新王者・朝倉海に集結する女性記者 堀口との再戦は大みそ日で決定か

試合後は笑顔で質問に答えた
試合後は笑顔で質問に答えた

女性記者を引き付ける新王者の母性

 ちなみに、新王者に対して取材陣が、同じバンタム級の強豪である元谷友貴と石渡伸太郎の名前が上げると、「元谷選手? 強い選手と思います。でも負けることはないと思います。石渡選手? ああ、ぜんぜん勝てますね」と平然と言ってのける。

 全ては自信の裏返し。それだけの苦難を乗り越えてきた証明だ。実はここで興味深い事実を披露する。

 これは余談だと思ってもらっても構わないが、朝倉がコメントをする段になると、いつの間にか多数の女性記者がインタビュースペースに増えているのだ。これは嘘偽りなく、他のファイターではお目にかかれない光景なのである。
 
 それだけ女性の母性本能をくすぐる存在が朝倉海なのだろう。そう考えると朝倉もまた、実はウサギではなく、亀のように一歩一歩着実にここまで歩んできたのかもしれない。

 では、どこでその転機が訪れたのかといえば、それは朝倉が試合直後に答えていた通り、大みそ日にケイプに負けたことによる悔しさだった。その感情は、自然と朝倉にとってすべての起爆剤へと変貌を遂げる。

「その後、(コロナ禍に入って時間ができて)自分を見つめ直せるいい時間だった。今回は負けたら終わりぐらいの気持ちでいました。今回はセコンド(兄の未来)の声もちゃんと聞こえていて、その言葉通りに動いていました」

 そう言って自らの思いを告白した朝倉。続けてこう答えた。

「今日は試合を見つめ直して、お酒が飲みたいですね。帰ってビールを飲みます」

 笑顔でそう答える朝倉。これから朝倉の行く先には、さらなる修羅場が待ち構えているだろう。

 それでも現在26歳の新王者・朝倉は意気軒昂にこう答える。

「何度も言っているんですけど、ホントに日本の格闘技を盛り上げたいので、僕が先頭に立って、僕がRIZINをもっとデカくできるように頑張ります。これからも応援お願いします! ありがとうございました!」

 果たして、この言葉にも「ホント」の文字が含まれていた。となれば、朝倉がこれを「ホント」に実現させることを強く望む。それは必ずや次なる世代の朝倉海を生み出すことにつながっていくのだから――。

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