新王者・朝倉海に集結する女性記者 堀口との再戦は大みそ日で決定か
「今回、本当にたくさんの人の支援のおかげで、こうやって大会を開催することができて、こうやって試合ができました。ホントに感謝してます。(ベルトは)本当は去年の大みそ日に取りたかったんですけど、みなさん、お待たせしました!」
“ウサギVS亀" 童話の世界覆した朝倉
「今回、本当にたくさんの人の支援のおかげで、こうやって大会を開催することができて、こうやって試合ができました。ホントに感謝してます。(ベルトは)本当は去年の大みそ日に取りたかったんですけど、みなさん、お待たせしました!」
10日、横浜に新設されたばかりのぴあアリーナMMで開催されたRIZIN.23。前日の「RIZIN.22」に続き、2日目となるこの日もまた全9試合が行われたが、なんと言ってもこの日はメインに尽きた。前王者のマネル・ケイプがUFCに移籍したことで空位となったバンタム級王座決定戦。扇久保博正VS朝倉海による一騎討ちである。
冒頭の発言は、この対決に勝利し、第3代RIZINバンタム級王者に輝いた、朝倉海の歓喜の言葉。数分前に朝倉は激闘を制したばかりのリング上から、このコメントを口にしたのだ。
興味深いのは、朝倉がこの言葉を発した直後に、コロナ禍のため、声援で応えることができない観客から、期せずして会場中から祝福の大きな拍手が贈られたことだろう。
「(ケイプに負けて)本当に悔しくて、ホントに必死こいて練習してきました。しっかり準備はしてきてたので、自信を持って闘うことができました。(勝利のゴングが鳴った瞬間は)ホントに自分がやってきたことは間違いがなかったなと。ホントによかったなと思いました」
試合直後からここに至るまでの数分の間に、朝倉はすでにホント(本当)という言葉を6回も使っている。口癖なのかもしれないが、それだけ朝倉が正直な気持ちを吐露している証拠だろう。それだけはひしひしと伝わってきた。
そんなところで改めて朝倉、扇久保のたどってきた道程を簡単に説明すると、RIZINにおける両者の立ち位置はまさに対照的。扇久保が同階級の強豪を1人ずつ撃破しながら階段を1つずつ登ってきたのに対し、朝倉は、昨年8月に初代王者の堀口恭司からまさかの秒殺勝ちを果たしたことで、一気にトップ戦線に躍り出てきた実績を持つ。
しかも朝倉は、昨年大みそ日にはケイプとの王座決定戦に挑みながら惜しくも敗れているファイター。一方の扇久保は、4月に予定されていたRIZIN.22で王者ケイプへの挑戦が決まっていながら、実現せぬまま現在に至っている。
つまり童話「ウサギと亀」にたとえると、どちらかといえばウサギ型が朝倉、亀型が扇久保といった雰囲気に近い。となれば競争に勝つのは亀になるが、先述通り、RIZINではウサギが勝利した。しかも今回の朝倉は完勝。朝倉は童話の世界すらブチ破ったということか。