄と苦しかった過去を笑えるように、私が明るい悪の道を切り拓きます」
2.7新宿FACE大会では、MIRAIとのシングルマッチが組まれているメガトン。最後に轟は、メガトンの顔になってこう語った。
「アイツ、いつも笑っているでしょ? でもな、新宿FACEでは悔しくて泣くMIRAIを見ることになるよ。まだマリーゴールドでは見せたことのない『逆さガオーッ!』でな。覚悟しとけ! ガオーッ!」
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