新王者・朝倉海に集結する女性記者 堀口との再戦は大みそ日で決定か
勝利後、次なる相手を指名
試合を振り返ろう。
ゴングが鳴ると、先に仕掛けたのは扇久保。しかしながら、すぐに朝倉がこれを上回る数と重さの打撃を繰り出していく。左のハイキック、ワンツー、左のローキック(インロー)。時折、扇久保も応戦するが、距離を縮めながら威圧していたのは朝倉。手数でも朝倉が圧倒的に扇久保を上回っていく。
その後もお互いの手足によるスピード感のある打撃による攻防が繰り広げられるが、如何せんリーチの差があるためか、扇久保の劣勢は否めない。要は、試合はすべて朝倉の間合いで行われていたのだ。
もうすぐ第1Rが残り1分となり、扇久保が次の回に向けて立て直しを図っておきたい刹那、試合は一気にクライマックスを迎える。
フィニッシュシーンは、4分15秒すぎ。朝倉による、この日3度目の右アッパーが扇久保の顔面を捕らえる。
試合後に朝倉は自らこの場面を解説し、「扇久保選手が下を向く癖があったので、アッパーとヒザは狙っていました」と持論を展開。
続いて朝倉の左の飛びヒザ蹴りが扇久保を襲うが、朝倉は「これも狙っていました」と答えた。
この後に倒れた扇久保が立ち上がろうとする刹那に背後に回った朝倉は、扇久保の顔面の右側にパンチを振り下ろすと、体勢を立て直そうとする扇久保に対し、2発の左足によるサッカーボールキック! 2発目が炸裂した段階でレフェリーは試合を止めた。
これにより朝倉が新王者に!
勝負タイムは1R4分31秒、正式な決まり手はグラウンドキックによるレフェリーストップ(TKO)だった。
「作戦通りに行きました。一発効いたら、絶対に仕留める気持ちでいきました。(TKOでの勝利は?)気持ちいいです。でも、みんなが見たいカードって、僕と堀口選手の試合(再戦)だと思うので、実現させてください!」
朝倉がこの言葉を発した直後には、再び会場中から祝福の大きな拍手がわき起こる。それだけ望まれた一戦であることの証である。いわば新王者である朝倉にとっての大事な使命。それを十分に認識している朝倉は、インタビュースペースでのコメントでも強くそれを主張した。
「チャンピオンとして指名したい挑戦者は堀口選手です。お互い、万全の状態になってから闘いたいですね。年末にできたら一番いいですね」
これに関しては榊原信行CEOも似たような見解を示した。
「朝倉海vs堀口は9月(に予定される大会)ではなく大みそ日。恭司と話して、もしかしたら9月に1戦挟むかもしれないですけど、個人的には大みそ日にダイレクトでやらせたい。まあ恭司と話してからですね」