山田洋次×石井ふく子が約7年ぶりにタッグ 3月13日放送『わが家は楽し』、主演は小日向文世

俳優の小日向文世が、3月13日に放送されるTBSドラマ特別企画『わが家は楽し』(午後9時)で主演を務めることが31日、発表された。

『わが家は楽し』の出演者が発表された【写真:(C)TBS】
『わが家は楽し』の出演者が発表された【写真:(C)TBS】

「家族」について見つめ直すきっかけを訴える珠玉のホームドラマ

 俳優の小日向文世が、3月13日に放送されるTBSドラマ特別企画『わが家は楽し』(午後9時)で主演を務めることが31日、発表された。

 本作の作・脚本を務めるのは、映画界の巨匠・山田洋次氏。そして、“家族”を描くことにこだわり、これまで多数のホームドラマの傑作を世に送り出している石井ふく子氏がプロデューサーを務める。この両氏がテレビドラマで脚本とプロデューサーを担当するのは、2018年放送のドラマ特別企画『あにいもうと』(同)以来、約7年ぶりとなる。

『わが家は楽し』は、夫婦間の離婚問題をきっかけとして、その問題が家族全員の心を揺さぶっていく、というストーリー。そして、やがてそれに関わる全員が、それぞれの立場で「家族とは何か」「夫婦とは何か」を考え、新たな形で家族の絆を見つめ直していく。

 人と人とのつながりが希薄になっている現代だからこそ、孫・親・祖父母の世代に広く「家族」について見つめ直すきっかけを訴える珠玉のホームドラマとなっている。

 主演を務めるのは小日向。本格的なホームドラマで“一家のお父さん”という役柄を演じるのは今回が初めてだ。本人曰く、ずっとこのような人物を演じてみたかったそう。さらに、石井氏プロデュース作品への参加も今回が初となる。そして、小日向の妻役を戸田恵子が務める。さらに、この夫婦を取り巻く家族たちに、高橋海人(King & Prince)、桜井ユキ、山田杏奈、えなりかずきといった豪華なキャスト陣が集結。他のキャストは今後発表される予定だ。

小日向文世「二人が揃ったドラマに自分がオファーされて非常に光栄」

 以下、小日向、山田氏、石井氏のコメント全文。

○小日向文世

「山田洋次さんがテレビドラマをオリジナルで書くことはあまりないことだと思うので、そんな作品に自分が参加できること、そして石井ふく子さんがプロデュースをされるということで、このお二人が揃ったドラマに自分がオファーされて非常に光栄でした。僕が演じる幸之助は、そんなことしたら奥さんに嫌われちゃうよ、というような困ったおじさんだなと思います(笑)。僕はいつも妻に気を使いながら、嫌われない、捨てられないようにして生活していますから真逆です。偉そうにはしていません。絶対に(笑)。本作では、一つ屋根の下に家族がそろってそこでいろんなことが起きるという、ごく普通の当たり前の日常の中に、誰しもが起こりえる問題が起こって、周りの人たちはそれに対してすごく困惑したり悲しくなったりしています。それぞれの登場人物の心の動きをぜひじっくりご覧いただけたらと思います。本当に身近な話だと思いますし、この題材をドラマにしていただいたことが僕はすごくうれしいです。この物語は僕が子どもの時にテレビでよく観ていたホームドラマに近い感じがしてすごく懐かしい、僕の世代の方は特に何とも言えない郷愁を感じると思います。いろんな家族のあり方を深く掘り下げている作品になっていますので、若い世代の方にもこの作品を通して『家族とはどういうものか』ということを考えるきっかけになっていただけたらうれしいです。ぜひご覧ください」

○山田洋次氏

「『サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ――』という植木等の歌が大ヒットしたのは1960年代だっただろうか。一応名の通った大学を出て上場会社に就職すれば、スピードに個人差はあってもともかく年ごとに月給は上がってゆき、やがて管理職、そして定年になりほどほどの退職金をもらって第二の人生を迎える、という安全なサラリーマン人生を植木等は自嘲気味に謳ったのだが、1980年代に入ると効率とか成果主義とかいう言葉が押し寄せてきて、サラリーマンの世界に中途退社とか中途採用が当たり前になりだす。大きく変わり始める会社員のありかたに不安をいだきつつ、何とか無事に定年を迎え、そこそこの退職金を頂いてリタイア、さてこれからどのようにしてまだまだ長い人生、いわゆるオルタナティヴライフを送るべきかと、家族には見せないけど内心不安をいっぱい抱えているのがこの作品の主人公平山幸之助だが、その彼に思いもかけない事件、大袈裟なようだがしかし、彼にとっては間違いなく人生の大事件が勃発する。長年連れ添ってくれた妻の史枝が、離婚してほしいと言い出した。定年退職を期に妻の側から離婚を申し込まれるという話、男にとっての大事件が起きた話はときおり耳にすることがある。長年同じ屋根の下、屋根どころか同じ部屋に寝起きしていながら、愛について語り合うことが少ない夫婦は多いのではないだろうか。さて、この恐るべき事態をどう切り抜けるか、破綻してしまうのではなく、懸命な知恵と工夫で夫婦が再生することは出来ないだろうかという難問題を、石井ふく子プロデューサーから出された宿題を解くような思いで、この脚本を書きました。思えば今から50年前の東芝日曜劇場の時代、ぼくは石井さんにテレビドラマ脚本の骨法についてしっかりと教えられたものです。ドラマのTBSという輝かしい伝統を懐かしく思い出します」

○石井ふく子氏

「今の時代、テレビで家族の問題を真正面から描いたドラマが少なくなってきたなと思います。でも、『家族』という存在はすごく大事なんだということを常に感じています。そして、長年タッグを組んできた山田洋次さんとは数年前からそのことを話してきて、山田さんも同じお気持ちでいたので、今回も山田さんの脚本で作り上げたいなと思いました。家庭の中では時にいざこざが起きて、腹が立つこともあるかもしれないけれど、それでも一緒に生活できることはとてもすごいことで、実は一番自分の生活に合っていて、それが『家族』なのだということ。いろんな問題があるけれども、最終的には『家族は楽しいんだ』ということを伝えたく、本作を作りました。家族という存在には良いところも悪いところもあるけれど、家族を通して気づくことはたくさんあると思っています。本作の中で繰り広げられる家族同士のいざこざや心の通い合いを通して、自分は正しいと思ってやっていたことが実は他からは全然違う風に捉えられていたり、血の繋がっている家族でも考え方は人それぞれあるということ。相手の気持ちは聞いてみないと分からないということに気づくきっかけになればうれしいなと思います」

※高橋海人の「高」の正式表記ははしごだか

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